♪本の部屋♪

「本の部屋♪」では、管理人の大好きな本をご紹介します♪

 

日本文学

芥川龍之介 1916年成立
日頃芋粥を飽きるほど食べてみたいと夢見ていた冴えない中年役人が、いざ本当に大量の芋粥を目の前にすると食欲をなくしてしまうというお話で、「欲望は達せられないうちに価値があるのであって、達してしまうと幻滅する」という現代人的な心理描写を描き出した小説。

 

銀河鉄道の夜
宮沢賢治 1924年頃成立
貧しいジョバンニが、友達を助けて命を落とした親友カムパネルラをあの世へと見送る銀河鉄道の旅。あまりにも幻想的で切ない日本文学の永遠の名作です。宮沢賢治がどんな考えを持って、どんな人生を歩んできたのかを知ると、より共感が深まります。

芥川龍之介 1918年成立
地獄に落ちたカンダタに釈迦が手を差し伸べるというお話。「罪と罰と救済」という非常に深いテーマを取り扱った小説で、芥川が初めて書いた児童向け文学になります。

 

こころ
夏目漱石 1914年成立
「人間失格」と人気を二分する日本近代文学の傑作。誰もが陥る可能性のある、人を裏切ったことによる心の傷と、その裏切りに悩み殉死を選ぶ心の葛藤をえぐり出す、永遠の名作。しかし明治天皇の後を追って自決する乃木希典に影響されて自殺を選ぶ姿には、どうしても疑問が残りました。

古事記
太安万侶 稗田阿礼 712年成立
日本人と皇室、2000年の歴史の原点が記された、私たち日本人にとっての真実の書。ハクが一番好きな本です^^読めば読むほど皇室が好きになり、読むほどにこの国が誇らしく思えます。夢中になって書いていたら、コンテンツがでかくなりすぎてしまった(90分ぐらい)ので、上巻(神話の時代)のみのご紹介です…

森鴎外 1915年成立
旅の途中に人買いにつかまり奴隷とされた厨子王(ずしおう)が、やがて脱出して都で出世し、生き別れた母を探し出すという、平安時代後期を舞台としたお話。「さんせう太夫」という古典を元に森鴎外が書き上げた作品になります。

 

芥川龍之介 1918年成立
鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」の「絵仏師良秀」をもとに書き上げた作品で、地獄の描写を描くために自分の娘を犠牲にした絵仏師のお話。この「芸術のためにはどんな犠牲もいとわない」姿勢が、芥川自身の生き様と重なるとも称され、大変な話題となった小説です。

 

宮沢賢治 1934年発表
活動写真館(映画館)の楽団に勤める未熟なチェリスト・ゴーシュが、動物たちとの交流を通じて演奏技術を向上させていき、音楽会のアンコールで大絶賛されるという物語。

 

森鴎外 1916年成立
自殺に失敗して苦しむ弟にとどめを刺して罪人となった喜助が、高瀬舟の護送役の同心・羽田庄兵衛にその内容を語るというお話。「安楽死の是非」と「足ることを知る」という重いテーマを扱った文学になります。

 

宮沢賢治 1924年頃成立
東京から猟に来た二人の若い男が、山奥の「料理店」で山猫の罠にかかってあやうく料理されかかる、というお話。賢治の代表作としては、唯一の生前発表作になります。

 

人間失格
太宰治 1948年成立
太宰治が1948年6月の自殺直前に書き残した精神的自叙伝。本当の自分をさらけ出すことなく生きてきた主人公「葉蔵」の、幼少期から青年期までの道化と転落を描いた捨て身の自己告白文学。

走れメロス
太宰治 1940年成立
人間の信頼と友情の美しさ、圧制への反抗と正義とを描いた、太宰治の短編小説。処刑されることを承知の上で友情を守ったメロスが、人間不信の王に信頼することの大切さを悟らせる様子を描いた物語です。「約束を守ることの大切さ」を伝えてくれる本として、お勧めしたいです。

芥川龍之介 1916年成立
ある鼻の長い高僧が、内心それを恥じてなんとか短くすることに成功するも逆に笑われ、その後元の鼻に戻ってほっとするという話。古典を題材に「人のコンプレックスと葛藤、不幸への同情と幸福への妬み」という人間の普遍的な心理を描いた、誰もが共感できるユーモア溢れる短編小説

 

夏目漱石 1906年成立
「いたずらと不祥事」「三角関係と左遷」「喧嘩と和解」「陰謀と報復」「暴力沙汰と辞職」などのてんこ盛りなストーリーを、「江戸っ子気質」の坊っちゃんが、自身の正義感に基づいて突き進んでいくお話。漱石文学の中でも最も人気のある小説の一つで、時代を超えて共感できる不思議な魅力を持った名作です。

 

森鴎外 1890年成立
ベルリンを舞台にしたエリート官僚「太田豊太郎」とドイツ人の踊り子「エリス」の恋物語。その近代的な内容と斬新な文体で、当時話題になった森鴎外の代表作。森鴎外の実際のドイツ留学中の恋愛を元にしたお話と言われています。

 

芥川龍之介 1915年成立
「生きるために悪」を選ぶという「人間のエゴイズム」を描き出した傑作。古典に題材を求めて独自の脚色や新しい解釈を与えることで「普遍的テーマ」を織り込むという、新しい文学を確立した記念碑的作品です。

 

夏目漱石 1905年頃成立
名前のない猫「吾輩」が、飼い主・珍野苦沙弥とその周辺に集う人達を観察や考察したりする物語で、中心となるストーリーは「寒月と金田富子の結婚問題と、苦沙弥一門と実業家金田の対立」。

 

 

海外文学

旧約聖書
紀元前11世紀から紀元前4世紀頃
紀元前のユダヤ人の歴史と、神とユダヤ人の契約を綴ったユダヤ教・キリスト教の共通の聖典。アダムから始まる血の系譜は、ノア、アブラハム、ダビデ、ソロモン、と受け継がれ、やがてダビデの末裔からキリスト(救世主)が誕生するだろうと預言される。

孫武 紀元前515年頃成立
中国春秋時代の兵法家・孫武(そんぶ)によって書かれた、中国で最も古く最も優れた兵法書。ナポレオンが座右の書とし、第1次世界大戦で敗北したドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が、戦う前に読みたかったと嘆いた究極の古典になります。

 

新約聖書
紀元1世紀頃成立
旧約聖書の預言通り誕生したイエス・キリスト(救世主)の物語。数々の奇跡と愛の教えで人々の心を救済し、自らが磔刑に処されることで人々の罪を贖い、天国への扉を開いた、という教義が後に弟子たちによって作られていく。

クルアーン(コーラン)
ムハンマド 7世紀頃成立
最後の預言者ムハンマドを通して神アッラーフの言葉を記したイスラム教の聖典であり、旧約聖書、新約聖書の続編にあたる。「ユダヤ教徒やキリスト教徒たちは解釈を曲げている、本当はこうなのだ。」とアッラーフがムハンマドを通じて、聖書の記述にいろんな修正を加えていきます。

神曲
ダンテ・アリギエーリ 1300年頃成立
西暦1300年の復活祭(4月上旬)に、一週間かけてキリスト教の地獄(地球内部)、煉獄(南半球の孤島)、天国(宇宙)を巡ってきた、というダンテの冒険談。ギリシャ神話の冥界と聖書の世界を織り交ぜた独特の死後の世界において、ダンテは様々な歴史上の人物達の死後の姿に出会います。ただその裁き(天国と地獄の振り分け)が、どうもダンテの好みによって行われているような気がするのですが…ダンテ自身の政敵批判、政治批判が多いのもこの神曲の特徴の1つです。

ウイリアム・シェイクスピア 1595年頃成立
イタリア・ヴェローナの長年対立する二つの名家の息子と娘が恋に落ち、永遠の愛を誓うもまもなく破局して二人は自死を選ぶという悲しい恋愛物語。シェイクスピアの代表作で、世界恋愛悲劇の傑作と言われています。

 

ウイリアム・シェイクスピア 1601年頃成立
デンマーク王子ハムレットが、父王を毒殺して母を妃とした叔父クローディアス王に復讐する物語。「四大悲劇」の一つになります。

 

ウイリアム・シェイクスピア 1605年頃成立
追従した二人の娘に国を相続させて真実を告げた末娘を勘当したリア王が、後に二人の娘に裏切られて狂って荒野をさまよい、さらに戦争で敗れて末娘まで失い、悲しみのあまり世を去るという物語。「四大悲劇」の一つで、シェイクスピア悲劇の最高峰と言われています。

 

ウィリアム・シェイクスピア 1606年頃成立
マクベス将軍が主君を暗殺して王位につくが、やがて錯乱して暴政を敷き、王子たちの復讐に倒れる物語で、11世紀のスコットランドを舞台にしたお話になります。

 

戦争と平和
トルストイ 1869年成立
ナポレオンのロシア戦役を描いた大河歴史小説にして、世界文学の最高峰と言われるトルストイの傑作。皇帝から農民まで、全員を生き生きと描ききったトルストイの情熱が凄いです。ハクは読むだけで8日間かかりました。

カラマーゾフの兄弟
ドストエフスキー 1880年成立
愛憎渦巻くカラマーゾフ家の中に、人と神という人類永遠のテーマを描いた名作で、世界文学の最高傑作との呼び声もある小説の王様。恋愛、宗教、思想、家族、犯罪、裁判…などいろんな要素が盛り込まれてますが、推理小説という側面もあります。ハクは読むだけで5日間かかりました。

失われた時を求めて
マルセル・プルースト 1913年から27年にかけて成立
パリの裕福な家庭で育ったマルセル・プルーストの、幼少期から初老に至るまでの自伝的小説。主なテーマは、時と記憶、それから愛と嫉妬とスノビリティ。世界最長・最難関との呼び声もある大小説で、20世紀文学の金字塔とまで言われました。文庫本13巻全部並べると、厚さがなんと30センチ。ハクは読むだけで15日かかりました。普通の人が全部読むのはたぶん無理なので、このページを読んで概要だけ知っておいてください。

アンネの日記
アンネ・フランク 1942年から44年にかけての日記
ユダヤ人の悲劇と戦争の愚かさを、世界中に訴えることになった世界一有名な日記。でもハクは、「若いうちに読書することの大切さを、アンネの短い生涯を通して伝えてくれる本」としてこの本をおすすめしたいです。たった一人生き残ったお父さんが、この日記をめくる姿を想像して、僕は涙がこぼれました。

星の王子さま
サン・テグジュペリ 1943年成立
「仲良くなる」とはどういうことなのかを通じて、「友情や愛情」について考えさせる小説。「費やした時間の分だけその人にとって大事な存在になる。大切なものは目に見えない。」といった普遍的なテーマを、だれもが共感できる形で表現した永遠の名作です。