日本文学
銀河鉄道の夜
宮沢賢治 1924年頃成立
貧しいジョバンニが、友達を助けて命を落とした親友カムパネルラをあの世へと見送る銀河鉄道の旅。あまりにも幻想的で切ない日本文学の永遠の名作です。宮沢賢治がどんな考えを持って、どんな人生を歩んできたのかを知ると、より共感が深まります。
こころ
夏目漱石 1914年成立
「人間失格」と人気を二分する日本近代文学の傑作。誰もが陥る可能性のある、人を裏切ったことによる心の傷と、その裏切りに悩み殉死を選ぶ心の葛藤をえぐり出す、永遠の名作。しかし明治天皇の後を追って自決する乃木希典に影響されて自殺を選ぶ姿には、どうしても疑問が残りました。
古事記
太安万侶 稗田阿礼 712年成立
日本人と皇室、2000年の歴史の原点が記された、私たち日本人にとっての真実の書。ハクが一番好きな本です^^読めば読むほど皇室が好きになり、読むほどにこの国が誇らしく思えます。夢中になって書いていたら、コンテンツがでかくなりすぎてしまった(90分ぐらい)ので、上巻(神話の時代)のみのご紹介です…
人間失格
太宰治 1948年成立
太宰治が1948年6月の自殺直前に書き残した精神的自叙伝。本当の自分をさらけ出すことなく生きてきた主人公「葉蔵」の、幼少期から青年期までの道化と転落を描いた捨て身の自己告白文学。
走れメロス
太宰治 1940年成立
人間の信頼と友情の美しさ、圧制への反抗と正義とを描いた、太宰治の短編小説。処刑されることを承知の上で友情を守ったメロスが、人間不信の王に信頼することの大切さを悟らせる様子を描いた物語です。「約束を守ることの大切さ」を伝えてくれる本として、お勧めしたいです。
海外文学
旧約聖書
紀元前11世紀から紀元前4世紀頃
紀元前のユダヤ人の歴史と、神とユダヤ人の契約を綴ったユダヤ教・キリスト教の共通の聖典。アダムから始まる血の系譜は、ノア、アブラハム、ダビデ、ソロモン、と受け継がれ、やがてダビデの末裔からキリスト(救世主)が誕生するだろうと預言される。
新約聖書
紀元1世紀頃成立
旧約聖書の預言通り誕生したイエス・キリスト(救世主)の物語。数々の奇跡と愛の教えで人々の心を救済し、自らが磔刑に処されることで人々の罪を贖い、天国への扉を開いた、という教義が後に弟子たちによって作られていく。
クルアーン(コーラン)
ムハンマド 7世紀頃成立
最後の預言者ムハンマドを通して神アッラーフの言葉を記したイスラム教の聖典であり、旧約聖書、新約聖書の続編にあたる。「ユダヤ教徒やキリスト教徒たちは解釈を曲げている、本当はこうなのだ。」とアッラーフがムハンマドを通じて、聖書の記述にいろんな修正を加えていきます。
神曲
ダンテ・アリギエーリ 1300年頃成立
西暦1300年の復活祭(4月上旬)に、一週間かけてキリスト教の地獄(地球内部)、煉獄(南半球の孤島)、天国(宇宙)を巡ってきた、というダンテの冒険談。ギリシャ神話の冥界と聖書の世界を織り交ぜた独特の死後の世界において、ダンテは様々な歴史上の人物達の死後の姿に出会います。ただその裁き(天国と地獄の振り分け)が、どうもダンテの好みによって行われているような気がするのですが…ダンテ自身の政敵批判、政治批判が多いのもこの神曲の特徴の1つです。
戦争と平和
トルストイ 1869年成立
ナポレオンのロシア戦役を描いた大河歴史小説にして、世界文学の最高峰と言われるトルストイの傑作。皇帝から農民まで、全員を生き生きと描ききったトルストイの情熱が凄いです。ハクは読むだけで8日間かかりました。
カラマーゾフの兄弟
ドストエフスキー 1880年成立
愛憎渦巻くカラマーゾフ家の中に、人と神という人類永遠のテーマを描いた名作で、世界文学の最高傑作との呼び声もある小説の王様。恋愛、宗教、思想、家族、犯罪、裁判…などいろんな要素が盛り込まれてますが、推理小説という側面もあります。ハクは読むだけで5日間かかりました。
失われた時を求めて
マルセル・プルースト 1913年から27年にかけて成立
パリの裕福な家庭で育ったマルセル・プルーストの、幼少期から初老に至るまでの自伝的小説。主なテーマは、時と記憶、それから愛と嫉妬とスノビリティ。世界最長・最難関との呼び声もある大小説で、20世紀文学の金字塔とまで言われました。文庫本13巻全部並べると、厚さがなんと30センチ。ハクは読むだけで15日かかりました。普通の人が全部読むのはたぶん無理なので、このページを読んで概要だけ知っておいてください。
アンネの日記
アンネ・フランク 1942年から44年にかけての日記
ユダヤ人の悲劇と戦争の愚かさを、世界中に訴えることになった世界一有名な日記。でもハクは、「若いうちに読書することの大切さを、アンネの短い生涯を通して伝えてくれる本」としてこの本をおすすめしたいです。たった一人生き残ったお父さんが、この日記をめくる姿を想像して、僕は涙がこぼれました。
星の王子さま
サン・テグジュペリ 1943年成立
「仲良くなる」とはどういうことなのかを通じて、「友情や愛情」について考えさせる小説。「費やした時間の分だけその人にとって大事な存在になる。大切なものは目に見えない。」といった普遍的なテーマを、だれもが共感できる形で表現した永遠の名作です。