めざせモスクワ(Moskau)をドイツ語で歌ってみよう!【カタカナ歌詞と日本語和訳付き!】<ジンギスカン>

めざせモスクワ(Moskau)」は1979年に発表されたドイツ語の曲。「ジンギスカン(Dschinghis Khan)」というドイツのモンゴル風なグループがロシアについて歌った曲で、80年のモスクワオリンピックに先立って作られました。日本では空耳ソング「もすかう」が有名ですが、その原曲です。
この「目指せモスクワ」にカタカナ歌詞と日本語訳をつけてみました。曲の解説と歌詞の理解、そして正しい発音で歌うための研究です。
 
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この曲をちょっと解説!

ここではこの曲の内容やタイトルの簡単な解説などをしておきますが、お急ぎの方は飛ばしてもらって構いません。
 

内容をざっくり解説!

Moskau(めざせモスクワ)」は1980年のモスクワオリンピックに先立って作られたものですが、オリンピックに直接言及しているわけでもなく選手たちを応援する内容でもありません。
 
主なテーマはモスクワの賛美とそこでの夜中のどんちゃん騒ぎで、歌詞をまとめると内容は概ね次の通りです。
 
モスクワは氷のように冷たく、歴史があって神秘的、そして美しい。だが熱い心を持っており、夜には同志たちと飲んで踊っての大騒ぎ。グラスを壁に投げろ!テーブルが壊れるまで踊ろう!君の幸せに乾杯だ!ウォッカならいくらでもある!
 
 

3つの「めざせモスクワ」!

少し紛らわしいのですが、原曲のドイツ語のタイトルはあくまで「Moskau」。それが日本では「めざせモスクワ」というタイトルで紹介されます。この曲はいくつかの国でカバーされましたが、実は79年に日本でもこの曲のカバー曲が2つ作られていました。
 
それが「ダークダックス」による「めざせモスクワ」と「バオバブシンガーズ」による「めざせモスクワ」。面白いことに日本語版のタイトルもどちらも「めざせモスクワ」でした。
 
つまり「めざせモスクワ」という歌は正確には3つ存在することになります
 
ご存知でした?
 
 
ちなみに「ダークダックス」版はあくまでモスクワを賛美する歌詞で概ね原曲を踏襲した内容でしたが、「バオバブシンガーズ」版は完全にモスクワオリンピックの日本代表応援歌になっており、ほぼ原曲を無視した内容です。当時のアニメキャラが総出で応援するすごい歌ですよ。

 
 
その後2005年以降日本でこの曲の空耳ソングが有名になるのですが、その空耳バージョンのタイトルが「もすかう」です。
 
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モスクワ?もすかう?Moskau?正しい呼び方はどれ?

この原曲のタイトルは「Moskau」なのですが、実はドイツ語では「au」の綴は「アオ(aʊ)」と発音することになっているため、「モスカウ」よりも「モスカオ」と発音する方が近いです。ドイツ語の辞書にも「モスカオ」と表記されています。実際に歌を聞いてみても「モスカウ」よりも「モスカオ」の方が近く聞こえると思います。日本語の「もすかう」というタイトルはこの「Moskau」をローマ字読みしたところから来ていたのですね
 
要するにドイツでは「モスクワ」のことを「モスカオ」と発音しているのです。
 
 
じゃあ「モスクワ」と「モスカオ」、正しいのはどっち?
 
 
……実はどちらも正しくないのです
 
 
あくまでロシアの地名ですのでロシアでの名称が正しいです。肝心なロシア語では「モスクワ」のことを「Москва」と書きますが、少し特殊な読み方のルールがあります。ロシア語には各単語に一箇所ずつアクセントと呼ばれる箇所がありそこを強く長く発音することになっているのですが、アクセントのある「o」は「オー」と発音するのに対し、アクセントのない「o」は「ア」と発音するというルールがあります。この「Москва」(ロシア語の「в」は「vヴ」の音)は語末の「a」にアクセントがあるため、「o」は「ア」と読み「マスクヴァー」と発音するのが正しいです
 
つまり「モスクワ」も「モスカオ」も「もすかう」も全て正しい発音ではないのです。
 
「モスクワ」というのはロシア語の「Москва」を日本人が強引にローマ字読み(本当はキリル文字)した発音だったのですね
 
なんか日本人ローマ字読みばっかり……😅
 
 
歌の内容に直接関係ないですが、せっかくですから覚えておいてください。日本では「モスクワ」、ドイツでは「モスカオ」、でも正しいのは「マスクヴァー」。「もすかう」はドイツ語の「Moskau」のローマ字読みで、「モスクワ」はロシア語の「Москва」のローマ字読み。
※日本での正式な呼称は「モスクワ」です。
 
 

「目指せモスクワ」カタカナ歌詞と日本語和訳!

「目指せモスクワ(Moskau)」の歌詞は全てドイツ語です。ドイツ語は印欧語族の中でも英語と同じゲルマン語派に属するため、英語と割と近いとされていますが、異なる点もいくつかあります。まず、男性名詞・女性名詞・中性名詞の存在と、「はがのにを」に相当する格の存在。それから動詞は現在形が6つに活用し、語順は動詞が2番目以外は割と自由。といったものが挙げられます。
また発音については一部特殊なルールはありますが概ねローマ字のみで、英語のようにスペルと発音がずれることは基本的にありません。細かいルールは後ほど説明します。
 
単語の意味や簡単な解説は歌詞の間に載せておきますが、いらない方は無視していただいて結構です。ただきちんと理解したい方やうまく歌いたい方は目を通しておいてください。ちなみに僕もこの歌を覚えてみたのですが、これ歌えると盛り上がって楽しいですよ!
 
※力不足で詳しい解説はできません。林フーゼル美佳子先生のブログや、Илья Агутинさんの動画を参考にさせていただきました。それから一部自信がありません。間違えていたらごめんなさい。
 
 
 
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歌詞と和訳①

作詞:ベルント・マイヌンガーさん
作曲:ラルフ・シーゲルさん
 
モスカオ  フレ(r)ムト ウント ゲハイムニスフォル  テュル(r)メ アオス ロ(r)ーテム ゴルト  カルト ヴィー ダス アイス
Moskau   Fremd und geheimnisvoll   Türme aus rotem Gold   Kalt wie das Eis
モスクワ…異国で神秘的、赤い金でできた塔が立ち並び、氷のように冷たい
 
モスカオ  ドホ ヴェーア ディヒ ヴィル(r)クリヒ ケント  デア ヴァイス アイン フォイアー ブレ(r)ント  イン ディア ゾー ハイス
Moskau   Doch wer dich wirklich kennt   Der weiß, ein Feuer brennt   In dir so heiß
モスクワ…だが本当に君を知る者は知っている、君の中にとても熱い炎が燃えていることを
 
→※1(後で繰り返し)
コザーケン ヘイ ヘイ ヘイ ヘプト ディー グレーザー  ナターシャ ハ ハ ハ ドゥー ビスト シェーン
Kosaken, hey, hey, hey, hebt die Gläser (Hey, hey)   Natascha, ha, ha, ha, du bist schön (Ha, ha)
コサックたち、ヘイ、ヘイ、ヘイ、グラスを上げろ ナターシャ、ハ、ハ、ハ、君は美しい
 
タヴァーリ(r)シュ ヘイ ヘイ ヘイ アオフ ダス レーベン  アオフ ダイン ヴォール ブル(r)ーダー ヘイ ブル(r)ーダー ホー  ヘイ ヘイ ヘイ ヘイ
To­wa­risch, hey, hey, hey, auf das Leben (Hey, hey)   Auf dein Wohl Bruder, hey, Bruder, ho   Hey, hey, hey, hey
同志よ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、人生に乾杯、君の幸福に乾杯、兄弟よ、ヘイ、兄弟よ、ホー、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
 
 
 

単語の意味とプチ解説①

Moskau (スカオ)「モスクワ」※独語では「au」の綴で「アオ」と発音する。従ってドイツでは「モスクワ」でも「もすかう」でもなく「モスカオ」。
Fremd (フ(r)ムト)「よその・外国の・見知らぬ」※独語では「b,d,g」の後に母音が続かない場合は濁らず清音になるというルールがある。つまり「フレムド」ではなく「フレムト」。
und (ント)「そして・と」※英語のand。※「ウンド」とは発音しない。
geheimnisvoll (ゲイムニスフォル)「神秘的な・謎に満ちた」※独語では「ei」の綴で「アイ」と発音。独語の「v」は英語の「vヴ」ではなく「fフ」の音。
Türme (テュル(r)メ)「塔」※Turm塔の複数形。※「ü」は「ユーウムラオト」と言い、「ウの口でイ」と発音する感じの「yユ」の音。※独語では名詞は大文字で書き始めるというルールがある。
aus (オス)「外へ・〜から(できた)」
rotem ((r)ーテム)「赤い」※独語では名詞の性別・数・格によって冠詞や形容詞などの語尾が変化する。※本来の形はrotだが後ろのGoldが中性単数3格であるため語尾にemがつく。
Gold (ルト)「金(中性単数3格)」
Kalt (ルト)「冷たい」
wie (ヴィー)「どのように・〜のように」※独語の「w」は英語の「vヴ」の音。
das (ス)「定冠詞」「その・この・それ」
Eis (イス)「氷(中性単数1格)」※独語では「ei」の綴で「アイ」と発音。
 
Doch (ホ)「だが・しかし」※chはa,o,u,auなどの後ろでは「ハ行(x)」。
wer (ヴェーア)「誰が」
dich (ディヒ)「君を」
wirklich (ヴィルクリヒ)「本当に・実の」
kennt (ント)「(彼は)知っている」※kennenの主語が3人称単数の形。
Der (ーア)「その・この・それ」※指示代名詞
weiß (ヴァイス)「(彼は)知っている・分かっている」※wissenの3人称単数現在。「ß」は「エスツェット」と言って「s」が2つ続く「ss」を意味するが、発音は普通の「サ行(s)」の音。
ein (イン)「ある・1つの・不定冠詞」
Feuer (フォイアー)「火(中性単数1格)」※独語では「eu」の綴で「オイ」と発音。また語末の「er」は「アー」と発音。
brennt (ブ(r)ント)「燃える」※brennenの三人称単数現在。
In (ン)「〜の中に」
dir (ディア)「君に」※「r」の後に母音が来ない場合はほとんど「ア」の音になる。
so (ー)「そのように・そんなに・とても」
heiß (イス)「熱い」
 
Kosaken (コーケン)「コサック人・騎兵」※Kosakの複数形。※「s」の後に母音が続く場合は「ザ行」で発音する。
hebt (ヘプト)「上げる・持ち上げる」※habenの二人称複数命令。※「b,d,g」の後に母音が続かない時は濁らない。
die (ディー)「定冠詞」
Gläser (グレーザー)「グラス(複数形)」※Glasの複数形で中性複数4格。※「ä」は「アーウムラオト」と言って「アの口でエ」と発音する感じの音(ɛ)。
Natascha (ナーシャ)「女性の名前」
du (ドゥー)「君は」
bist (スト)「〜です・います」※seinの二人称単数形。
schön (シェーン)「美しい」※「ö」は「オーウムラオト」と言って「オの口でエ」と発音する感じの音(ø)
 
To­wrisch (タヴァーリシュ)「同志」※「同志」という意味のロシア語товарищに由来するらしい。
auf (オフ)「〜の上に・に・で・に乾杯」
das (ス)「定冠詞」
Leben (ーベン)「命・人生(中性単数4格)」
dein (イン)「君の」
Wohl (ヴォール)「幸せ・健康(中性単数4格)」※母音+hで長母音化。
Bruder (ブーダー)「兄弟・仲間」
 
ドイツ語の文法を少しだけ説明します。
英語の動詞の現在形は3人称単数の時にsがつくという変化(例I have → He has)しか起こりませんが、ドイツ語では主語に応じて6つの形に変化します。例えば英語のbe動詞にあたる「sein(〜です・います)」では次のように変化します。
人称代名詞
sein(ザイン)
ich(イヒ)
bin(ビン)
du(ドゥ)
bist(ビスト)
er(エア)
ist(イスト)
私達
wir(ヴィーア)
sind(ズィント)
あなた(達)
ihr(イーア)
seid(ザイト)
彼ら
sie(ズィー)
sind(ズィント)
他の動詞も同様に6つに活用します。特に「sein」は歌詞にも頻繁に登場しますので余裕のある方は活用を覚えてみてください。
 
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歌詞と和訳②

 
 
→※2(後で繰り返し)
モスカオ モスカオ  ヴィル(r)フ ディー グレーザー アン ディー ヴァント  ル(r)スラント イスト アイン シェーネス ラント  ホ ホ ホ ホ ホ ヘイ
Moskau, Moskau   Wirf die Gläser an die Wand   Russland ist ein schönes Land   Ho, ho, ho, ho, ho, hey
モスクワ、モスクワ、グラスを壁に投げつけろ、ロシアは美しい国だ
 
モスカオ モスカオ  ダイネ ゼーレ イスト ゾー グロ(r)ース  ナハツ ダー イスト デア トイフェル ロース  ハ ハ ハ ハ ハ ヘイ
Moskau, Moskau   Deine Seele ist so groß   Nachts da ist der Teufel los   Ha, ha, ha, ha, ha, hey
モスクワ、モスクワ、君の心はとても大きい、夜にはそこに悪魔が放たれる(そこで大騒ぎをする)
ここまで※2←
 
→※3(後で繰り返し)
モスカオ モスカオ  リーベ シュメクト ヴィー カーヴィアル(r)  メートヒェン ズィント ツム キュッセン ダー  ホ ホ ホ ホ ホ ヘイ
Moskau, Moskau   Liebe schmeckt wie Kaviar   Mädchen sind zum Küssen da   Ho, ho, ho, ho, ho, hey
モスクワ、モスクワ、愛はキャビアのような味、少女たちはキスするためにそこにいる
 
モスカオ モスカオ  コム ヴィーア タンツェン アオフ デム ティッシュ  ビス デア ティッシュ ツザメンブリ(r)ヒト  ハ ハ ハ ハ ハ
Moskau, Moskau   Komm, wir tanzen auf dem Tisch   Bis der Tisch zusammenbricht   Ha, ha, ha, ha, ha
モスクワ、モスクワ、来て、テーブルの上で踊ろう、テーブルが壊れるまで
ここまで※1←
ここまで※3←
 
間奏 
 
 

単語の意味とプチ解説②

Wirf (ヴィル(r)フ)「投げろ」※werfenの二人称単数命令形。
die (ディー)「定冠詞」
Gläser (グーザー)「グラス」※Glasの複数形で中性複数4格。
an (ン)「に・で」
die (ディー)「定冠詞」
Wand  (ヴァンド)「壁(女性単数4格)」
Russland ((r)スランド)「ロシア」
ist (スト)「です・います」※seinの3人称単数。
ein (イン)「ある1つの・不定冠詞」
schönes (シェーネス)「美しい」※本来の形はschönだが、後ろのLandが中性単数1格なので語尾にesがつく。
Land (ント)「国・土地(中性単数1格)」
 
Deine (イネ)「君の(女性単数1格)」
Seele (ーレ)「心・精神・魂(女性単数1格)」
ist (スト)「です・います」※seinの3人称単数。
so (ー)「そんなに・とても」
groß (グ(r)ース)「大きい」
Nachts (ハツ)「夜に」
da (ー)「そこに」
der (ア)「定冠詞」
Teufel (イフェル)「悪魔(男性単数1格)」
los (ース)「放たれた」
der Teufel ist losで「大騒ぎをする」という意味になるそうです。
 
Liebe (ーベ)「愛(女性単数1格)」※独語では「ie」の綴で「イー」と発音。
schmeckt (シュクト)「味がする」※schmeckenの三人称単数。
wie (ヴィー)「どのように・のように」
Kaviar (カーヴィアル(r))「キャビア」
Mädchen (ートヒェン)「少女・女の子」
sind (ズィント)「です・います(三人称複数形)」
zum (ム)「に・のために」※前置詞zu(に・のために)と定冠詞demの融合形。ただしzu+不定詞(原形動詞)で「〜すること」を意味する。
Küssen (キュッセン)「キスをする」
da (ー)「そこに」
 
Komm (ム)「来て」※kommen来るの二人称単数命令形。
wir (ヴィーア)「私たちは」
tanzen (ンツェン)「踊る(一人称複数形)」
auf (オフ)「〜の上で」
dem (ム)「定冠詞」
Tisch (ティッシュ)「机(男性単数3格)」
Bis (ス)「まで」
der (ア)「定冠詞」
Tisch (ティッシュ)「机(男性単数1格)」
zusammenbricht (ツメンブリ(r)ヒト)「壊す・崩れ落ちる」※zusammenbrechen壊れるの三人称単数現在。
 
ドイツ語の文法をもう少しだけ説明します。
ドイツ語で厄介なのが名詞の性別と格。英語と異なりドイツ語の名詞は男性名詞・中性名詞・女性名詞に分かれる他、格という概念が登場します。
格というのは主語や目的語などの役割を表すもので、1格(主格・は・が)、2格(所有格・の)、3格(関節目的格・に)、4格(直接目的格・を)の4つがあります。英語では「SVOC」などの配置(語順)によって主語や目的語が決まりますが、ドイツ語ではこの格によって主語や目的語が決まります。そしてこの名詞の格や性別・数を表すために名詞の持つ情報(性別・数・格)に応じて冠詞や人称代名詞・形容詞などの語尾を変化させることになっています(シグナル語尾)ここでは定冠詞と所有代名詞(dein君の)のルールだけ説明します。ドイツ語では名詞の性別・数・格によって次のように使い分けることになっています。
〈定冠詞〉
男性単数
中性単数
女性単数
男中女複数
1格(は)
der
das
die
die
2格(の)
des
des
der
der
3格(に)
dem
dem
der
den
4格(を)
den
das
die
die
〈所有代名詞・dein君の〉
男性単数
中性単数
女性単数
男中女複数
1格
dein
dein
deine
deine
2格
deines
deines
deiner
deiner
3格
deinem
deinem
deiner
deinen
4格
deinen
dein
deine
deine
各名詞の性別・数・格も記載しておきますので、お時間のある方は使われてる定冠詞や所有代名詞を確認しててみてください。特に定冠詞は歌詞の中に頻繁に登場します。形容詞については冠詞の有無によっても異なり少し複雑なので割愛しますが、名詞が後ろに来る場合は基本的には定冠詞と同じように語尾が変化すると思ってください。
 
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歌詞と和訳③

 
 
モスカオ  トーア ツア フェアガンゲンハイト  シュピーゲル デア ツァーレ(r)ツァイト  ロ(r)ート ヴィー ダス ブルート
Moskau   Tor zur Vergangenheit   Spiegel der Zarenzeit   Rot wie das Blut
モスクワ…過去への門、帝政時代の鏡、血のように赤い
 
モスカオ  ヴェーア ダイネ ゼーレ ケント  デア ヴァイス ディー リーベ ブレ(r)ント  ハイス ヴィー ディー グルート
Moskau   Wer deine Seele kennt   Der weiß, die Liebe brennt   Heiß wie die Glut
モスクワ…君の心を知る者は、知っている、愛が火のように熱く燃えていることを
 
コザーケン ヘイ ヘイ ヘイ ヘプト ディー グレーザー  ナターシャ ハ ハ ハ ドゥー ビスト シェーン
Kosaken, hey, hey, hey, hebt die Gläser (Hey, hey)   Natascha, ha, ha, ha, du bist schön (Ha, ha)
コサックたちよ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、グラスを持ち上げろナターシャ、ハ、ハ、ハ、君はは美しい
※ここは※1と同じ歌詞
 
タヴァーリ(r)シュ ヘイ ヘイ ヘイ アオフ ディー リーベ  アオフ ダイン ヴォール メートヒェン ヘイ メートヒェン ホー  ヘイ ヘイ ヘイ ヘイ
To­wa­risch, hey, hey, hey, auf die Liebe (Hey, hey)   Auf dein Wohl Mädchen, hey, Mädchen, ho   Hey, hey, hey, hey
同志よ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、に乾杯、君の幸福に乾杯、少女よ、ヘイ、少女よ、ホー、ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
下線以外は※1と同じ歌詞
 
 
 

単語の意味とプチ解説③

Tor (ーア)「門」
zur (ーア)「に・へ・のために」※前置詞zu(に・へ・のために)+定冠詞derの融合形
Vergangenheit (フェアンゲンハイト)「過去(女性単数3格)」
Spiegel (シューゲル)「鏡」
der (ア)「定冠詞」
Zarenzeit (ツーレ(r)ンツァイト)「皇帝の時代(女性単数2格)」
Rot ((r)ート)「赤い」
wie (ヴィー)「どのように・のように」
das (ス)「定冠詞」
Blut (ブート)「血(中性単数1格)」
 
wer (ヴェーア)「誰が」
Deine (イネ)「君の」
Seele (ーレ)「心・精神・魂(女性単数1格)」
kennt (ント)「(彼は)知っている」※kennenの主語が3人称単数の形。
Der (ーア)「その・この・それ」※指示代名詞
weiß (ヴァイス)「(彼は)知っている・分かっている」※wissenの3人称単数現在。
die (ディー)「定冠詞」
Liebe (ーベ)「愛(女性単数1格)」
brennt (ブ(r)ント)「燃える」※brennenの三人称単数現在。
heiß (イス)「熱い」
wie (ヴィー)「どのように・のように」
die (ディー)「定冠詞」
Glut (グート)「火・灼熱(女性単数1格)」
 
ここは1回目と微妙に歌詞が異なるため、異なる部分だけピックアップ。
das Leben (ーベン)「命・人生(中性単数4格)」→die Liebe (ーベ)「愛(女性単数4格)」
Bruder (ブーダー)「兄弟・仲間」→Mädchen (ートヒェン)「少女・女の子」
 
ドイツ語の発音をちょっと解説!
①ドイツ語のアクセントに注意!
ドイツ語のアクセント箇所は原則として第一音節(最初の母音)で、そこを「強く長く」発音することになっています。歌う上ではあまり意識する必要はありませんが、一応太字にしておきました。
②ドイツ語の「r」発音に注意!
ドイツ語の「r」は普通の「ラ行」ではありません。日本語の「ラ行」は「歯茎弾き音(しけいはじきおと)」と言って歯茎を舌先で一瞬弾くことで音を出しすのに対し、英語の「r」は「歯茎接近音(しけいせっきんおん)」と言って舌先を歯茎に接近(上にくっつけない)させて音を発します。ところがドイツ語の「r」は「有声口蓋垂震え音(こうがいすいふるえおと)」と言って、口蓋垂(のどちんこ)を震わせて発する音とされています。根本的に音を発する場所が日本語とも英語とも異なります。
フランス語の「r」(口蓋垂摩擦音)に近いですが、こちらは口蓋垂を摩擦させる音。「震え音」の例を上げると「巻き舌」です。舌先を歯茎で震わせながら発音する「巻き舌のr」のことを「歯茎震え音」と言うのですが、これをのどちんこでやるのが「口蓋垂震え音」だと思ってください。はっきり言って日本人には難しいです。僕もうまくできません。いびきをかく感じにも近い音で、正しく発音できれば「ラ行」よりも「ハ行」に近いはずですただし「r」の後ろに母音がこない場合はほとんど「ア」の音になり、また単語末の「er」は「アー」と発音します「口蓋垂震え音」になるところに(r)を付けておきましたので試してみてください。でも普通の「ラ行」で歌っても大丈夫ですからね!
口の中の名称がよくわからない方はこちらのページをご覧になってください。下の方に口の中の絵を書いて貼ってあります。
 
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歌詞と和訳④

 
 
※2の繰り返し
モスカオ モスカオ  ヴィル(r)フ ディー グレーザー アン ディー ヴァント  ル(r)スラント イスト アイン シェーネス ラント  ホ ホ ホ ホ ホ ヘイ
Moskau, Moskau   Wirf die Gläser an die Wand   Russland ist ein schönes Land   Ho, ho, ho, ho, ho, hey
モスクワ、モスクワ、グラスを壁に投げつけろ、ロシアは美しい国だ
 
モスカオ モスカオ  ダイネ ゼーレ イスト ゾー グロ(r)ース  ナハツ ダー イスト デア トイフェル ロース  ハ ハ ハ ハ ハ ヘイ
Moskau, Moskau   Deine Seele ist so groß   Nachts da ist der Teufel los   Ha, ha, ha, ha, ha, hey
モスクワ、モスクワ、君の心はとても大きい、夜には悪魔が放たれる(そこで大騒ぎをする)
ここまで※2の繰り返し←
 
 
 
モスカオ  ラ ララ ラ ラララ ✕2  ホ ホ ホ ホ ホ ヘイ
Moskau   Lala lala lala la, lala lala lala la Ho, ho, ho, ho, ho, hey
 
モスカオ  ラ ララ ラ ラララ ✕2  ハ ハ ハ ハ ハ
Moskau   Lala lala lala la, lala lala lala la Ha, ha, ha, ha, ha
 
オー オー オオオー オー オオオー オー オオオー  モスカオ
Oh, oh oh oh oh, oh oh oh oh, oh oh oh (Moskau)
 
 
 
モスカオ モスカオ  ヴォトカ トリ(r)ンクト マン プーア ウント カルト  ダス マハト フンダート ヤーレ(r) アルト  ホ ホ ホ ホ ホ ヘイ
Moskau, Moskau   Wodka trinkt man pur und kalt   Das macht hundert Jahre alt   Ho, ho, ho, ho, ho, hey
モスクワ、モスクワ、ウォッカはストレートで冷やして飲む、それで人は百歳まで生きる
 
モスカオ モスカオ  フェーターヒェン ダイン グラース イスト レーア  ドホ イム ケラー イスト ノホ メーア  ハ ハ ハ ハ ハ
Moskau, Moskau   Väterchen, dein Glas ist leer   Doch im Keller ist noch mehr   Ha, ha, ha, ha, ha (Moskau, Moskau)
モスクワ、モスクワ、お父ちゃん、君のグラスが空だ、でも地下にはまだもっとある
 
 
 
※1の繰り返し(割愛)
 
※3の繰り返し(割愛)
 
終わり
 
 
 
 

単語の意味とプチ解説④

Wodka (ヴォトカ)「ウォッカ」
trinkt (ト(r)ンクト)「飲む」※trinkenの三人称単数形。
man (ン)「人は」
pur (ーア)「純粋な・ストレートの」
und (ント)「そして・と」
kalt (ルト)「冷たい・寒い」
Das (ス)「それ・これは」
macht (ハト)「する・作る」※machenの3人称単数形。
hundert (ンダート)「100」
Jahre (ーレ(r))「年」※Jahrの複数形。※独語では「j」は「ヤ行」。
alt (ルト)「歳の・古い」
 
Väterchen (フェーターヒェン)「お父ちゃん」※vater(父)の複数形にchenを付けたもの。chenは小さくて可愛いものや〜ちゃんを表す。
dein (イン)「君の」
Glas (グース)「グラス(中性単数1格)」
ist (スト)「〜です・います」
leer (ーア)「空の」
Doch (ホ)「だが・しかし」
im (ム)「〜の中に・に」※前置詞in(〜の中に・に)+定冠詞demの融合形
Keller (ラー)「地下・地下室(男性単数3格)」
noch (ホ)「まだ・更に・なおも」
mehr (ーア)「より多くの・もっと」
 
歌詞に登場する特殊な発音をまとめておきました。
綴り
発音
au
アオ(aʊ)
ei
アイ(ɑɪ)
ie
イー(iː)
eu
オイ(ɔʏ)
sの後ろが母音
濁音化ザ行
母音+h
長母音化
語末のer
アー
後ろに母音のないr
後ろに母音のないb,d,g
清音化p,t,k
a,o,u,auなどの後ろのch
ハ行(x)
j
ヤ行
r
口蓋垂震え音
v
英語のf(フ)の音
w
英語のv(ヴ)の音
ä(エーウムラオト)
アの口でエ(ɛ)
ö(オーウムラオト)
オの口でエ(œ)
ü(ユーウムラウト)
ウの口でイ(ʏ)
ß(エスツェット)
ssを意味し発音はサ行
 
 
 
お疲れ様でした。こちらは割と最近作られた海外での「Moskau」の変え歌。この曲未だに世界で人気があるみたいですね。
 
それではお元気で。
 
 
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