オーシャンゼリゼをフランス語で歌ってみよう!【カタカナ歌詞と日本語和訳付き!】

Aux Champs-Élysées」はフランス在住のアメリカ人ジョー・ダッサンが1969年に発表したフレンチポップス。パリのシャンゼリゼ通りをモチーフにした曲です。実は元々ロンドンの「ウォータールー通り」を舞台とした「ウォータールーロード」という英語の原曲(1968年)があり、これをパリの「シャンゼリゼ通り」に舞台を差し替えて、ダッサンがアレンジして発表した曲だそうです。もとは英国の歌だったのですね。
この「オー・シャンゼリゼ」にカタカナ歌詞と日本語和訳をつけてみました。歌の解説と研究です。
 
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曲のタイトルをちょっと解説!

ここはお急ぎの方は飛ばしてもらっても構いません。
 
Aux Champs-Élysées(オー・シャンゼリゼ)」というタイトルを聞いて、結構多くの日本人が「ohオー!シャンゼリゼ通りよ!」といった嘆詞的な意味をイメージしているのですが…
 
 
…ちょっと違います。
 
フランス語の「auxオ」は「前置詞à(〜に・で)+定冠詞les」の縮約であるため、日本語に直すと「シャンゼリゼ通りには」といった意味合いが正しいです
 
さらに「Champs-Élysées」をもう少し詳しく訳してみると「Champs(ション)」が「野原」で「Élysées(エリゼ)」が「エリシュオン」を意味します。
 
……「エリシュオン」て何?
 
 
実はこれはギリシャ神話に由来するある地名を表します。
 
古代ギリシャでは死者の魂は「ハデス(冥界)」と呼ばれる地下世界に旅立つと考えられていました。ここは決して仏教やキリスト教で言う地獄にあたるような場所ではなかったのですが、これとは別に神々に愛されたものだけが死後に住むことを許される極楽浄土のような場所があるとされていました。
 
それが「エリシュオンの野」
 
そこは世界の西の果てにあり、雪も雨も降らず、嵐も辛いこともなく、美しい花々が咲き乱れていたそうです。何でもあの英雄アキレウスもここの住人であるとか。
 
よくよく考えてみると、パリはギリシャやローマから見てはるか西方に位置していますし、文化も華やかで「花の都」と呼ばれることもあります。「エリシュオンの野(シャンゼリゼ)」とはなかなかいいネーミングですよね。
 
 
肝心な「オーシャンゼリゼ」の歌詞の内容は概ね次の通り。
 
開放的な気持ちになった私は、シャンゼリゼ通りで出合ったばかりの人(たち)と、話して、歌って、踊って、たった一晩で大の仲良しになってしまう。そんな見ず知らずの人があっという間に打ち解けてしまう不思議な場所、望むものが何でもある魅力的な場所、それがシャンゼリゼ通りなんだ!
 
なんだか本当に「エリシュオンの野」を思わせる夢の楽園のようなお話ですね(笑)。
 
世界的にヒットするだけあってやっぱりいい歌だと思います。聞いていると行ってみたくなります。
 
 
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「オー・シャンゼリゼ」のカタカナ歌詞と日本語和訳!

「Aux Chmps-Élysées」の歌詞は全てフランス語です。フランス語は英語とは異なり概ね定められたルール通りの発音ですが、そのルールが複雑な上に日本には存在しない音が多いです。ローマ字読みは通用しないと思ってください。また後で少し説明しますが、特に「r」と「e」の発音、「鼻母音」、それから「発音しない子音」に注意が必要です。仏語の「r」は「有声口蓋垂摩擦音(こうがいすいまさつおん)」と言って口蓋垂(のどちんこ)のあたりを呼気を通しながら摩擦する特殊な音で、うがいをする感じに近い音です。日本語では「ラ行」よりも「ハ行」に近いため「ハ行(r)」で記載しましたが、普通に「ラ行」で歌っても大丈夫です。またアルファベ中の「発音しない子音」には「下線」を、次の母音と連結して読む「リエゾン」箇所は「太字」にしてあります。
 
単語の意味やちょっとした解説は歌詞の間に載せておきますが、いらない方は無視していただいて結構です。ただ正しい発音で歌いたい方やきちんと理解したい方はぜひ目を通しておいてください。僕は歌詞を全て覚えてみました。暗記した方がうまく歌えますよ。
 
※力不足のため詳しい文法の解説できません。解説はししおどし先生の動画を参考にさせていただきました。それから一部自信がありません。間違えていたらごめんなさい。
 
 
 
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作詞:ピエール・ドラノエさん
作曲:マイク・ウィルシュさん
 

1番歌詞

 
ジュ ム バラデ スュフ(r) ラヴェニュ ル クフ(r) ウヴェ ア ランコニュ
Je m’baladais sur l’avenue le coeur ouvert à l’inconnu.
私は大通りを散歩していた、見知らぬ人に心を開いて
 
ジャヴェ ゾンヴィ ドゥ ディフ(r) ボンジューフ(r) ア ナンポフ(r)トゥ キ
J’avais envie de dire bonjour à n’importe qui
誰にでも「こんにちは」と言いたかったんだ
 
ナンポフ(r)トゥ キ エ ス フュ トワ ジュ テ ディ ナンポフ(r)トゥ コワ
N’importe qui et ce fut toi je t’ai dit n’importe quoi,
その誰でもいい人、それが君だった 君には 何でも話した 
 
イル スュフィゼ ドゥ トュ パフ(r)レ プフ(r) タプヒ(r)ヴォワゼ
Il suffisait de te parler pour t’apprivoiser.
君と仲良くなるには、話すだけで十分だった
 
 
 
オー ションゼリゼ オー ションゼリゼ
Aux Champs-Élysées, aux Champs-Élysées
シャンゼリゼ通りには、シャンゼリゼ通りには
 
オ ソレイユ ス ラ プリュイ ア ミディ ウ ア ミニュイ
Au soleil, sous la pluie, à midi ou à minuit,
晴れでも、雨でも、昼でも、真夜中でも
 
イリヤ トゥ ス ク ヴ ヴレ オ ションゼリゼ
Il y a tout ce que vous voulez aux Champs-Élysées
あなたの望むものが全てある、シャンゼリゼ通りには
 
 

単語の意味とプチ解説①

Je (ジュ)「私は」※仏語の「e」は「エ」と読むこともあるが、原則的には「アに近いウ」のような曖昧母音(ə)で、特に単語末では発音しない感覚に近い。
me (ム)「私を・私に」を意味する一人称の目的語だが、ここでは一人称の再帰代名詞。再帰代名詞 + 動詞で代名動詞として働く。
m’baladais (ムバラデ)で「(私が)散歩していた」※balader散歩させるの半過去(過去のある時点に身を置いて過去の状況や習慣・感想を表す表現)の前に再帰代名詞meを置いて代名動詞としている。「自分自身を〜する」といった意味合い。※フランス語では「ai」の綴で「エ」と発音し、単語末の子音はほとんど発音しない。
sur (スュフ(r))「〜の上に・の方へ・に」
l’avenue (ラヴェニュ)「大通り」※女性定冠詞la+avenueの短縮(エリジオン)
le (ル)「男性定冠詞」※英語のthe
coeur (クェーフ(r)・kœːr)「心臓・心」※œはやや口の開きの大きい「オの口でエ」と発音する感じの母音。
ouvert (ウヴェ)「開いている」※ouvrir開くの過去分詞 ※仏語では「ou」の綴で「ウ」と発音する。
à (ア)「〜に・で」
l’inconnu. (ランɛ̃コニュ)「未知の人・知らない人」※仏語ではinの綴で「アンɛ̃」。
avais (アヴェ)「(私は)持っていた・あった」※avoir持つの直説法半過去
envie (オンɑ̃ヴィ)「欲望」
de (ドゥ)「〜から・の・のための」
avoir envie deで「〜したい・欲しい」の意味。
dire (ディフ(r))「言う」
bonjour (ボンɔ̃ジューフ(r))「こんにちは」
N’importe qui(ナンɛ̃ポフ(r)トゥキ)で「誰でも」
 
et (エ)「そして・と」
ce (ス)「これ・それ」
fut (フュ)「だった」※être(である・いる)の3人称単数の直説法単純過去
toi (トワ)「君」※2人称の強勢形で特に強調して文の外に取り出す場合などに使われる表現。※仏語では「oi」で「オワ」と発音。
t’ai dit (テディ)「(私が)君に言った・話した」※te(君に)+aiでaiはavoirの1人称。dit (ディ)はdire言うの過去分詞。avoir+過去分詞で過去に完了した行為や出来事(複合過去)を表す。※仏語は「ai」の綴で「エ」と発音。
quoi, (コワ)「何」
n’importe quoi(ナンɛ̃ポフ(r)トゥコワ)で「何でも」
Il (イル)「彼は・それ・非人称の主語」
suffisait (スュフィゼ)「十分だった」※suffire十分であるの半過去3人称単数。
Il suffisait deで「〜すれば十分だった・するだけでよかった」の意味。
te (トゥ)「君に・君を」※英語と異なり人称代名詞の目的語は動詞の前に置く。
parler (パフ(r)レ)「話す」※単語末の「er」は「エ」と発音。
pour (プフ(r))「〜のために」
t’apprivoiser. (タプヒ(r)ヴォワゼ)「飼いならす・仲良くなる」※前にte君をがついて短縮(エリジオン)している。
 
Aux (オ)「〜に・で」※à(〜に・で)+定冠詞lesの縮約形。つまり 場所を表す意味合いであってシャンゼリゼ通りに「オー」と感嘆しているわけではないので注意。※仏語では「au」の綴で「オ」と発音する。
Champs-Élysées (ションゼリゼ)「シャンゼリゼ通り」※amは「ɑ̃」の音で日本語では口の開きの大きい「オンに近いアン」のような音ですが、「オン」と表記します。
Au (オ)「〜に・で」※à(〜に・で)+定冠詞leの縮約形
soleil (ソレイユ)「太陽」
sous (ス)「〜の下に」
la (ラ)「女性単数の定冠詞」
pluie (プリュイ)「雨」
midi (ミディ)「正午」
ou (ウ)「あるいは」※英語のor
minuit (ミニュイ)「真夜中」
Il y a (イリヤ)「〜がある」英語のthere are
tout (トゥ)「全て」
ce que (スク)「〜するもの」※関係代名詞
vous (ヴ)「あなた(方)は」※tuは親しい君であるのに対しvousは丁寧なあなた。
voulez (ヴレ)「望む・欲する」※vouloirの2人称を複数形。
 
フランス語の文法について少しだけ説明します。
英語の動詞の現在形は3人称単数の時にsがつくという変化(I have→He has)しか起こりませんが、フランス語の動詞の現在形は主語によって6つの形に変化します。例えば「avoir(持つ)」は次のように変化することになっています。
主語人称代名詞
avoir
je(ジュ)
ai(エ)
tu(テュ)
as(ア)
il(イル)
a(ア)
私達
nous(ヌ)
avons(アヴォン)
あなた(方)
vous()
avez(アヴェ)
彼ら
ils(イル)
ont(オン)
この「avoir」は英語のhaveに相当する重要な動詞で「持つ・ある・いる」という意味で使われることもありますが、助動詞としても働くことができ、「avoir+過去分詞」で過去に完了した行為や出来事を表す複合過去を作ります。
歌詞の中でもこの動詞は頻繁に登場しますが、複合過去として登場する方が多いです。これを知っていると歌詞が理解しやすいので、余裕のある方はこの動詞の活用を覚えてみてください。
 
 
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2番歌詞

 
テュ マ ディ ジェ ホ(r)ンデヴ ドン ン スソル アヴェック デ フ
Tu m’as dit “J’ai rendez-vous dans un sous-sol avec des fous,
君は私に言った「私には地下鉄で楽しい奴らと約束がある
 
キ ヴィヴ ラ ギター ア ラ マン デュ ソワーフ(r) オ マタン
Qui vivent la guitare  la main, du soir au matin”.
彼らはギターを手に夜から朝まで過ごしている」
 
アローフ(r) ジュテ アコンパニェ オン  ションテ オン  ドンセ
Alors je t’ai accompagnée, on a chanté, on a dansé
だから私は君に同行して、歌って踊った
 
エ ロン ナ メム パ ポンセ ア ソンブハ(r)セ
Et l’on n’a même pas pensé à s’embrasser
キスすることを考えることすらしなかった
 
 
 
オー ションリゼ オー ションリゼ
Aux Champs-Élysées, aux Champs-Élysées
シャンゼリゼ通りには、シャンゼリゼ通りには
 
オ ソレイユ ス ラ プリュイ ア ミディ ウ ア ミニュイ
Au soleil, sous la pluie, à midi ou à minuit,
晴れでも、雨でも 昼でも、真夜中でも
 
イリヤ トゥ ス ク ヴ ヴレ オ ションゼリゼ
Il y a tout ce que vous voulez aux Champs-Élysées
あなたの望むものが全てある、シャンゼリゼ通りには
 
 

単語の意味とプチ解説②

Tu (テュ)「君は」※仏語の「u」は「ウ」ではなく「ユy」の音。
Tu m’as dit (テュ マ ディ)「君は私に言った」※meとas(avoirの君が主語の形)の短縮(エリジオン)。※avoir+過去分詞(dit言う)で複合過去。
J’ai (ジェ)「私は持っている・ある」※je(私は)+ai(avoir持つ・あるの1人称の形)
rendez-vous (ホンɑ̃デヴ)「(会う)約束」
dans (ドンɑ̃)「〜の中に・に」
un (アンœ̃)「不定冠詞男性単数」※英語のa
sous-sol (スソル)「地下鉄」
avec (アヴェック)「〜と一緒に・と」
des (デ)「不定冠詞複数」
fous (フ)「狂った・狂人」※fouの複数形、楽しい奴らと訳しています。
Qui (キ)「関係代名詞」※先行詞(fous・狂人)とそれを説明する後ろの節を結ぶ言葉
vivent (ヴィヴ)「生きる・暮らす・過ごす」※vivireの3人称複数形。
la (ラ)「定冠詞女性単数」
guitare (ギターフ(r))「ギター」
à (ア)「〜に・で」
main (マンɛ̃)「手」※仏語では「ain」の綴で「アンɛ̃」。
du (デュ)「〜から・の」※de(〜から・の)+leの縮約
soir (ソワーフ(r))「夜」※仏語では「oi」の綴で「オワ」と発音。
Au (オ)「〜に・で」※à(〜に・で)+定冠詞leの縮約形
matin (マタンɛ̃)「朝」※仏語では「in」の綴で「アンɛ̃」。
 
Alors (アローフ)「だから・その時」
t’ai accompagnée (テ アコンɔ̃パニェ)「君と同行した・送った」※tu+ai(avoir)※accompagner同行するの過去分詞、avoir+過去分詞で複合過去。※「om」は「オンɔ̃」
on (オンɔ̃)「人は・誰か」※三人称単数扱いの主語代名詞で主語を特定しない時に使う
a (ア)「持つ」※avoir持つの3人称単数形。前置詞「á」(に・で)と発音が同じだが意味が違うので注意。そして後ろの過去分詞chantéと複合過去を作る。
chanté  (ションɑ̃テ)「歌った」※chanterの過去分詞。※「an」は「オンɑ̃」
dansé (ドンɑ̃セ)「踊った」※danserの過去分詞。※「er」で終をる動詞の過去分詞は「er→é」にするだけ。
Et (エ)「そして・と」
l’on (ロン)「人は」※l’は特に意味がないそうです。
n’a (ナ)はne+a(avoir3人称単数)※「ne+動詞+pas」で否定の「〜しない」の否定表現。
même (メム)「同じ・〜でさえ」
pensé (ポンɑ̃セ)「考えた」※penser考えるの過去分詞でavoir(a)+penséで複合過去を作る。※penser àで〜を考える。
s’embrasser (ソンɑ̃ブラ(r)ハセ)「キスする・抱擁する」※embrasserの前に再帰代名詞seを置いて代名動詞としている。
 
発音のルールをちょっと解説!
フランス語の発音のルールは複雑で、日本にはない音が多いです。ここではその発音のルールをちょっとだけ説明します。
①「e」の発音のルール
仏語の「e」の発音のルールはかなり複雑です。まず原則的には脱力した 曖昧母音の「ə」の音(日本語ではアに近いウ)で、特に単語末では発音しない感覚に近いです。しかし「e」の後ろに子音が2つある場合や単語の最後の子音前にある「e」、それから「è(アクサングラーブ)」は「ɜ」(口が開きの大きいアに近いエ)で発音し、「é(アクサンテギュ)」は「e」(口の開きの小さいイに近いエ)で発音することになっています。ざっくりと「ウ」と「エ」の読み方がある、でもいいです。
②鼻母音
仏語には鼻腔に呼気を通しながら発音する「鼻母音」と呼ばれる母音が4つあります。カタカナで表記するのが難しい音でカタカナ化する人によって結構異なると思いますが、ざっくりと言うと次のような感じになります。
綴り
発音記号
説明
an,enなど
ɑ̃
口を大きく開いて舌を奥に引いた状態で発する「オに近いア(ɑ)」を鼻母音化した音。「オン」で表記しています。
in,ain,einなど
ɛ̃
口をやや広げ舌を前に出した状態で発する「アに近いエ(ɛ)」を鼻母音化した音。「アン」で表記しています。
unなど
œ̃
唇を丸め「オの口のまま舌を前に出しエ」と発音する音(œ)を鼻母音化した音。「エン」に近いですがここでは「アン」と表記しています。
on,omなど
ɔ̃
口の開きを小さくして舌が奥に引き唇を丸めて発音する「oオ」を鼻母音化した音。「ウン」に近いですが「オン」で表記しています。
ちょっと分かりづらいかもしれません。これは口の開きと舌の位置、そして唇の形を図式したIPAチャートを見るとわかりやすいです。このページの下に貼っておきますので母音を正しく発音したい方はご覧になってみてください。
それからフランス語のアルファベと発音のルールはこちらのページにまとめてあります。発音をきちんと整理したい方はご覧になってみてください。
 
 
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3番歌詞

 
イエフ(r) ソワーフ(r) ドゥ ンコニュ エ ス マタン スュフ(r) ラヴェニュ
Hier soir, deux inconnus et ce matin sur l’avenue
昨晩は知らない2人が、今朝には大通りで
 
ドゥ ムフ(r) トゥ トゥフ(r)ディ パフ(r) ラ ロンガ ニュイ
Deux amoureux tout étourdis par la longue nuit
恋人になって、一晩中酔っ払ってる
 
エ ドゥ レトワ ラ ラ コンコフ(r)ドゥ ア フ(r)ケストゥフ(r) ア ミル コフ(r)ドゥ
Et de l’Étolie à la Concorde, un orchestre á mille cordes
そしてエトワール広場からコンコルド広場まで、 豊かな音色を奏でるオーケストラのように
 
トゥ レ ワゾ デュ ポアン デュ ジュフ ショントゥ ラムーフ(r)
Tous les oiseaux du point du jour chantent I’amour
1日の始まりに鳥たちが愛を歌う
 
 
※1 
オー ションリゼ オー ションリゼ
Aux Champs-Élysées, aux Champs-Élysées
シャンゼリゼ通りには、シャンゼリゼ通りには
 
オ ソレイユ ス ラ プリュイ ア ミディ ウ ア ミニュイ
Au soleil, sous la pluie, à midi ou  minuit,
晴れでも、雨でも 昼でも、真夜中でも
 
イリヤ トゥ ス ク ヴ ヴレ オ ションゼリゼ
Il y a tout ce que vous voulez aux Champs-Élysées
あなたの望むものが全てある、シャンゼリゼ通りには
 
最後※1を3回繰り返します。
 
 

単語の意味とプチ解説③

Hier (イエーフ(r))「昨日」※仏語では「h」はどんな場合でも発音しない。
soir (ソワーフ(r))「夜」
deux (ドゥdø)「2」※「eu」の綴は「ø」または「œ」の音。どちらも唇を丸めた「オの口でエ」と発音する感じだが「œ」の方が口の開きが少し大きい(詳しくは下のIPAの図表参照)。
inconnus (アンɛ̃コニュ)「知らない」※「in」は「アンɛ̃」
ce (ス)「この・その」
matin (マタンɛ̃)「朝」
sur l’avenue (スゥフ(r) ラヴェニュ)「大通りで」
amoureux (アムフø)「恋人」
tout (トゥ)「全て」
étourdis (エトゥフディ)「軽率な・そそっかしい人」
tout étourdis (トゥ テトゥフ(r)ディ)で「酔っ払った」といった意味になるそうです。
Par (パフ(r))「〜を通って・で・に」
longue (ローング)「長い」
nuit (ニュイ)「夜」
 
Et (エ)「そして」
de (ドゥ)「〜から・の」
l’Étoile (レトワル)「エトワール広場・星」※凱旋門広場のこと。12本の放射状の通りが星に見えたことに由来するらしい。現在の正式名称はシャルル・ド・ゴール広場。
à (ア)「〜に・で・まで」
Concorde (コンɔ̃コフド)「コンコルド広場」
orchestre (オフ(r)ケストゥフ(r))「オーケストラ」
mille (ミル)「千」
cordes (コフドゥ)「音・文字列・弦」
Tous (トゥ)「全て」
les (レ)「定冠詞複数形」
oiseaux (オワゾ)「鳥」※「eau」の綴は「オ」と読む。
du (デュ)「〜から・の」※de(〜から・の)+leの縮約
point (ポアンɛ̃)「点・出発点」
du point du jourで「1日の始まり」の意味。
jour (ジューフ(r))「日」
Chantent (ションɑ̃トゥ)「歌う」※chanterの三人称複数形。
l’amour (ラムーフ(r))「愛」※le+amour
 
フランス語の発音はローマ字読みではありませんが、概ね定められたルール通りの発言です。歌詞に登場した発音を少し整理しておきます。
綴り
発音
ou
ウu
ai
エɛ
au,eau
オo,ɔ
oi
オワwa
u
ユ,y
h
発音しない
eil
エイユɛj
eu
オの口でエøまたはœ
 
 
 
 
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フランス語の母音についてちょっと解説!

フランス語の基本母音は全部で12個ありますが、日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」とは大きく異なります。こちらはIPAチャートの母音一覧からフランス語の母音を抽出したものです。

国際音声記号(IPA)では、母音の発音を舌の位置と口の開きの大きさ、そして唇の形の三つの要素に分解して図式化しています。簡単に説明させてください。
  
表の左側ほど舌の位置(正確には舌の最も盛り上がった位置)が前で、表の右側ほど舌の位置が奥、であることを表します。また表の上側ほど口の縦の開きが狭く(口を閉じ舌を上部に置く)、表の下側ほど口の縦の開きが大きい(顎を下げ舌を下部に押し付ける)ことを表します。1つの点につき2つの記号がありますが、右側が唇を丸めて発音する「円唇母音(えんしんぼいん)」を表し、左側が唇を丸めずに発音する「非円唇母音(ひえんしんぼいん)」を表します。音声学では唇の形が丸いか丸くないかの2択で区別しています。
  
例えば 「e,ø」はどちらも口の開きが3番目(IPA では口の開きを7段階で評価している)に小さく舌を前に出した状態で発音することを表しますが、「ø」は唇を丸めて発音するのに対し「e」は唇を丸めずに発音することを表します。
  
なお日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」の発音記号は「a,i,ɯ,e,o」とされていますが、実際の日本語の「ア」はもっと後舌ぎみで、「エ,オ」はやや口の開きの大きい「ɛ,ɔ」より、「ウ」は唇を丸めずに発音する「ウ,ɯ」(非円唇)で、仏語の「u」のようには唇をすぼめずに発音する音とされています。
日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」を図に入れてみると、だいたいこんな感じになるみたいです。
 
 
フランス語の母音はカタカナで表記することが難しいです。正確に発音したい方はこの表の発音記号の表す口の形をイメージして発音してみてください。
 
 
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