アメイジンググレイスを歌ってみよう!【カタカナ歌詞と意味・日本語和訳付き!】

アメイジング・グレイス(Amazing Grace)」は1772年に作詞された非常に古く有名なキリスト教の賛美歌です。意味は「amazing」が「驚嘆するほどの・驚くべき」で「grace(グレイス)」が「恩恵・恩寵・神の恵み」であるため、「驚くべき恩恵」といった意味合い。作者ジョン・ニュートンがかつての過ちを悔い、本当の信仰に目覚めた時の心の救済を「Amazing Grace(驚くべき恩恵)」と表現し、信仰の素晴らしさと神への感謝を説いた名曲です。
この「アメージンググレイス」にカタカナ歌詞と日本語和訳を付けてみました。歌の解説と研究です。
 
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まずは成立と簡単な解説!

※こちらはAI作のジョン・ニュートン
 
歌詞を紹介する前にこの「Amazing Grace」の成立について簡単に説明しますが、お急ぎの方はここは飛ばしてもらって構いません。
 
作詩者はイギリス人のジョン・ニュートン(1725-1807)(作曲者は不明)。敬虔なクリスチャンの家庭で育てられたニュートンは10代で船乗りになり軍艦にも乗りますが、やがて黒人奴隷を輸送する「奴隷貿易」に手を染めます。
 
奴隷貿易」というのは欧州の白人がアフリカの黒人に対して武器を供与して部族間の紛争を煽り、敗北して勝者(黒人)の奴隷となった人たち(黒人)が、労働力として主にアメリカ大陸(白人の支配地)に売られていった貿易のことです。確かに直接奴隷化したのは同じ黒人であって白人は運んだだけという建前をとっていますが、争いを煽って富を吸い上げているのは白人です。この後奴隷を運んだ船はアメリカの農業生産物などを再び欧州に運んだため、この貿易(武器(欧州)→奴隷(アフリカ)→農産物(アメリカ))の流れを「三角貿易」とも呼びました。
 
 
当時の黒人奴隷の扱いは家畜以下であり、最悪な衛生環境の船内の中で多くのものが命を落とし海へと捨てられたましたが、ニュートンもその「奴隷の運搬」で富を得ていました。
 
ところが1748年(22歳)5月10日に転機が訪れます。イングランドへ蜜蝋を輸送中に嵐に合い、浸水した船は転覆寸前に。しかし死に瀕した彼が必死に神に祈ると、なんと偶然積荷が船倉の穴を塞いで沈没を免れるという奇跡が起こります。
 
これを機にクリスチャンとしての強い信仰に目覚めた彼は、聖書を読み込み不謹慎な行いを正します。更に奴隷への同情とこの仕事に携わることへの疑問の念を抱くようになり、1755年には船を降りることを決意。その後さらなる勉強と多額の献金を重ねて牧師となり、1772年にかつて奴隷貿易に関わってしまったことを後悔してこの「Amazing Grace」を書き上げました
 
歌詞を読む限り「奴隷貿易」そのものについては言及されていませんが、「それに携わってしまったことに対する後悔、そんな自分を救ってくれたことに対する神への感謝と賛美、信仰の素晴らしさと心の救済」といったものが歌われています。
 
こちらで聖書の内容を解説しています。聖書がどんな本なのか気になる方はご覧になってみてください。

 
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「Amazing Grace」のカタカナ歌詞!

この「Amazing Grace」は1772年に作詞されたオリジナルの歌詞と、現在一般的に歌われる英語の歌詞は少し異なります。オリジナルの歌詞は全部で6番から構成されていますが、現在の一般的な歌詞は、オリジナルの1番から3番をそのまま踏襲し、4番から6番を削除してアメリカの奴隷制廃止に尽力したストウ夫人(1811-1896)の詞(1852年)を4番に挿入しています。今回はあくまで歌うためですので、後者の4番構成の「Amazing Grace」の歌詞を表記しています。
オリジナルの歌詞全6番はWikipediaに記載されています。
 
できるだけ本来の単語の音に近い音でカタカナ歌詞を表記しています。単語の途中で音程が変わることもありますが、難しい曲ではありません。
英語の歌詞の上には発音記号(米国発音)も表記してありますので、余裕のある方は挑戦してみてください。発音記号の発音の仕方も載せておきますが、いらない方は無視してくださって結構です。ページの一番下には英語の母音の発音の仕方をIPAの図と共に解説しています。正確な発音で覚えてみたい方は参考にしてみてください。
 
 
アミラ・ウィルハーフンさんは、1,2,3番の順番で歌っています。2004年生まれの大変歌唱力の高いオランダのソプラノ歌手です。
 
 
ヘイリー・ウェステンラさんは、1,2,4番の順番で歌っています。出身はニュージーランドでケルティック・ウーマンにも参加したことのある方です。
 
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1番

 
アメイズィン グレイス ハウ スィート ザ サウンド   ザット セイヴド ア レチ ライク ミー
əméɪzɪŋ gréɪs hɑu swít ðə sɑund.   ðæt séɪvd ə rétʃ lɑɪk mí.
1  Amazing grace! how sweet the sound.   That saved a wretch like me!
驚くべき恵み、なんと甘美な響きなんだろう。私のように哀れな者を救って下さった。
 
 
アイ ワンス ワズ ロースト バット ナウ アイム ファウンド   ワズ ブラインド バット ナウ アイ スィー
ɑɪ wʌns wɑz lɔːst bʌt nɑu ɑɪ æm fɑund.   wɑz blɑɪd bʌt nɑu ɑɪ síː
I once was lost but now I am found.   Was blind, but now I see.
かつては迷ったが、今は見つけられる。かつては盲目であったが、今は見える。
 
 
1番 単語の意味と発音
Amazing 「(əméɪzɪŋ)アイズィング」驚くべき・驚嘆すべき
grace 「(gréɪs)グイス」恩恵・神の恵み・恩寵
saved 「(séɪv)イヴ」救う(save)の過去形
wretch 「(rétʃ)チ」哀れな人・みじめな人
lost 「(lɔːst)ースト」失った・迷った
blind 「(blɑɪd)ブインド」盲目の・目見えない
 
発音記号のプチ解説!
※発音記号の「u,o,ɔ,ʌ,ɑ」はすべて舌を口の奥に引いて発音する音ですが、「u」が口の縦の開きの一番小さい「」で、「o」が「u」よりも少し口の開きの大きい「」、「ɔ」と「ʌ」が「o」よりも更に少し口の開きの「」と「」、そして「ɑ」が口の開きの一番大きい「」(オに近い)という位置づけす。なお「u,o,ɔ」は唇を丸くして発音しますが、「ʌ,ɑ」は丸めずに発音することになっています。詳しくは下のIPAの図をご覧になってみてください。
※発音記号の「」は「シ」ではなく「スィ」。「s」は日本語の「サ行」の音ですが、「シ」だけは「shi(ʃ)」で表記することになっていますので注意してください。「see」は「シー」ではなく「スィー」。「zi」も「ジ」ではなく「ズィ」。「Amazing」も正しくは「アメイジング」ではなく「アメイズィング」。
※単語のアクセント箇所を太字にしてあります。英語のアクセントは強く長くです。
 
 
 
 

2番

 
タワズ グレイス ザット トート マイ ハー トゥ フィア   アンド グレイス マイ フィアズ リリーヴド
twɑz gréɪs ðət tɔːt mɑɪ hɑɚt tu fíɚ.   ænd gréɪs mɑɪ fíɚz rɪlívd
2  ‘Twas grace that taught my heart to fear.   And grace my fears relieved;
神の恵みが私の心に恐れることを教えた。そしてその恵みが私の恐れを和らげた。
 
 
ハウ プレシャス ディド ザット グレイス アピア   ズィ アウア アイ ファースト ビリーヴド
hɑu préʃəs dɪd ðæt gréɪs əpɪɚ,    ðɪ ɑɑɪ fɚːst bɪlíːvd
How precious did that grace appear,   The hour I first believed.
どれほど貴重な恵みが現れただろうか、私が最初に信じた時に。
 
 
2番 単語の意味と発音
‘Twas「(twɑz)タズ」「It was」の短縮
heart 「(hɑɚt)ート」心・心臓
fear 「(fíɚ)フィア」恐れ・不安
relieved 「(rɪlívd)リーヴド」和らげた・安心した・解放した
precious 「(préʃəs)プシャス」高価な・貴重な
appear 「(əpɪɚ)アア」現れる・らしい
believed 「(bɪlíːvd)ビーヴド」信じるの過去形
 
※発音記号の「ɚ」は「ər(アル)」を表し最後に「r」の音が入ります。「ə」は半開きの口で舌をニュートラルな位置において発音する曖昧母音の「ア」。
※「r」と「l」の発音の違いについて。正式には「r」は「歯茎接近音」と言い舌先をどこにも触れさせずに歯茎に近づけて発音する音ですが、「l」は「歯茎側面接近音」と言い舌先を上前歯の裏に当てその舌の両側から息を流して発音する音で、特に単語末では「ウ」に近く聞こえます。どちらも舌先で歯茎を一瞬弾く日本語の「ラ行(歯茎弾き音)」とは異なります。
 
 
 
 

3番

 
スルー メニ デインジャズ トイルズ アンド スネアズ   アイ ハヴ オールレディ カム
θrúː ménɪ déɪndʒɚz tɔɪlz ænd snéɚz.   ɑɪ hæv ɔːlrédɪ kʌm
3  Through many dangers, toils and snares.   I have already come;’
多くの危険、苦しみと誘惑を乗り越え、私はすでにたどり着いた。
 
 
タワズ グレイス ハズ ブロート ミ セイフ ザス ファア   アンド グレイス ウィル リード ミ ホウム
twɑz gréɪs hæz brɔːt mɪ séɪf ðʌs fɑɚ,   ænd gréɪs wɪl líːd mɪ hóum
‘Twas grace has brought me safe thus far,   And grace will lead me home.
この恵みがこれほど遠くに私を無事に導いた。そしてその恵みが私を家に導くだろう。
 
 
3番 単語の意味と発音
dangers 「(déɪndʒɚz)インジャズ」危険
toils 「(tɔɪlz)イルズ」苦労
snares 「(snéɚz)スアズ」誘惑
brought 「(brɔːt)ブート」持ってくる・導く
safe 「(séɪf)イフ」安全な・無事な
thus 「(ðʌs)ス」このように・これほど
far 「(fɑɚ)ファア」遠くに
lead 「(líːd)ード」至る・送る・導く
3番は歌詞中の「I」が「We」に、「me」が「us」に変更されることがあります。
 
※「th」の綴りは「θ」か「ð」の音で発音されます。「θ」は舌を軽く噛んで息を遮断させながら発音する「」の音(無声歯摩擦音)で、「ð」はそれを有声音化させた「」の音(有声歯摩擦音)です。歯茎と舌の間に息を通して摩擦を起こす「s」「z」(歯茎摩擦音)との違いに注意してください。
※発音記号の「æ」は舌の盛り上がった部分を前に出し「アの口でエ」と発音する感じです。
 
 
 
 

4番

 
ウェン ヌウィーヴ ビン ゼア テン サウザンド イアズ   ブライト シャイニング アズ ザ サン
wén wíːv bɪn ðéɚ tén θɑuznd jɪɚz,   brɑɪt ʃɑɪnɪŋ æz ðə sʌn
4  When we‘ve been there ten thousand years,   Bright shining as the sun,
そこに着いて一万年経った時、太陽のように輝きながら
 
 
ウィーヴ ノ レス デイズ トゥ スィング ガズ プレイズ   ザン ナウェン ウィーヴ ファースト ビガン
wíːv no lés déɪz tu sɪŋ gɑdz préɪz.   ðæn wén wíːv fɚːst bɪgʌn
We‘ve no less days to sing God’s praise.   Than when we‘ve first begun.
神への讃美を歌う。初めて歌った時に劣らずに。
 
 
 
4番 単語の意味と発音
we‘ve「(wíːv)ウィーヴ」「we have」の略
Bright 「(brɑɪt)ブイト」明るく・輝いて
shining「(ʃɑɪnɪŋ)シャイニング」輝いている
praise 「(préɪz)プイズ」称賛・賛美
no less A than B で「Aに劣らずBである・Bと同様にAである」の意味
 
※発音記号の「w」は口を一旦「u」のようにすぼめてそこから戻しながら発音する「ウ」のような音の子音ですが、正式には「両唇軟口蓋(なんこうがい)接近音」と言って、上下の唇・軟口蓋と後舌の2箇所を接近させて発音する音を表します。
※発音記号の「j」は「硬口蓋(こうこうがい)接近音」と言って、舌を口腔内上部(硬口蓋)に近づけて発音する「イ」の音の子音。日本では「ヤ行」の子音として使われている音です。
※発音記号の「」は「シ」ではなく「スィ」。「Sing」は「シング」ではなく「スィング」。
 
 

こちらは割と近い時代に作られた有名な曲
1825年成立
1792年成立
1745年頃成立
 
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この歌がアメリカで愛されている理由!

上記の経緯があり、この「アメイジング・グレイス」はキリスト教会の「讃美歌第167番」に指定されています。「讃美歌」というのは主にプロテスタントの教会において礼拝の時に歌われる歌のこと。これに対して東方正教会やカトリックも含めた広い概念の宗教音楽に「聖歌」というものがあります。
 
実は数ある「讃美歌」の中でも、この曲は特にアメリカの黒人に非常に根強い人気があり、「第二の国歌」とまで言われているそうです。ちなみに「第一の国歌」は有名な「ザ・スター・スパングルド・バナー(1814年成立)」。
 
どうしてなのでしょうか。
 
 
実はアメリカの黒人というのは、上で説明した「三角貿易」の経緯があり、ほとんどが奴隷の末裔ということになっています。
 
1863年の奴隷解放後は身分上の奴隷はなくなりましたがその後も差別は続き、1960年代までは白人と同じ学校に通うことも同じバスに乗ることすらもできませんでした。全員ではありませんが今でも一定数の白人は、どこかで黒人のことを「お前、奴隷の末裔だろう」と見てしまっています。だからあの国では差別がなくならないのです
 
そんな黒人たちにとって、ジョン・ニュートンの奴隷貿易への後悔は「白人の懺悔」にも聞こえるのかもしれません。
 
だからこの曲はアメリカの黒人に根強い人気があるのですね。
 
イギリスは人道上などの理由から1807年に奴隷貿易を廃止し、それからさらに200年以上の時が経ちました。ですがアメリカ社会には今でもその影響が深刻に残っています。
 
アメリカがこの「Amazing Grace」を必要としなくなる日は来るのでしょうか。
 
 
 
 

個人的な感想!

僕はキリスト教徒ではありませんが、この「アメイジング・グレイス」が好きです
 
ジョン・ニュートンの苦しくなった時の神頼みには、多くの宗教に通ずる普遍的な救済を感じます。
 
僕は聖書の他にコーラン・仏典なども読みますが、読んだ直後はどうしても「これは人が作った世界に他ならない」という感想を持ってしまいます。しかし同時に、頭も衰えた人生の最後にはきっと自分もこういったもの(宗教)にすがっているのだろうとも思っています。多くの人がそうであるように。
 
ニュートンのエピソードと詩は「そんな都合の良い僕ですら救済してくれるに違いない。苦しくなったらすがればいい。」と都合の良い解釈をさせてくれます。
 
それは僕の場合は聖書ではなく般若心経か阿弥陀経なのかもしれない。苦しくなってからすがっても遅くはない。きっとなんとかしてくれる。「ギャーティーギャーティー」でもきっと「驚くべき恩恵」を感じられるに違いない。僕はこの歌にそんな気持ちにさせられました
 
 
同時にこの歌は日本にはあまり必要がないとも感じます
 
国民の大半がキリスト教徒でない上に、この国には奴隷の歴史がないこれは最初にこの国を統一した天皇家が、奴隷制度をよしとしなかったことが大きいようです。古事記には主に結婚と話し合いによって統一を進めていく様子が描かれていますが、その過程で負けていった側にも婚姻関係を結ぶなどして政治に参加させていく様子が描かれています。つまり最初の統一において奴隷を一切作らなかったようです。
 
世界史では古代においてこのような形で統一され、それが今もなお現存して続いているという例は他に聞いたことがありません。江戸時代に徳川幕府が穢多非人(人口の1%程)というかわいそうな身分を作って固定したことはありましたが、これも厳密には奴隷ではありません。
 
奴隷もいないから奴隷の末裔もいないし、それにまつわる差別もない。それがこの国の歴史です。
 
僕は「アメイジング・グレイス」がアメリカで長年にわたって愛されている理由を知って、はるか古代から奴隷を作らず君臨し続けた皇室のある日本に生まれたことを嬉しく思いました
 
この国にはかつて先祖が奴隷であったことを慰める「アメイジング・グレイス」はいらないのだと思います
 
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英語の母音の発音記号をちょっと解説!

英語は母音の発音が難しい言語です。ここでは国際音声記号(IPA)の図を使って英語の母音の発音を視覚化しておきますので、実際に発音する際に参考にしてみてください。
 
こちらはIPAチャートから英語で使用する母音の発音記号を中心に抽出したものです。少し図の説明をさせてください。
 
IPAでは母音の発音を①舌の位置と②口の開きの大きさ、③唇の形の3つの要素に分解して図式化しています。まず左右の軸は①舌の位置を表します。図の左に行くほど舌の位置(正確には舌の最も盛り上がった位置)が前であることを表し右に行くほど舌の位置が奥であることを表します。また図の上下は②口の縦の開きの大きさ(IPAでは口の縦の開きを7段階で評価)を表し、上に行くほど口の縦の開きが狭く(舌を上部に置き口を閉じる)下に行くほど口の開きが大きい(顎を下げ舌を下部に押し付ける)ことを表します。そして本来1点につき2つの記号があるのですが、これが③唇の形を表します。右側が唇を丸めて発音する「円唇母音(えんしんぼいん)」を表し、左側が唇を丸めずに発音する「非円唇母音」を表します。音声学では唇の形が丸いか丸くないかの2択で区別することになっています。
 
例えば図の右側の発音記号「u,o,ɔ,ʌ,ɑ」は全て舌を奥に引いた状態で発音することを表しますが、「u」が口の縦の開きが一番小さく「ɑ」が口の開きが一番大きくなります。また「u,o,ɔ」は唇を丸める「円唇母音」であるのに対し、「ʌ,ɑ」は唇を丸めない「非円唇母音」であることも表しています。
 
逆に図の左側舌を前に出して発音することを表しますが、「i」と「ɪ」は口の開きと舌の位置が若干異なりますので注意してください。「ɪ」の方が若干口の開きが大きい「エに近いイ」になります。「æ」は「アの口のまま舌を前に出してエ」と発音する感じです。そして「ə」は半開きの口で舌を真ん中のあたりに置いて発音する「」。ちょうど真ん中あたりなので脱力した曖昧母音とも言われます。
 
これらの母音を正確に発音できるようになれば英語の発音の全般的な向上が期待できますので、それぞれの口の形をきちんと把握した上で練習してみてください
 
 
なお日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」の発音記号は「a,i,ɯ,e,o」とされていますが、実際の日本語の「ア」はもっと後舌ぎみで、「エ,オ」はやや口の開きの大きい「ɛ,ɔ」より、「ウ」は非円唇(唇が丸くない)とされており、英語の「u」のようには唇をすぼめずに発音する音とされています。日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」を図に入れてみると、だいたいこんな感じになるみたいです。実際に発音する際の目安にしてみてください。
 
 
子音も含めた英語の発音についてはこちらのページにまとめてあります。軟口蓋や硬口蓋などの口腔内の名称も絵を書いて説明しています。もっと詳しく発音を知りたい方は覗いてみてください。
 
 
それではお元気で。
 
 
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