「ダークダックス」の「めざせモスクワ」!

今回は「ダークダックス」の「めざせモスクワ」を紹介します!
 
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実は3つあった「めざせモスクワ」!

1979年に西ドイツの音楽グループ「ジンギスカン」がロシアのモスクワをテーマとした曲をリリースしました。それが「Moskau」(原曲ドイツ語版)。ただ日本では「めざせモスクワ」というタイトルで紹介されます。
 
この歌は翌80年に行われるモスクワオリンピックに先立って作られたものでしたが、あくまでモスクワの賛美やそこで行われる夜の大騒ぎ(宴)を歌った曲であって、モスクワオリンピックを直接応援する内容の歌ではありません。
 
 
間もなくこの曲はいくつかの国でカバーされるのですが、日本でも79年に2つのカバー曲が発表されます。それが「バオバブシンガーズ」による「めざせモスクワ」と「ダークダックス」による「めざせモスクワ」
 
日本の全く異なるグループが別々にカバーしたのですが、タイトルを同じにしてしまったため、「めざせモスクワ」という曲が原曲を含めて3つ存在することになりました
 
 
このうち「バオバブシンガーズ」版は原曲「Moskau」から完全にかけ離れたモスクワオリンピックの日本の応援歌になっていますが、「ダークダックス」版は原曲「Moskau」から一定の改変はしているもののモスクワの賛美という趣旨を概ね踏襲しています。
 
なお「ダークダックス」というのは1951年から2016年にかけて活動した慶応大学出身のボーカルグループ。ジャズやポピュラー、シャンソン、日本の童謡など幅広いジャンルをレパートリーに持ち、ロシア民謡も数多くカバーした知性派の音楽グループです。
 
ここでは原曲に近いこの「ダークダックス」の「めざせモスクワ」を紹介します。
 
 
ちなみに「バオバブシンガーズ」の「めざせモスクワ」は当時の日本アニメキャラが次々と登場するすごい曲です。たぶんびっくりすると思いますよ。
 
 

「ダークダックス」の「めざせモスクワ」歌詞フル!

 
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※批評目的での引用です。
作詞・作曲:藤公之助、ラルフ・ジーゲル
 
モスクワ 果てしなくもつづく大地ロシアよ
モスクワ 今日に続く長い長い歴史よ
黒い hey hey hey 瞳に
胸を ha ha ha こがし 
こころ hey hey hey 燃やせよ
若い日は短い hey hey hey hey
 
モスクワ モスクワ 僕のカチューシャ 君のナターシャ ho ho ho ho ho hey!
モスクワ モスクワ 恋が芽生える 愛が花咲く ha ha ha ha ha hey!
モスクワ モスクワ リラの花咲き スズラン香る ho ho ho ho ho hey!
モスクワ モスクワ あこがれの街 行こうよ行こう ha ha ha ha ha
 
モスクワ 果てしもなくつづく大地ロシアよ
モスクワ 今かたむく地平線の太陽
歌え hey hey hey よろこべ
踊れ ha ha ha 共に
恋に hey hey hey 乾杯
若い血をたぎらせ hey hey hey hey
 
モスクワ モスクワ さあ乾杯だキャビアもあるぞ ho ho ho ho ho hey!
モスクワ モスクワ ウオトカ飲みほしグラスを投げろ ha ha ha ha ha hey!
モスクワ モスクワ 手拍子そろえ足踏みならせ ho ho ho ho ho hey!
モスクワ モスクワ あこがれの街行こうよ行こう ha ha ha ha ha
 
モスクワ エッフ・トゥィ・リュビーマヤ(ああ、愛する君よ) エッフ・トゥィ・ブリェクラースナヤ(ああ、すばらしき君よ) ho ho ho ho ho hey!
モスクワ エッフ・トゥィ・リュビーマヤ(ああ、愛する君よ) エッフ・トゥィ・ブリェクラースナヤ(ああ、すばらしき君よ) ha ha ha ha ha hey!
モスクワ モスクワ ラーララララーララ ラーララララーララ ラララララ hey!
モスクワ モスクワ ラーララララーララ ラーララララーララ ラララララ hey!
モスクワ モスクワ ラーララララーララ ラーララララーララ ラララララ hey!
モスクワ モスクワ ラーララララーララ ラーララララーララ ラララララ hey!
 
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原曲との違いと感想!

この「ダーク・ダックス」の「めざせモスクワ」の歌詞を読んでみると、原曲「Moskau(めざせモスクワ)」のモスクワ(ロシア)への賛美という趣旨は概ね引き継いでいますが、歌詞が大きく変えられています。
 
まず「黒い瞳」「リラの花」「スズラン」といった言葉は原曲にはなく、これは明らかにロシア民謡を意識したものだと思われます。
 
途中に挿入された曲「ポーリュシカ・ポーレ」もロシアを代表する民謡です。
 
また女性の名前として「カチューシャ」と「ナターシャ」が登場しますが、このうち原曲に登場するのは「ナターシャ」だけ。「ナターシャハハハ君は美しい」といった歌詞で登場します。
 
「カチューシャ」が誰なのかはっきりとは分かりませんが、これもロシア民謡の「カチューシャ」を表してるのかもしれません。故郷のカチューシャという少女が国境警備につく恋人を想って祈りを届けるといった内容の歌で、第二次対戦中のソ連で大流行し、その後各国に広まった曲です。聞いたことあると思いますよ。
 
「僕のカチューシャ 君のナターシャ」の後に「恋が芽生える 愛が花咲く」と続くためおそらくロシアの美しい少女の象徴として「カチューシャとナターシャ」を置いていると思われます。
 
それから最後に「モスクワ エッフ・トゥィ・リュビーマヤ(ああ、愛する君よ) エッフ・トゥィ・ブリェクラースナヤ(ああ、すばらしき君よ)」とモスクワに二人称で語りかけています。原曲でも「君の中にとても熱い炎が燃えていることを知っている」とモスクワに語りかける描写があるのですが、この「エッフ・トゥィ・リュビーマヤ(ああ、愛する君よ)」というのはドイツ語ではなくロシア語です。
 
 
ダーク・ダックスはロシア民謡を多く手掛けていたのですが、調べてみるとこの歌に登場する「黒い瞳」「リラの花(咲く頃)」「スズラン」「ポーリュシカ・ポーレ」「カチューシャ」は全てダークダックスがカバーした曲だったようです。
 
ですのでこの歌は、原曲のジンギスカン(ドイツ人)のイメージするロシア感を薄め、ダーク・ダックス(日本人)のイメージするロシアに歌詞を入れ替えたのではないかと思われます。特にロシア民謡を巧みに組み入れるあたりは、ロシア民謡を多く手掛けたダークダックスならではと言えそうです。
 
 
いずれにせよ日本語でこの曲を聞けるのが嬉しいですね!さすがダーク・ダックスです!もう1つの「めざせモスクワ」は、原曲の世界観から完全にかけ離れてしまっている上に、「もすかう」については完全に支離滅裂な歌ですからね😅。
 
なお空耳版「もすかう」についてはこちらで紹介しています。お時間のある方 一度聞いてみてください。これはこれでおもし面白いですから。
 
また最近では海外でこのような派生作品も作られています。本当に長い間世界中で愛されていますね。

 
 
それではお元気で。
 
 
 
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