サッカー日本代表の応援歌はなんて言ってる?おーおーの掛け声と原曲を徹底調査してみた!

サッカー日本代表の試合をテレビ中継で見ているとサポーター達の「おーおー」の掛け声をよく耳にします。  
  
これって歌?一体何て言ってるの? 
  
  
実はこの掛け声(応援歌)のことを「チャント(chant)」言います。 
  
日本語では詠唱・詠和などとも訳されますが、意味のある歌詞ではなく「おーおー」などの掛け声を単純な音程やリズムで繰り返す応援歌で、大した練習もせずに多くの人が一体となって歌うことができるのが特徴です。 
  
今回はこのサッカー日本代表の応援に使われる「チャント」を取り上げてみますが、原曲本来の歌詞や成立の背景、その後の歴史についても可能な範囲で辿ってみますね。その上でどんな場面で歌うのがふさわしいのか、についても考えてみたいと思います。 
  
  
今回ご紹介するサッカー日本代表の「チャント」は次の7つ。 
  
1 バモスニッポン 
2 アイーダ 
3 エンターテイナー 
4 日本オーレ 
5 GO WEST 
6 カチューシャ 
7 ジェリコ 
  
このうち定番と呼ばれるのは1〜5まで。6,7は現在一般的には歌われていないみたいですが、内容が興味深かったので取り上げてみることにしました。 
 
それでは1番のバモスニッポンから、ちょっと深く見ていきますね。 
  
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1 バモスニッポン 

  
オー バモニッポン ニッポン ニッポン バモニッポン 
ハイ ハイ ハイ ハイ ハイ ハイ 
「バモスニッポン(VAMOS NIPPON)」は最も頻繁に歌われる日本代表の「チャント」の一つ。誰でもこの掛け声は聞いたことありますよね。 
  
原曲はカナダのロックバンド「Men Without Hats(メンウィズアウトハッツ)」が1987年にリリースした 
Pop Goes the World(ポップゴーズザワールド)」。有名になることを夢見た「人類(The Human Race)」というバンドのジョニーとジェニーがやがて音楽や映画で成功し、世界情勢に一喜一憂して悶えたり踊ったりする内容の歌です。 
  
  
この曲は日本代表のチャントとしては有名ですが、原曲の知名度はあまり高くないようです。ちなみに日本代表以外にもアルゼンチンやパラグアイなどいくつかの国やクラブチームでチャントとして採用されているそうです。 
  
ただこの曲は確かに簡単で歌いやすいが、ノリが大学生の飲み会的かつテンポが悪く、スタジアム全体がまとまるのはちょっと難しいといった指摘もあるようです。 
  
言われてみれば確かにそうかもしれないですね。 
  
  
  
実はAI(bird)の知恵も借りようと日本代表のチャントについて尋ねてみたところこんな解答が返ってきました。  
  
バモスニッポン 
日本の民謡「ソーラン節」を原曲としている。北海道の漁師たちが船を漕ぐ際に歌っていた労働歌で、力強いメロディーと掛け声が特徴である。 
「ソーラン節」…?だったの…?😅 
AIさんたまに珍プレーやるのですよね😂 
  
  
  
  
歌詞に登場する「VAMOS(バモス)」というのはスペイン語で「行こう!、いいぞ、がんばれ」といった意味合いなのですが、厳密に言うと「ir(イル・行く)」という動詞の直接法現在1人称複数形、ということになっています。 
英語の「go」に相当する単語なのですが、英語では動詞の現在形は3人称単数の時に「s」がつくだけなのに対し、スペイン語では主語によって次のように6つに活用することになっています。 
 
主語代名詞 
ir(スペイン語) 
go(英語) 
 
1人称単数(私) 
yo(ジョ) 
voy(ボイ) 
go 
2人称単数(君) 
tú(トゥ) 
vas(バス) 
go 
3人称単数(彼) 
él(エル) 
va(バ) 
goes 
1人称複数(私達) 
nosotros(ノソトゥロス) 
vamos(バモス) 
go 
2人称複数(君達) 
vosotros(ボソトゥロス) 
vais(バイス) 
go 
3人称複数(彼ら) 
ellos(エジョス) 
van(バン) 
go 
このように「vamos(バモス)」はirの1人称複数形で原則的には「(我々が)行く」といった意味合いなのですが、「vamos(バモス)」にはいくつかの意味があり、ここでは「さあ行くぞ、いいぞ、がんばれ」といった「励まし」の意味合いで使われているようです。 
  
 なおスペイン語には英語の「vヴ」の音はなく「v」は「b」と同じ「バ行」の音。ですので「ヴァモス」ではなく「バモス」が正しいです。 
  
またスペイン語の母音は「iイ,eエ,aア,oオ,uウ」の5つで日本語の「aア,iイ,uウ,eエ,oオ」とほぼ同じです。そして英語のように「a」の発音が「æ」「eɪ」「ɪ」「ə」などとコロコロ変わることがなく、「a」は「ア」としか発音しません。ですのでほぼローマ字読みでOKです。 
  
ただスペインでは基本的に「バモス」と発音されますが、中南米では「s」が取れて「バモ」と発音されることが多いそうです。だから「バモニッポン」と言っているのですね。 
  
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2 アイーダ 

  
オーオー オー オ オ オ オオオーオオ  オオオオオ オオオ オオオ オーオー 
「アイーダ」というのはイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが1871年に作曲した全4幕からなる世界的に有名なオペラ「アイーダ」のこと。この第2幕第2場「凱旋行進曲」のメロディを取り入れたチャントです。 
  
オープニングの曲は昔「セリアAダイジェスト」にも使われていましたね。 
  
この「凱旋行進曲」はもともとはイタリアのフィオレンティーナが使用していたそうですが、92年から日本代表も「チャント」として採用したそうです。 
  
このオペラ「アイーダ」は古代ファラオ時代のエジプトとエチオピアの間で引き裂かれた男女の悲恋を描いたもので、内容は概ね次の通り。 
  
  
舞台は古代エジプトの首都メンフィス(カイロの南約30km)。エジプトの捕虜となり身分を偽ってエジプトの王女アムネリスの奴隷として使えていた敵国エチオピアの王女アイーダは、エジプトの将軍ラダメスと密かに愛し合う仲となります。しかしアムネリスもラダメスに恋心を寄せていました。そんな中エチオピア討伐を命じられたラダメスは、見事に勝利しエジプトに凱旋します。この凱旋時に流れるメロディがチャントに採用された「凱旋行進曲」でした。 
  
この功績をたたえエジプト国王はラダメスに娘のアムネリスを与え自分の後を継ぐように告げますが、ラダメスは困惑し、アイーダは絶望します。 
  
その後ラダメスはアイーダに軍事機密を漏らし、更に捕虜となっていたエチオピア国王アモナスロ(アイーダの父)と共に彼女を逃がしてしまい死罪となります。 
  
アイーダへの想いを断ち切れば助けると告げるエジプト王女アムネリスに対し、ラダメスはこれを拒否。地下牢へ幽閉され一人死を待っていると、なんとラダメスの元へアイーダが駆けつます。そして2人で抱き合いながら死を待つのでした。 
  
  
このような内容なのですが、肝心な「凱旋行進曲」はエジプトがエチオピアに勝って凱旋するシーンで流れる曲です。 
  
これを代表のチャントに採用するのは確かにいいチョイスだと思いますが、本来の趣旨を考えれば勝ちが決まった時や試合を優勢に進めている時に歌うものであって、負けている時にさあ歯を食いしばれ!といった趣旨で歌うのはちょっと違うような気がします。  
  
  
  

3 エンターテイナー 

  
オーオオ オオ オオー オオオ オオオオ オーオー ✕2 
オオオオ 日本 
オオオオ 日本 
オオオオ オーオー 
  ジ・エンターテイナー(The Entertainer)」は1902年にアメリカの作曲家スコット・ジョプリンによって作曲されたピアノで演奏をするためのラグタイム曲(20世紀初頭に黒人音楽の影響を受けアメリカで流行した音楽)。当初から歌詞は存在しなかったみたいです。これが1973年の映画「スティング」のテーマ曲として使用されたことにより一躍注目を集め誰もが知る名曲となりました。70年代にラグタイムが再注目されるきっかけになったそうです。アメリカレコード協会はこの曲をSong Of The Centuryの第10位にランク付けしています。 
  
  
  
この曲は日本代表以外にもJリーグでも使われているチャントの定番です。主な特徴は弱拍を強調するシンコペーションの多用と、軽快でリズムカルなメロディ。誰でも一度は聞いたことありますよね。 
  
  
サッカーは世界最大のスポーツであるのと同時に最高のエンターテインメントです。「エンターテイナー」というのは確かにそこで活躍する選手たちを称えるのにふさわしい曲かもしれません。 
  
  
曲のタイトルや雰囲気を考えると、想像力やエンターテイメント性溢れるプレーをした時にふさわしい歌だと思います。 
  
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4 日本オーレ 

  
日本オーレ 日本オーレ 日本オーレオーレ 
 これもよく耳にする定番チャントです。なお「日本オーレ」は既存の音楽をよりどころにしているわけではなく、サッカーオリジナルチャントらしいです。他と異なり先入観なく純粋に日本代表を応援できるチャントと言えるかもしれません。シンプルで声を揃えやすいところもいいですよね。 
  
  
なお「ole(オーレ)」は「いいぞ! お見事! その調子!」といった意味合いの激励のスペイン語。闘牛士やフラメンコの踊り手への賞賛・激励・喝采などにも使われていますね。 
  
上で登場した「vamos(バモス)」もスペイン語ですが、文法的にはこちらは動詞irの一人称複数形であるのに対し、「ole(オーレ)」は驚きや興奮などの感情を表す間投詞という位置づけになっています。そして「vamos(バモス)」は原形がir(行く)であって「行け!」といった攻撃的な意味合いが強いのに対し、「ole(オーレ)」は「いいぞ!お見事!」といった称賛の意味合いが強いです。 
  
ですので「バモスニッポン」はやや攻撃的であるのに対し「日本オーレ」と「GO WEST」はやや守備的(称賛的)な歌と言えるのかもしれません。リードされている時は「バモスニッポン」でリードしてる時は「日本オーレ」や「GOWEST」、といった感じでしょうか。 
  
  
  

5 GO WEST 

GO WESTは8分25秒から
 
オーレー オオ日本 
オーレー オオ日本 
オーレー オオ日本 
オーレー オオ日本 
 
ゴー・ウェスト(GO WEST)」は1979年6月にアメリカのディスコグループのヴィレッジピープルが発表した曲。タイトルの「ゴー・ウェスト」は19世紀のアメリカの政治家ホレス・グレイリーが人々に西武開拓を呼びかけた有名な論説の一節「Go West, YoungMan」にちなんでいるみたいですが、同時に西部(サンフランシスコ)をゲイ開放のユートピアとみなして憧れていた1970年代のゲイの気分が表現されているらしいです。というかそもそもこのヴィレッジピープルというのがゲイをコンセプトに集められたグループだったみたいですね。 
  
そんな同性愛の皮肉が込められた曲がなぜサッカーのチャントに……? 
  
  
実は92年にイギリスのペットショップボーイズがこの曲をカバーするのですが、この時期はソ連崩壊直後であってソ連の全体主義を皮肉った上で東側諸国の人に西側を目指しなさい(Go West)といった内容に趣旨が変えられていたみたいです。「西へ行け。そこは自由で平和なところ。我々はなりたいものになれる。きっとうまくいくよ。」といった具合に。 
  
  
つまりカバーによって歌のイメージが変わったのですね。 
  
サッカー界ではイングランドのアーセナルの応援歌になったことをきっかけに他のクラブや代表にも広まり、95年には日本代表のチャントとして正式採用されました。2006年にはワールドカップでも使用されており、FIFA公認の応援歌になっているみたいですね。サッカーの国際試合でも試合終了後に流されます。 
  
  
実はこの曲1979年8月に西城秀樹さんが日本語歌詞でカバーしているそうなのですが、有名な西城秀樹の「Young man(Y,M,C,A)」(79年2月リリース)は同じヴィレッジピープルが78年12月にリリースした「Y,M,C,A」というメロディがよく似た別の曲のカバーになるそうです。なお「Y,M,C,A」とはYoung Men’s Christian Associationの略でキリスト教青年教会による若者のための宿泊施設を表すそうですが、そこはゲイの巣窟とされていました。つまり「Y,M,C,A」ももともとはゲイの隠喩らしいです。 
  
  
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6 カチューシャ 

カチューシャは11分5秒から 
  
オーオオーオオオオオオーオー 
オーオオーオオオオオオー  
ラーラーラーラララーララララーラー 
ラーラーラーララララララー 
カタカナ化すると逆に分かりづらいかもしれませんが、ほとんどの方がどこかで耳にしたことはあると思います。ただこの曲はいわゆる「定番」ではなく現在日本代表のチャントとしてはあまり歌われていないようです。 
  
「カチューシャ」は1938年にイサコフスキーとブランテルによって作詞作曲されたロシアを代表する民謡。第二次世界大戦中にソ連の兵士の間で大流行し、その後中国語やドイツ語などに翻訳され東側諸国に広まりました。ロシアの軍歌でもあり現在でも軍のイベントで演奏されることがあります。 
  
  
このカチューシャというのはロシアの少女の名前で、歌詞の内容は概ね次の通りです。 
  
カチューシャという少女が国境警備につく恋人を思って遠く離れた故郷の川岸から歌を歌う。カチューシャが大草原や彼女の愛した人について歌うと、その歌が太陽を追いかけ空を飛び、国境を守る恋人の兵士の元へと届く。歌は彼に彼女を思い出させ、彼は故郷を守りカチューシャは愛を守る。 
  
  
おそらく当初は国境警備につく兵士たちの士気の鼓舞や防衛意識向上を狙った歌だった思われますが、歌詞の内容を吟味してみると国を背負って戦うものを応援するのにふさわしい歌だと感じます。 
  
特に第二次世界大戦の独ソ戦は宣戦布告して先に攻め込んだのはあくまでドイツです。ソ連は領土のかなり深くまで刺し込まれ、サンクトペテルブルグやモスクワまでも陥落の危機に瀕しました。そんな中このカチューシャの大流行とともに大逆転勝利への怒涛の反撃へと突き進んでいきます。 
  
そういった歴史を鑑みれば、負けている時・敗色感漂う時にこそ逆転を祈って歌うのにふさわしい歌だと思います。 
  
  
また原曲を読む限り、カチューシャが故郷から歌(祈り)を届けるという内容になっています。ですのでサポーターが現地で歌うのもいいのですが、例えばワールドカップの時に国内で行われるパブリックビューイングでみんなで歌って祈りを現地へと届けよう、といった使い方も曲本来の趣旨に合っている気がします。 
  
  
それから原曲の歌い手(祈り手)はカチューシャという少女です。ですので特に若い女性にこそ熱を入れて歌って欲しいですね。国を背負って戦う選手たちを恋人と見立てて。 
  
現在この曲は日本代表のチャントとしてはあまり歌われないみたいですが、歌詞を吟味してみると国を背負って戦う日本代表の応援に適していますし使える局面も結構多いです。個人的にはもう少し積極的に使ってほしいと思っています。 
  
ただちょっと気になるのがウクライナ戦争。この曲は現役のロシア軍の軍歌でもありますので、この曲を使うと「ロシア軍頑張れ」といった政治的なメッセージを含んでしまう可能性があります。そのあたりは少し慎重に判断する必要があるかもしれません。 
  
  
このカチューシャについては以前ブログで紹介しました。和訳も載せて歌えるようにしてありますのでよかったら確認してみてください。 
  
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7 ジェリコ 

  
ララララララララ日本 日本 日本 
ララララララララ日本  
オーオーオーオーオーオー 
ジェリコ」も定番ではありません。2010年の南アフリカワールドカップで日本代表のチャントに採用されましたが不評のため歌われなくなってしまったそうです。これは旧約聖書ユシュア記に記されたユダヤ人によるパレスチナ占領戦の初戦「ジェリコの戦い」を描いた歌です。 
  
  
今から4000年近い昔、アブラハムの子孫であるユダヤ人たちは飢饉のために現在のパレスチナからエジプトに移住しますが、400年もの歳月の間にそこで奴隷化されてしまいました。旧約聖書によると紀元前1358年頃、ユダヤ人たちは指導者モーセに率いられそのエジプトを脱出し、シナイ山で神ヤハヴェと「ユダヤ人にパレスチナの地を与える代わりに神の10の戒めを守る」という契約を結びます。 
  
モーセの意志を継いだ弟子ヨシュアによってその神と約束したとされるパレスチナ攻略戦が始まります(紀元前1318年頃)が、その最初の戦いがジェリコ(エリコ)でした。エリコというのは死海の北西にある城塞都市で、紀元前8000年頃から周囲を壁で囲った集落が存在した世界最古の町と言われています。 
聖書によると内通者の協力や神の奇跡※の助力によりエリコの城壁は崩落し、そこから突入したユダヤ人によってエリコは攻略されたと記載されています。 
※ユダヤ人兵士たちがエリコの町を1周しそれを6日間続け、7日目に神の箱を持って町を7周し角笛を吹き鳴らして時の声をあげなさい、という神のお告げに従うと城壁が崩れ落ちた。 
  
その後ユダヤ人たちはパレスチナの先住民たちを次々と討伐して占領範囲を広げ、紀元前10世紀頃のダビデ王やソロモン王の時代に古代イスラエルの最盛期を迎えます。しかしその後は分裂や他国による占領などの苦難の歴史が続き、紀元1世紀頃にはローマ帝国に滅ぼされユダヤ人はパレスチナの地を失い散り散りなりました。 
  
それから2000年近く経過した19世紀後半からエルサレムのシオンの丘へ帰ろうというシオニズム運動が起こり、ナチスによる大虐殺を経て1948年にイスラエルを建国。ついに念願のユダヤ人の国を復活して現在へと至ります。 
  
  
何千年経とうがユダヤ人がパレスチナの地にこだわり続けるのはそこが神との契約(旧約)によって与えられた土地だから。 
  
こういう理屈だったのですね。 
  
特に紀元前14世紀頃のお話とされるこの「ジェリコの戦い」は現在のパレスチナ問題の発端とも言えるような出来事だったようです。 
  
  
  
ただ個人的にはこの「ジェリコの戦い」を日本代表のチャントに採用するのには反対です。 
  
確かにユダヤ人にとっては最初にパレスチナの地を得る重要な出来事だったのかもしれませんが、圧倒的多数の日本人はそんなことを知らない上にこの「ジェリコの戦い」という歌自体も知りません。 
  
そんな歌をチャントに採用してもどんな時にどんな心を込めて歌ったらいいのか分からないですし、そもそもメロディになじみがありません。 
  
  
またユダヤ人の信仰する神(ユダヤ・キリスト教)の奇跡・助力によりエリコを攻略したという内容になっています。普段ユダヤ・キリスト教を信仰していない日本人がキリスト教の神様の奇跡にすがるのは道理に合いません。日本神話において勝利を呼び込んだとされる3本足の八咫烏をユニフォームに刻んでおきながら西洋の神様にすがるのはどう考えても日本の神様に対して失礼ですし、外国人からは侮蔑と嘲笑の目で見られることになるでしょう。 
  
  
それから旧約聖書を読んでみるとユダヤ人は神との約束という名のもとにエリコの先住民に対し非戦闘員を含めて皆殺しに近い殺戮を行っています。 
  
これを日本代表のチャントに採用することは、場合によっては現在のイスラエルによるパレスチナへの殺戮を支持する、というメッセージにとらえられる可能性すらあります。 
  
  
実際に日本代表のチャントとしてはかなり不評だったみたいですが、この曲はやめた方がいいと思います。 
  
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まとめ! 

今回はサッカー日本代表のチャントについて色々調べてみたのですが、正直調べていてとても面白かったです。 
  
歌詞の内容や成立した背景・その後の歴史をたどってみると、サッカー日本代表にふさわしいのかふさわしくないのか、またはどんな場面で歌うべきなのか、といったことが色々と見えてきた気がしました。 
  
  
あくまで個人的な感想ですが、 
  
勝っている時にふさわしいのがアイーダ 
  
日本オーレGO WESTも試合展開が順調な時 
 
積極性や攻撃性を求めたい時はバモスニッポン 
  
負けている時に逆転を祈るのがカチューシャ 
  
想像力あふれるプレーへの賞賛がエンターテイナー 
  
ただしバモスニッポン・エンターテイナー・日本オーレ・GO WESTは臨機応変にいつでもOK 
  
遠隔地からの応援であればカチューシャ 
  
そして日本代表にふさわしくないのがジェリコ 
  
そんな印象を受けました。 
  
  
  
いずれにせよどんなチャントであれ大事なのは心です。 
  
魂込めて歌いましょう! 
  
本当に苦しくなった時の全力の応援は、必ず選手たちに届きますから!! 
 
その後押しされた1プレイが勝敗を分けることが本当にありますから!!! 
  
そしていつの日かきっと僕たちをワールドカップの頂点へと導いてくれますから!!! !
  
  
 
それでは元気で^^ 
  
  
ハク 
  
  
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