プレスリーの「It’s now or never」を歌ってみよう!【カタカナ歌詞と日本語和訳付き!】

今回ご紹介するのは エルヴィス・プレスリーの「It’s now or never(イッツ・ナウ・オア・ネヴァー)」。直訳すると「それは今か一度もしないか」なのですが、要するに「(チャンスは)今しかない」といった意味合いです。
 
歌詞を要約すると「一目惚れをした愛しい人がすぐそばにいる。ついにその時が来た。今しかない。今夜は僕のものになって。僕の愛は待てない。」といった内容で、「It’s now or never(今しかない)」をキーワードに情熱的に愛しい人にアプローチする歌です。
 
1960年にリリースされたこの曲はアメリカでは 5週連続No1、英国では8週連続No1のヒット記録し、トータルで2000万枚以上売れたそうです。ちなみに日本で一番売れた曲が泳げたいやきくんの約450万枚。まさに桁違いのヒットですね。
この「It’s now or never」にカタカナ歌詞と和訳をつけてみました。歌の研究と批評です。
 
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「It’s now or never」歌詞+カタカナ+和訳!

原曲作曲:エドゥアルド・ディ・カプア
作詞・作曲:Aaron Schroeder/Wally Gold
 

歌詞①

イッツ ナウ ア ネヴァー  カム ホウルド ミ タイト
ɪts nɑw ɚ névɚ   cʌm hóuld mi tɑɪt
It’s now or never, Come hold me tight
今しかない 僕をしっかり抱きしめに来て
 
キス ミー マイ ダーリン  ビー マイン トゥナイト
kís míː mɑɪ dɑɚlɪŋ   bíː mɑɪn tunɑɪt
Kiss me my darling, Be mine tonight
ねえ君僕にキスして 今夜は僕のものになって
 
トゥモロウ ウィル ビー トゥー レイト  イツ ナウ ア ネヴァ
tumɑrou wíl bíː túː léɪt   ɪts nɑw ɚ né
Tomorrow will be too late, It’s now or never
明日では遅すぎるの 今しかないの
 
マイ ラヴ ウォウント ウェイト
mɑɪ lʌv wóunt wéɪt
My love won’t wait.
僕の愛はもう待てない
 
 

単語の意味①

It’s now or neverで「今しかない」や「今のうちだよ」の意味。orは強調する場合は「ɔɚ」と発音しますが、強調しない場合は「ɚ」と発音します。なお発音記号「ɚ」は「ər(アル)」を表します。
tight (タイト・tɑɪt)「締まった・きつい・厳しい」
 
darling (dɑɚlɪŋ・ダーリン)「最愛の人・かわいい人・ねえ君(かけ言葉)」※日本では女性が彼氏を表す言葉の意味合いが強いですが、実際は夫婦や恋人の間で男女を問わずお互いを呼びかける時に使います。
Be mine tonightはbe動詞を使った命令文の表現
 
won’t (ウォウント・wóunt)「するつもりはない・しないだろう」※will notの短縮形
 
英語の発音についてはこちらのページにまとめてあります。
 
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歌詞②

ウェ ナイ ファースト ソー ユー  ウィズ ヤ スマイル ソウ テンダー
wén ɑɪ fɚːst sɔː juː  wɪð jə smɑɪl sóu téndɚ
When I first saw you   With your smile so tender
君に初めて会った時 君のとても優しい笑顔で
 
マイ ハート ワズ キャプチャード  マイ ソウル サレンダード
mɑɪ hɑɚt wəz cæptʃɚd  mɑɪ sóul səréndɚd
My heart was captured,   My soul surrendered
僕の心はとらわれ 僕の魂は身を任せた
 
アイド スペン ダ ライフタイム  ウェイティン フォー ザ ライト タイム
ɑɪd spénd ə lɑɪftɑɪm  wéɪtɪŋ fɔɚ ðə rɑɪt tɑɪm
I‘d spend a lifetime   Waiting for the right time
この時を待つために 僕は生涯を費やしてきた
 
ナウ ザット ユア ニア  ザ タイム イズ ヒア アト ラスト
nɑw ðæt júɚ níɚ  ðə tɑɪm ɪz híɚ æt læst
Now that your near   The time is here at last.
今君の近くにいて ついにその時が来た
 
 

単語の意味②

tender (テンダー・téndɚ)「柔らかい・優しい・親切な」
 
captured (キャプチャード・cæptʃɚd)「捕まえた」
surrendered (サレンダード・səréndɚd)「降伏した・身を任せた・放棄した」
 
I‘d (ɑɪd・アイド)※I woudの短縮形。
lifetime (ライフタイム・lɑɪftɑɪm)「生涯・一生」
Waiting〜 「〜を待つために・そして待つ」※spendを修飾する分詞構文。
 
at last 「ついに、とうとう、やっと」
 
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歌詞③(歌詞①の繰り返し)

イッツ ナウ ア ネヴァー  カム ホウルド ミ タイト
ɪts nɑw ɚ névɚ   cʌm hóuld mi tɑɪt
It’s now or never, Come hold me tight
今しかない 僕をしっかり抱きしめに来て
 
キス ミー マイ ダーリン  ビー マイン トゥナイト
kis míː mɑɪ dɑɚlɪŋ   bíː mɑɪn tunɑɪt
Kiss me my darling, Be mine tonight
ねえ君僕にキスして 今夜は僕のものになって
 
トゥモロウ ウィル ビー トゥー レイト  イツ ナウ ア ネヴァ
tumɑrou wíl bíː túː léɪt   ɪts nɑw ɚ né
Tomorrow will be too late, It’s now or never
明日では遅すぎるの 今しかないの
 
マイ ラヴ ウォウント ウェイト
mɑɪ lʌv wóunt wéɪt
My love won’t wait.
僕の愛はもう待てない
 
 

歌詞④

ジャスト ライ カ ウィロウ  ウィー ウド クライ アン オウシャン
əst lɑɪk ə wílou  wíː wúd krɑɪ ən ouʃən
Just like a willow,   We would cry an ocean
まるで柳のように 僕らは海のように泣くだろう
 
イフ ウィー ロース トゥルー ラヴ  アン スィー ディボウション
ɪf wíː lɔːst trúː lʌænd swíːt dɪvóuən
If we lost true love   And sweet devotion
もしも僕たちが本当の愛と 優しい献身を失ったら
 
ユア リプス イクサイト ミー  レト ユア アムズ インヴァイト ミー
júɚ líps ɪksɑɪt míː  lét júɚ ɑɚmz ɪnvɑɪt míː
Your lips excite me,   Let your arms invite me
君の唇が僕を興奮させて 君の腕が僕を誘って
 
フォア フー ノウズ ウェン  ウィール ミー タゲイン ディス ウェイ
fɔɚ húː nóuz wén  wíːl míːt əgéɪn ðís wéɪ
For who knows when   We‘ll meet again this way
いつまた僕たちがこのように逢えるのか 誰にも分からないのだから
 
 

単語の意味③

Just like で「まさに~のように・~と全く同じように」
willow (ウィロウ・wílou)「柳」
 
devotion (ディボウション・dɪvóuən)「献身・愛着・信仰」
 
excite (イクサイト・ɪksɑɪt)「興奮させる・ワクワクさせる・刺激する」
Let o doで「oに〜させる」
invite (インヴァイト・ɪnvɑɪt)「招く・誘う」
 
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歌詞⑤(歌詞①の繰り返し)

イッツ ナウ ア ネヴァー  カム ホウルド ミ タイト
ɪts nɑw ɚ névɚ   cʌm hóuld mi tɑɪt
It’s now or never, Come hold me tight
今しかない 僕をしっかり抱きしめに来て
 
キス ミー マイ ダーリン  ビー マイン トゥナイト
kis míː mɑɪ dɑɚlɪŋ   bíː mɑɪn tunɑɪt
Kiss me my darling, Be mine tonight
ねえ君僕にキスして 今夜は僕のものになって
 
トゥモロウ ウィル ビー トゥー レイト  イツ ナウ ア ネヴァ
tumɑrou wíl bíː túː léɪt   ɪts nɑw ɚ né
Tomorrow will be too late, It’s now or never
明日では遅すぎるの 今しかないの
 
マイ ラヴ ウォウント ウェイト
mɑɪ lʌv wóunt wéɪt
My love won’t wait.
僕の愛はもう待てない
 
 

個人的な感想!

聞いていただければわかると思いますが、この曲はメロディにイタリアの「オーソレミオ(1898年)」を採用しています。実はその版権問題のこじれからイギリスで一旦リリースが延期になり、じらされた英国ファンが熱狂して発売前に大量注文をしてしまう、ということが起こったそうです。英国での大ヒットにはこんな事情があったのですね😅
 
 
この原曲「オーソレミオ」については以前ブログで紹介しましたので、ちょっと歌詞を比較してみますね。
 
オーソレミオ」は「太陽」を「愛しい君」に置き換え、「太陽が光輝く日はなんと美しいのだろう(Che bella cosa na jurnata ‘e sole)!」と実物の太陽を褒め称えた上で、「だがもう1つの太陽(君)はより一層美しい!私の太陽(‘O sole mio)は君の顔にある(sta ‘nfronte a te!)!」と情熱的に愛しい人を讃える内容。
 
これに対し「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」は、「一目惚れをした愛しい人がすぐそばにいる。ついにその時が来た(The time is here at last.)。今しかない(It’s now or never)。今夜は僕のものになって(Be mine tonight)。僕の愛は待てない(My love won’t wait.)。」と情熱的に愛しい人にアプローチする内容。
 
 
どちらもとても情熱的な歌なのですが、比較してみると中身は完全に別物です。
オーソレミオ」は徹頭徹尾愛しい君を言葉で褒め称えようという意志が感じられるのに対し、「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」はこの熱い思いを今こそ行動に移そうという強い意志が感じられます。アプローチの仕方が異なりますね。
 
また歌い方もオペラ的な「オーソレミオ」に対してプレスリーの色気漂う「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」といった感じでしょうか。
 
 
ちなみに僕は、あくまで言葉だけで愛しい人の心をとらえようとする「オーソレミオ」の方が好きです。奥ゆかしさを感じるのですよね^^
 
あなたはどちらがお好きですか?
 
 
 
なおプレスリーは同じく有名なイタリアのカンツォーネ「帰れソレントへ」のメロディを採用した「Surrender(身を任せて)」という曲を発表しているのですが、この「Surrender」も米国・英国共にNo1ヒットを記録しています。こちらも原曲とは歌詞が大きく異なりますが、なかなかいい歌でしたよ。
 
 
オーソレミオ」「帰れソレントへ」は時代と場所を超えて愛されています。もしかしたらまたいつか、これらの曲から世界的なヒットが生まれるのかもしれませんね。
 
 
それではお元気で。
 
 
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