
スペイン語の「デスパシート」にカタカナ歌詞と和訳を付けて歌えるようにしてみました。スペイン語というのは印欧語族の中でも英語の属するゲルマン諸語とは異なるロマンス諸語という言語グループに属しますが、文法や語順などは英語に割と近く発音に関してもほぼローマ字読みで母音も日本語に近いため、日本人と相性のいい言語でもあります。
単語の意味や発音のルールなどは歌詞の間に載せておきますが、いらない方は無視してくださって結構です。ちなみに僕も覚えてみたのですが、どうしてもうまくは歌えないです。短時間に多くの発音を強いられる箇所がいくつもあり、舌先をうまく使いこなす滑舌の良さを求められると思います。正直僕はかなりごまかして歌ってます😅。難しい歌だと思ってください。
なおカタカナ歌詞の「太字」はアクセント箇所を表し、ひらがなの「ら行」は巻き舌を表します。また単語本来の意味や文法を重視しているため意訳ではなく直訳に近いと思ってください。歌うための歌詞ではありません。それから力不足で難しい文法の解説はできません。間違っていたらごめんなさい。
※「デスパシート」の意味や概要はこちらで解説!
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作詞・作曲:Luis Fonsiさん/Erika Enderさん/Ramon Ayalaさん
目次
歌詞①

アイ フォンスィ ディワイ オオ オノ オノオ イェ ディリディリディリディディ ダディ ゴ
Ay Fonsi DY OhOh no, oh noOh yeahDiridiri, dirididi Daddy Go
スィ サベス ケ ジャ ジェボ ウン らト ミランドテ
Sí, sabes que ya llevo un rato mirándote
そう、俺が君をちょっと見続けているのもう知ってるだろ
テンゴ ケ バイラル コンティゴ オイ(ディワイ)
Tengo que bailar contigo hoy (DY)
今日は君と踊らなければ
ビ ケ トゥ ミラダ ジャ エスタバ ジャマンドメ
Vi que tu mirada ya estaba llamándome
君の視線が既に俺を呼んでいたのが分かった
ムエストラメ エル カミノ ケ ジョ ボイ
Muéstrame el camino que yo voy (Oh)
俺の行く道を教えてくれ
単語の意味と発音①
Sí (スィ)「はい」※「シ」ではなく「スィ」。
sabes (サベス)「(君は)知っている・できる」※saberの直接法現在2人称単数形(以後特に言及しない場合は直接法現在だと思ってください)。
que (ケ)「〜するところの」という意味の関係代名詞もありますが、ここでは「〜ということ」を意味する接続詞だと思います。ただちょっと自信がないです。ごめんなさい。なおスペイン語では「que」の綴で「ケ」と読みます。
ya (ジャ)「もう・すでに」。※スペイン語では「y」は「ヤ行」または「ジャ行」で発音されますが、単語末では「イ」の音になります。
llevo (ジェボ)「(私は)持つ・導く」※llevarの1人称単数形。「llevar+mirándote」で「君を見続けている」の意味。※スペイン語では「ll」の綴りで「ヤ行」または「ジャ行」で発音されます。
un,una (ウン,ウナ)「不定冠詞の男性系と女性系・1つの」英語の「a」。
rato (らト)「短時間」、「un rato」で「少し前に」。スペイン語では語頭の「r」や「rr」の綴は「巻き舌のr」で発音することになっています。
mirándote(ミランドテ)※mirar「見る」の現在分詞(英語のing)mirándo+te(君を)。
Tengo (テンゴ)「(私は)持つ」※tenerの直接法現在1人称単数形ですが、「Tengo que 不定詞(原形動詞)」で「(私は)〜しなければならない」の意味。
bailar (バイラル)「踊る」※bailarの原形。
contigo (コンティゴ)「君と」
hoy (オイ)「今日」※スペイン語では「h」は発音しません。
Vi (ビ)「見た・分かった」※ver(見る・分かる)の点過去1人称単数形。点過去は過去に完了した行為や出来事、具体的な過去の時間を伴う出来事を表すのに対し、線過去は過去に継続中の行為や出来事、具体的な時間を伴わない出来事を表すのに使います。
que(ケ)「〜ということ」を意味する接続詞。
tu (トゥ)「君の」
mirada (ミラダ)「視線」
estaba (エスタバ)「あった・いた」※estar(ある・いる)の線過去3人称単数形。
llamándome(ジャマンドメ)はllamar(ジャマル・呼ぶ)の現在分詞llamándo+me(私を)。
estaba llamándomeで「私を呼んでいた」の意味。
Muéstrame (ムエストラメ)「(君が)私に見せて・示して」※mostrar(見せる)の命令法2人称単数Muestra+me(私に)。
el,la (エル,ラ)「定冠詞の男性単数と女性単数・その」※英語の「the」。
camino (カミノ)「道」
que (ケ)「関係代名詞・するところの」※先行詞caminoとそれを説明する後ろの節を繋ぐ言葉。
yo (ジョ)「私は」
voy (ボイ)「(私が)行く」※irの直接法現在1人称単数形。なおスペイン語に英語の「v(ヴ)」の音はありません。日本語の「バ行」でOKです。
スペイン語の文法を少しだけ説明します。
英語の動詞の現在形は主語が3人称単数の時にsが付くという変化(例I have →He has)しか起こりませんが、スペイン語の動詞の現在形(直説法)は主語によって6つの形に変化します。例えば「serです」「estar(ある・いる)」「ir行く」「saber知っている・分かる・味がする」は次のように変化します(直接法現在)。
主語代名詞
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ser(セル)
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estar(エスタル)
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ir(イル)
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saber(サベル)
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私
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yo(ジョ)
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soy(ソイ)
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estoy(エストイ)
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voy(ボイ)
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sé(セ)
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君
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tú(トゥ)
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eres(エレス)
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estás(エスタス)
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vas(バス)
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sabes(サベス)
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彼(女)
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él(エル)
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es(エス)
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está(エスタ)
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va(バ)
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sabe(サベ)
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私達
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nosotros
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somos
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estamos
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vamos(バモス)
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sabemos
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あなた達
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vosotros
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sois
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estáis
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vais(バイス)
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sabéis
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彼(女)ら
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ellos
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son
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están
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van(バン)
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saben
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この動詞の変化を見れば誰の行為かがわかるので、スペイン語では特に強調する場合を除き主語が省略されることが多いです。上の歌詞の中では「sabes」の前には「tú(君は)」が、「tengo」の前には「yo(私は)」が省略されてると思ってください。逆にこのすぐ下の歌詞では「eres(君は〜です)」の前に「tú」、「soy(私は〜です)」の前に「yo」を置いています。ここでは「君」と「俺」をあえて強調したいんだなと分かりますよね。
「ser」「ir」などの活用形は歌詞の中でも頻繁に登場しますので、余裕のある方は覚えてみてください。これを知っていると歌詞が理解しやすいです。
歌詞②
トゥ トゥ エレス エル イマン イ ジョ ソイ エル メタル
Tú, tú eres el imán y yo soy el metal
君は磁石で俺は金属
メ ボイ アセルカンド イ ボイ アルマンド エル プラン
Me voy acercando y voy armando el plan
君に近づきながらプランを立てている
ソロ コン ペンサルロ セ アセレラ エル プルソ
Solo con pensarlo se acelera el pulso (Oh yeah)
それを考えるだけで脈が早くなる
ジャ ジャ メ エスタ グスタンド マス デ ロ ノルマル
Ya, ya me está gustando más de lo normal
もう普通じゃないくらい気に入ってる
トドス ミス センティドス バン ピディエンド マス
Todos mis sentidos van pidiendo más
俺の全ての感覚がもっと求めている
エスト アイ ケ トマルロ スィン ニングン アプロ
Esto hay que tomarlo sin ningún apuro
これは焦ることなく進めなければ
単語の意味と発音②
tú (トゥ)「君は」
eres (エレス)「(君は)〜です・原形はser」
el(エル)「定冠詞男性単数形」
imán (イマン)「磁石(男性単数)」
y (イ)「と・そして」
yo (ジョ)「私は」
soy(ソイ)「(私は)〜です」
metal (メタル)「金属(男性単数)」
me (メ)「私を・私に」ですが、ここでは「自分自身が〜する」を意味する再帰代名詞?
voy (ボイ)「(私は)行く」※ir(行く)の1人称単数形だが「voy acercando」で「近づいている」、「voy armando」で「組み立てている」の意味。※「ir」や「estar」などの動詞+「現在分詞(-ando,-iendoの語尾)」で進行形を表します。
acercando (アセルカンド)※acercar(近づく)の現在分詞。
armando (アルマンド)※armar(組み立てる)の現在分詞。
plan (プラン)「計画(男性)」
「Solo con 〜」(ソロ コン)で「〜するだけで」
con (コン)「〜と一緒に」
pensarlo (ペンサルロ)「それを考える」※pensar(考える・思う)の原形+lo(それを)。
se (セ)「自分自身を〜する」※3人称単数形の再帰代名詞で「se acelera」で「それ自身を速める」といった意味。
acelera (アセレラ)「速める」※acelerar(加速する・早める)の3人称単数形。
pulso (プルソ)「脈」
ya (ジャ)「もう・既に」
está (エスタ)「(それが)ある・いる・です」※estarの3人称単数形。
gustando (グスタンド)※gustar(気に入る)の現在分詞で「me está gustando」で「私は気に入っている(〜が私に気に入られている)」の意味。
más (マス)「もっと・より多く」
de (デ)「〜の」
lo (ロ)「〜のこと・それを」
normal (ノルマル)「普通の」
más de lo normalで「通常よりも」
Todos (トドス)「全て」
mis (ミス)「私の」※前から複数の名詞を修飾する「私の」の形。単数形は「mi」。
sentidos (センティドス)「感覚」※sentidoの複数形。
van(バン)「行く」※irの3人称複数形。
pidiendo(ピディエンド)※pedir(頼む、注文する)の現在分詞。
van pidiendoで「求めている」。
Esto (エスト)「これ」
hay(アイ)「〜がある・いる」※haberの三人称単数形だが、「hay que 不定詞」で「〜しなければならない」の意味。
tomarlo(トマルロ)「それを取る・食べる・進む」※tomar(原形)+lo(それを)
hay que tomarlo(アイ ケ トマルロ)で「それを進めなければならない」
sin(スィン)「〜なしに」
ningún(ニングン)「どんな〜もない」
apuro(アプロ)「苦境」※apurar(使い果たす・急がせる)の1人称単数形。
sin ningún apuro(スィン ニングン アプロ)で「急ぐことなく」
スペイン語と日本語の母音はほぼ同じ!
スペイン語の母音は「iイ,eエ,aア,oオ,uウ」の5つ。正確に言うとスペイン語の「ウ」は唇を丸くすぼませるのに対し、日本語の「ウ」は唇を丸くしない母音とされているため若干異なるのですが、日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」とほぼ同じと言っていいです。それから例えば英語のアルファベット「a」は「æ」と発音することもあれば「eɪ」「ə」「ɪ」と発音することもあり必ずこの音で発音するというルールがないのですが、スペイン語では「a」は「ア」としか発音しません。他の母音も同じです。ですので基本的には書いてある綴りをそのままローマ字読みするだけでOKです。アクセントさえ強く発音すれば、それだけでかなりスペイン語の発音に近づけると思います。スペルと発音のずれも基本的になくほぼローマ字読みで、母音も日本語にかなり近いため、スペイン語は日本人にとって発音しやすい言語と言われています。
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歌詞③

(→※1・後で繰り返し)
デスパスィト キエロ れスピラル トゥ クエジョ デスパスィト
Despacito Quiero respirar tu cuello despacito
ゆっくりと、君の首筋でゆっくりと呼吸したい
デハ ケ テ ディガ コサス アル オイド
Deja que te diga cosas al oído
君の耳元で囁かせてくれ
パラ ケ テ アクエルデス スィ ノ エスタス コンミゴ
Para que te acuerdes si no estás conmigo
君が俺と一緒にいなくても覚えているように
デスパスィト キエロ デスヌダルテ ア ベソス デスパスィト
Despacito Quiero desnudarte a besos despacito
ゆっくりと、俺のキスで君をゆっくりと脱がせたい
フィルモ エン ラス パレデス デ トゥ ラベリント
Firmo en las paredes de tu laberinto
君の迷路の壁に記して
イ アセル デ トゥ クエルポ トド ウン マヌスクリト (スベ✕5)
Y hacer de tu cuerpo todo un manuscrito (Sube✕5)
君の身体の全てを原稿にしたい(上がれ✕5)
単語の意味と発音③
Despacito(デスパスィト)「ゆっくり」※日本語では「デスパシート」と表記されますが、正しくは「デスパスィト」。スペイン語の「ci」は「シ(shi,ʃ)」ではなく「スィ(siまたはθi)」の音です。
Quiero (キエロ)「(私は)〜したい・欲しい」※querer(〜したい・ほしい)の直接法現在1人称単数形。「querer+不定詞(原形動詞)」で「〜したい」※スペイン語では「qui」の綴で「キ」と読みます。
respirar (れスピラル)「呼吸する」※respirarの原形。※スペイン語では「r」で始まる単語・「rr」の綴は巻き舌で発音することになっています。「れ」は巻き舌です。
tu (トゥ)「君の」
cuello (クエジョ)「首」※スペイン語では「ll」の綴は「ジャ行」また「ヤ行」で発音します。地域によって異なるそうですが、スペイン語圏ではあまり明確に区別されていないそうです。ここでは「ジャ行」で統一しますが、どちらで発音してもいいと思います。
Deja (デハ)「〜させて」※dejar(残す・置いておく・させておく)の命令法2人称単数形?
※スペイン語では「j」は「ハ行」。
te (テ)「君に・きみを」
que te diga(ケ テ ディガ)「(私が)君に言う」※decir(言う)の接続法現在1人称単数形。直接法が事実を客観的に述べる表現であるのに対して、接続法は想像や希望などを主観的に述べる表現。英語にはない表現です。
cosas (コサス)「物・事」
al (アル)「〜に、で」※前置詞「a(に・で)」と定冠詞「el」の結合形
oído (オイド)「耳」
Para (パラ)「〜のために・まで」
que te acuerdes(ケ テ アクエルデス)「(君が)覚えている」※acordar(覚えている・思い出す)の接続法現在2人称単数形。
Para que te acuerdesで「君が覚えているように」
si (スィ)「もし〜なら」
no (ノ)「ない」
estás (エスタス)「(君が)ある・いる・です」
conmigo (コンミゴ)「私と・私に」
si no estás conmigoで「君が私と一緒にいないなら」
※実際に歌ってみたところこの辺りは難しいと感じました。
desnudarte (デスヌダルテ)「君を脱がせる」※desnudar(服を脱がせる)の原形+te(君を)
a (ア)「〜で、に」
besos (ベソス)「キス(男性複数形)」
Firmo (フィルモ)「(私が)署名する」※firmar(署名する)の直接法現在1人称単数形。
en (エン)「〜の中に・に・で」
los,las (ロス,ラス)「定冠詞の男性複数,女性女性」※英語の「the」
paredes (パレデス)「壁」
de (デ)「の」
tu(トゥ)「君の」
laberinto (ラベリント)「迷宮・迷路」
Y (イ)「そして」
hacer (アセル)「作る・する・させる」※hacerの原形なので2行前のQuiero(〜したい)がかかっているのかもしれません。違ったらごめんなさい。
cuerpo (クエルポ)「身体」
todo (トド)「全ての」
manuscrito (マヌスクリト)「(手書きの)原稿」
(sube)(スベ)「上がれ」※subir登る・上がるの命令法2人称単数形。
特殊な読み方のスペイン語!
母音に関してはローマ字読みでOKなのですが、子音に関しては一部ローマ字とは異なるルールがありますので重要なものを紹介します。
①「g」は「ガ行」と「ハ行」がある。
「ga,gu,go」は「ガ,グ,ゴ」だが「gi,ge」は「ヒ,へ」。
例lugares(ルガレス)「場所」
例los ángeles(ロス アンヘレス)「ロサンゼルスのスペイン語読み(実はもともとスペイン語の地名)」
②「h」はどんな場合でも発音しない。
例hacer (アセル)「作る・する」
③「j」は「ハ行」で発音。
例Deja (デハ)「〜させて」
④「ll」の綴は「ジャ行」または「ヤ行」。僕は「ジャ行」で発音していますが、どちらでもいいと思います。好きな方で発音してみてください。
cuello (クエジョ)「首」
⑤英語にはない文字「ñ」は「ニャ行」を表す。
enseñes(エンセニェス)「教えて」
⑥「r」は英語の「r」ではなく日本語の「r」でok。ただし「rr」の綴や「語頭のr」は巻き舌で発音する。巻き舌で発音する「ラ行」をひらがなの「ら行」で記載しています。
例rato (らト)「短時間」(語頭のrなので巻き舌)
⑦スペイン語に英語の「vヴ」の音はない。「v」は日本語の「バ行」でok。つまり「b」と同じ音。
例voy (ボイ)「(私が)行く」
⑧「y」は「ジャ行」または「ヤ行」で発音されるが語末では「イ」の音。
例yo (ジョ)「私は」
例soy(ソイ)「(私は)〜です」
⑨「z」は「ザ行」ではなく「サ行(sまたはθ)」。
zonas (ソナス)「地帯・地域」
スペイン語の発音のルールとアルファベットの読み方はこちらのページにまとめてあります。
歌詞④

キエロ ベル バイラル トゥ ペロ キエロ セル トゥ りツモ
Quiero ver bailar tu pelo Quiero ser tu ritmo
君の髪が踊るのを見たい、君のリズムになりたい
ケ レ エンセニェス ア ミ ボカ
Que le enseñes a mi boca
俺の唇に教えて
トゥス ルガレス ファボリトス
Tus lugares favoritos (favoritos, favoritos baby)
君のお気に入りの場所を
デハメ ソブレパサル トゥス ソナス デ ペリグロ
Déjame sobrepasar tus zonas de peligro
君の「危険地帯」を越させて
アスタ プロボカル トゥス グリトス
Hasta provocar tus gritos
君の叫びを起こさせるまで
イ ケ オルビデス トゥ アペジド
Y que olvides tu apellido (Diridiri, dirididi Daddy)
そして君の姓を忘れて
(ここまで※1←)
単語の意味と発音④
Quiero (キエロ)「(私が)〜したい」
ver (ベル)「見る」※verの原形
bailar (バイラル)「踊る」※原形
tu (トゥ)「君の」
pelo (ペロ)「髪」
ser (セル)「です」※serの原形
ritmo (りツモ)「リズム」※語頭の「r」なので巻き舌。
Que enseñes(ケ エンセニェス)「(君が)教えて(ほしい)」※enseñar(教える)の接続法現在2人称単数形。※「ñ」は英語にはない文字で「ニャ行」の子音を表します。
le(レ)「それに」
a (ア)「〜に、で」
mi (ミ)「私の」※スペイン語の所有詞は修飾する名詞の性と数、名詞の前から修飾するか後ろから修飾するかによって形が変わります。同じ「私の」「君の」でもいろんな形が存在すると思ってください。前から修飾する「私の」は単数形がmiで複数形がmis。
boca (ボカ)「口(女性名詞)」※スペイン語の名詞はoで終わるものは男性名詞で、aで終わるものは女性名詞。
Tus (トゥス)「君の」※前から修飾する「君の」は名詞が単数の時はtuで複数の時はtus。
lugares (ルガレス)「場所(男性名詞)」※rugar(場所)の複数形。※スペイン語の複数形は母音で終わる名詞はsを付け、子音で終わる名詞はesを付けることになっています。
favoritos (ファボリトス)「お気に入りの」※スペイン語の形容詞は修飾する名詞の性と数に合わせて語尾が変化します。修飾する名詞が男性単数ならばfavorito、女性単数ならばfavorita、女性複数ならばfavoritas、となります。
Déjame (デハメ)「私にさせて」※dejar(残す・置いておく・させておく)の命令法2人称単数形deja+me(私に)。
sobrepasar (ソブレパサル)「上回る・勝る」※原形。
zonas (ソナス)「地帯・地域(女性複数形)」※スペイン語では「z」は「サ行」の音。
de(デ)「の」
peligro (ペリグロ)「危険(男性)」
Hasta (アスタ)「まで」
provocar (プロボカル)「挑発する・生じさせる」※原形。
tus (トゥス)「君の」
gritos (グリトス)「叫び(男性複数形)」
Y(イ)「そして」
que olvides (ケ オルビデス)「(君が)忘れて()
ほしい)」※olvidar(忘れる)の接続法現在2人称単数形(心の中を主観的に述べる表現)。
tu(トゥ)「君の」
apellido(アペジド)「姓・名字」
※このあたりが最も卑猥な歌詞かもしれないです。
アクセントのルールをちょっと解説!
スペイン語の単語には各単語に一箇所ずつアクセントと呼ばれる箇所があり、そこを「強く」発音することになっています。英単語の場合明確なルールがないため辞書を引かなければ正しいアクセントは分かりませんが、スペイン語の場合明確なルールが決まっており辞書を引かなくても正しいアクセントの位置がわかる仕組みになっています。そのルールは3つだけ。
①「母音,s,n」で終わる単語は後ろから2番目の母音がアクセント。
例「Despacito」(デスパスィト・ゆっくり)
例「eres」(エレス・です)
②「それ以外の子音」で終わる単語は一番後ろの母音がアクセント。
例「metal」(メタル・金属)
例「bailar 」(バイラル・踊る)
③それ以外の場所にアクセントを置く場合は「アクセント記号」をつけることになっている。
例「está」(エスタ・ある・いる・です)
例「imán」(イマン・磁石)
つまりスペイン語の単語における「á」などのアクセント記号は単語のアクセント箇所を表します。分かりやすいようにアクセント箇所を太字にしておきました。なお英語のアクセントは「強く長く」ですが、スペイン語におけるアクセントは「強く」のみで伸ばさないことになっているので少し注意してください。
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歌詞⑤

スィ テ ピド ウン ベソ ベン ダメロ
Si te pido un beso ven dámelo
君にキスしてくれと頼んだら、キスをしに来て
ジョ セ ケ エスタス ペンサンドロ
Yo sé que estás pensándolo
君がそれを考えているのを俺は知ってる
ジェボ ティエンポ インテンタンドロ
Llevo tiempo intentándolo
しばらくそれを試みている
マミ エスト エス ダンド イ ダンドロ
Mami, esto es dando y dándolo
ねぇマミ、これが与え合いだ
サベス ケ トゥ コラソン コンミゴ テ アセ バン バン
Sabes que tu corazón conmigo te hace bom, bom
俺と一緒にいると君の心臓がドキドキするの分かってるだろ
サベス ケ エサ ベバ エスタ ブスカンド デ ミ バン バン
Sabes que esa beba está buscando de mi bom, bom
その彼女(beba)が俺のドキドキを探しているの分かってるだろ
ベン プルエバ デ ミ ボカ パラ ベル コモ テ サベ
Ven prueba de mi boca para ver cómo te sabe
どんな味か見るために俺の唇を試しに来な
キエロ キエロ キエロ ベル クアント アモル ア ティ テ カベ
Quiero, quiero, quiero ver cuánto amor a ti te cabe
君にどれだけの愛が収まるのか見たい、見たい、見たいんだ
ジョ ノ テンゴ プリサ ジョ メ キエロ ダル エル ビアへ
Yo no tengo prisa, yo me quiero dar el viaje
俺は急いでない、旅をしたいんだ
エンペセモス レント デスプエス サルバへ
Empecemos lento, después salvaje
ゆっくり始めよう、その後はワイルドに
単語の意味と発音⑤
Si (スィ)「もし〜なら」
te (テ)「君に」
pido (ピド)「(私が)尋ねる・頼む」※pedirの1人称単数形。
beso (ベソ)「キス」
ven (ベン)「(君が)来て」※venir(来る)の命令法2人称単数形。
dámelo (ダメロ)「私にそれを与えて」※dar(与える・する)の命令法2人称単数形da+me(私に)+lo(それを)
Yo(ジョ)「私は」
sé (セ)「(私は)知っている」※saber(知っている)の直接法現在1人称単数形。
que(ケ)「〜ということ」を意味する接続詞。
estás (エスタス)「(君が)ある・いる・です」※estarの2人称単数形。
pensándolo(ペンサンドロ)※pensar(考える)の現在分詞pensando+lo(それを)。
estás pensándolo (エスタス ペンサンドロ)「(君が)それについて考えている」
llevo (ジェボ)「(私は)持つ・導く」※llevarの1人称単数形。
tiempo (ティエンポ)「時・時間」
intentándolo(インテンタンドロ)※intentar(試みる)の現在分詞intentando+lo。
Llevo intentándolo で「それを試みている」
Mami, (マミ)「女性に対する呼びかけらしい」
esto (エスト)「これ」
es (エス)「です」※ser(です)の3人称単数形。
dando (ダンド)はdar「与える・する」の現在分詞。
es dando y dándoloで「それを与え合っている」?
Sabes (サベス)「(君が)知っている・分かっている」※saberの直接法現在2人称単数形。
que(ケ)「〜ということ」を意味する接続詞。
tu(トゥ)「君の」
corazón (コラソン)「心臓」
conmigo (コンミゴ)「私と」
hace (アセ)「する・させる・作る」※hacerの3人称単数形。
esa (エサ)「その」
beba (ベバ)「baby?文脈からすると彼女かその心臓?」
está (エスタ)「(それが)ある・いる・です」※estarの3人称単数形。
buscando(ブスカンド)※buscar(探す)の現在分詞。
está buscando (エスタ ブスカンド)で「(それが)探している」
ven (ベン)「(君が)来て」※venir(来る)の命令法2人称単数形。
prueba (プルエバ)「実験・試験」
boca (ボカ)「口・唇」
para (パラ)「〜のために」
ver(ヴェル)「見る」※原形
cómo (コモ)「どのように・なぜ」
sabe (サベ)「味を見て・知って」※saberの3人称単数形。
※この辺りは正確に発音するのが難しいです。
Quiero, (キエロ)「〜したい」
ver (ベル)「見る」※原形
cuánto (クアント)「いくつの・どれだけ」
amor (アモル)「愛」
a (ア)「〜に、で」
ti (ティ)「tú(君は)のこと」※代名詞が前置詞の後ろに来るときはtúがtiになるというルールがあります。
te (テ)「君に」
cabe (カベ)「(それが)入る」※caberの(入る・あり得る)の3人称単数形。
yo(ジョ)「私は」
no(ノ)「〜ではない」
tengo (テンゴ)「(私は)持つ」※tenerの直接法現在1人称単数形。
prisa, (プリサ)「急ぎ」
dar(ダル)「与える・する」※原形。
viaje (ビアへ)「旅」
Empecemos (エンペセモス)「(私達は)始めよう」※empezar始めるの命令法 1人称複数形。
lento (レント)「遅い・ゆっくりした」
después (デスプエス)「後で・次に」
salvaje (サルバへ)「野生の」
日本語で歌うことも可能だった!
この「デスパシート」は世界各国でカバーされましたが、実は日本においても複数の日本語カバー曲が作られています。以前大谷翔平さんが日本語歌詞の「デスパ シート」をカラオケで歌ったことでも有名ですよね。調べてみるとそれぞれ オリジナリティが加えられておりなかなか面白かったです。中には女性版「デスパシート」なんてものもありましたよ。
韓国人歌手は原曲でカバーしている!
日本では複数のアーティストが「デスパシート」を日本語歌詞でカバーしているのですが、お隣韓国では原曲スペイン語でカバーされておられる方が多かったです。今回ご紹介したのは次の6組。
①KHAN(ユナ・キムとチョン・ミンジュ)さん
②(G)I-DLE(ウギとミヨン)さん
③FORESTELLAさん
④キム・ヒョンジュンさん
⑤JeA(ジェア)さん
⑥J.Fla(ジェイフラ)さん
中にはため息が出るほどうまい方もいらっしゃいました。
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歌詞⑥
パスィト ア パスィト スアべ スアベスィト
Pasito a pasito, suave suavecito
一歩一歩、そっとなめらかに
ノス バモス ペガンド ポキト ア ポキト
Nos vamos pegando poquito a poquito
少しずつ寄り添っている
クアンド トゥ メ ベサス コン エサ デストゥレサ
Cuando tú me besas con esa destreza
君が器用に俺にキスする時
ベオ ケ エレス マリスィア コン デリカデサ
Veo que eres malicia con delicadeza
繊細な悪意があるのもわかる
パスィト ア パスィト スアべ スアベスィト
Pasito a pasito, suave suavecito
一歩一歩、そっとなめらかに
ノス バモス ペガンド ポキト ア ポキト
Nos vamos pegando, poquito a poquito
少しずつ寄り添っている
イ エス ケ エサ ベジェサ エス ウン ろンペカベサス
Y es que esa belleza es un rompecabezas
その美しさはパズルだ
ペロ パ モンタルロ アキ テンゴ ラ ピエサ
Pero pa montarlo aquí tengo la pieza
だがそれを組み立てるピースは俺がここに持っている
(※1繰り返し)
単語の意味と発音⑥
Pasito (パスィト)「小さな一歩・そっと・静かに」
a(ア)「〜に・で」
suave (スアべ)「なめらかな,そっと」
suavecito (スアベスィト)「suaveと同じ意味の柔らかい表現らしい」
Nos (ノス)「私達を」※ここでは「自分自身を〜する」といった意味合いの再帰代名詞になると思います。
vamos (バモス)「(私たちが)行く」※ir(行く・するつもりである)の直接法現在1人称複数形。
pegando(ペガンド)※pegar(貼り付ける・くっつける)の現在分詞。
Nos vamos pegando (ノス バモス ペガンド)で「自分自身をくっつけている」といった意味だと思います。
poquito (キテト)「ほんの少し」
Cuando (クアンド)「〜する時」
tú (トゥ)「君が」
me (メ)「私に」
besas (ベサス)「(君が)キスする」※besar(キスする)の2人称単数形。
con (コン)「〜と一緒に、で」
esa (エサ)「その」
destreza (デストゥレサ)「巧妙さ・器用」
Veo (ベオ)「(私は)見る・わかる」※ver(見る・分かる)の1人称単数形。
que (ケ)「関係代名詞・するところの」
eres (エレス)「(君は)です・ある」※serの直接法現在2人称単数形。
malicia (マリスィア)「悪意」
delicadeza(デリカデサ)「繊細さ」
es(エス)「(それは)です・ある」※serの3人称単数形。
belleza (ベジェサ)「美しさ・美人」
un(ウン)「一つの・ある」
rompecabezas (ろンペカベサス)「パズル・難問(男性・単複同形)」※語頭の「r」なので巻き舌。
※この辺りは僕は正確に発音できないのでごまかして歌ってます。
Pero (ペロ)「しかし」
paはpara(〜のために)
montarlo (モンタルロ)「それを組み立てる・乗る」※montar(乗る・組み立てる)の原形+lo(それを)
aquí (アキ)「ここに」
tengo(テンゴ)「(私が)持つ」tenerの1人称単数形。
la(ラ)「定冠詞女性単数」
pieza (ピエサ)「部品」
歌詞に登場する冠詞や前置詞をまとめておきました!
〈冠詞〉
単数
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複数
|
|
不定冠詞 男性
|
un
|
unos
|
不定冠詞 女性
|
una
|
unas
|
定冠詞 男性
|
el
|
los
|
定冠詞 女性
|
la
|
las
|
〈前置詞〉
a
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〜に、で
|
en
|
〜の中に、で
|
de
|
の
|
con
|
〜と一緒に、で
|
sin
|
〜なしで
|
para
|
〜のために、まで
|
hasta
|
〜まで
|
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歌詞⑦

デスパスィト バモス ア アセルロ エン ウナ プラジャ エン プエルト りコ
Despacito Vamos a hacerlo en una playa en Puerto Rico
ゆっくりと、プエルトリコの砂浜でやろう
アスタ ケ ラス オラス グリテン アイ ベンディト
Hasta que las olas griten “¡ay, bendito!”
波が「ああ、幸あれ!」って叫ぶまで
パラ ケ ミ セジョ セ ケデ コンティゴ
Para que mi sello se quede contigo
俺の印が君に残るように
パスィト ア パスィト スアべ スアベスィト
Pasito a pasito, suave suavecito
一歩一歩、そっとなめらかに
ノス バモス ペガンド ポキト ア ポキト
Nos vamos pegando, poquito a poquito
少しずつ寄り添っている
ケ レ エンセニェス ア ミ ボカ
Que le enseñes a mi boca
俺の唇に教えて
トゥス ルガレス ファボリトス
Tus lugares favoritos (favoritos, favoritos baby)
君のお気に入りの場所を
パスィト ア パスィト スアべ スアベスィト
Pasito a pasito, suave suavecito
一歩一歩、そっとなめらかに
ノス バモス ペガンド ポキト ア ポキト
Nos vamos pegando, poquito a poquito
少しずつ寄り添っている
アスタ プロボカル トゥス グリトス
Hasta provocar tus gritos
君が叫びを起こさせるまで
イ ケ オルビデス トゥ アペジド
Y que olvides tu apellido (DY)
そして君の姓を忘れて
デスパスィト
Despacito
ゆっくり
単語の意味と発音⑦
「Vamos(irの1人称複数形) a 動詞」で「〜しましょう」※英語のlet’s〜に相当。
hacerlo (アセルロ)「それを行う・する・させる」※hacer(する・作る)の原形+lo
en(エン)「〜の中に・で」
una(ウナ)「不定冠詞女性」
playa (プラジャ)「海岸・砂浜(女性)」
Puerto Rico (プエルト りコ)「プエルトリコ」
※ここも発音ごまかして歌ってます。
Hasta (アスタ)「まで」
olas (オラス)「波(女性複数形)」
griten (グリテン)「叫ぶ」
que griten(ケ グリテン)「(それらが)叫ぶ」※gritar(叫ぶ)の接続法現在3人称複数形。
ay (アイ)「ああ」などの驚き
bendito (ベンディト)「祝福された・幸福な」
Para (パラ)「〜のために・まで」
sello (セジョ)「切手・印(男性単数形)」
se(セ)「自分自身を〜する」という意味合いの3人称単数形の再帰代名詞。
que quede(ケ ケデ)「(それは)残しておく」※quedar(残る)の接続法現在3人称単数形。
contigo (コンティゴ)「君と」
enseñes(エンセニェス)「教えて」
lugares (ルガレス)「場所」
favoritos (ファボリトス)「お気に入りの」
provocar (プロボカル)「挑発する・生じさせる」
gritos (グリトス)「叫び」
olvides (オルビデス)「忘れさせて」
apellido(アペジド)「姓・名字」
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個人的な感想!
今までいろんなところでこの歌は聞いたことがあったのですが、どんな歌なのかをじっくり調べたことはありませんでした。
今回自分で翻訳して歌詞を吟味してみて正直驚きました。
……こんなに卑猥な内容だったのか、と😅
出会ったばかりの女性に対してあんなこともしたい!こんなこともしたい!
と情熱的なお誘い(アプローチ)の限りを尽くします。
Quiero(キエロ)というのがQuerer(〜したい・ほしい)の1人称単数(私が)の形なのですが、歌詞がキエロだらけなのですよね。しかもエロい内容ばかりをキエロ(したい)して😅。
人間の本能に素直で分かりやすいのと言えば分かりやすいのですが、僕はもうちょっと奥ゆかしい歌が好きです。
途中でも少し触れましたが、この「デスパシート」は韓国ではスペイン語の原曲をカバーされておられる方が多いです。中にはこの「デスパシート」のカバーだけで再生回数2億回を超えるすごい歌唱力の方もいらっしゃいます。
それに対し、日本では複数の日本語のカバー曲が作らていますが、スペイン語でカバーされておられる方はあまりいらっしゃいませんでした。
これは韓国の音楽の市場が小さいのに対し、日本語の音楽の市場は一定の規模があるという事情もあるようですが、日本と韓国におけるアーティストの音楽に対する意識の差も少し感じます。
日本語で歌っている限りは基本的に日本人しか聞いてくれません。
これを続けている限り、日本語・スペイン語を含めたいろんな言語に挑戦するK – POPに追いつくことすら厳しい気がします。
日本人ももう少し外国語で歌うことに積極的にチャレンジしてほしい。
そんなことを少し思いました。
それでお元気で。
ハク
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