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このクルアーンは、ムハンマドの断片的な預言を別の人物が半ば強引に一冊の本に編集しているところがあるため、一貫性がある物語があるわけではありません。 本当は第1章から本の順番通りに重要なものを紹介していきたかったのですが、同じテーマの話題があちらこちらに飛び散っているため、読んでいても結局言いたいことが伝わってきません。そこでテーマごとにクルアーンの重要な記述を抜粋して説明を加えるというやり方で紹介していきたい思います。
まず全体の理解を深めるためにも、1ページ目のクルアーンの内容や世界観、12ページ目で預言者たちの繋がりをざっくりと把握しておくことをおすすめします。その上でイスラム教の教義の根幹に関わる 3ページ目「なぜメッカのカアバ神殿が聖地なのか?」を4ページ目「なぜイエスは神ではないのか?」を読んでみるとよく理解できると思います。
ですが、それよりも大事なクルアーンの最重要テーマが「アッラーフが裁きの日の主催者」であり、死後の世界の権限の全てを握っている、ということになります。 そのテーマを扱っているのが1ページ目と8ページ目になりますが、8ページ目で死後の世界である「天地終末、復活、最後の審判」を確認した上で、1ページ目のアルファティハ(最重要章) 読んでいただければと思います。この第1章アルファティハ(開扉の章)は、イスラム教の礼拝の際に必ず唱えるものになりますが、アラビア語で覚えられるように工夫してありますので、是非挑戦してみてください。
5の食事については豚肉、酒の禁止、ラマダンなどのルールがありますが、 これには食料の安定確保や病気の防止、社会秩序の維持の他、イスラム教徒の結束力を強めるといった裏の理由もあるようです。
7の聖戦とジハードの違いをざっくり言うと、ジハードとは本来「神の道(信仰)のためのすべての努力」であり、聖戦も含むがより範囲が広い、ということになります。そしてクルアーンを読む限り、聖戦で死んだ者は天国へ行けるが、行き過ぎた殺戮やテロなどの不義を働くと、聖戦から外れ天国へはいけなくなると解釈できます。
9の天国では、オアシスのような空間に蜜、乳、美酒の川、食べ放題の肉と果物、そして愛情細やかな若い妻たちとの永遠に続く楽園生活が約束されます。
一方10の地獄では、7つの階層に罪によって分けられた人々は、ジャハンナムと呼ばれる火炎地獄で永遠の罰を受けることになっています。
また11ページ目では、他のページのテーマから漏れたものや、「ホントに神様がこれを言ったの?」と思えるような、ちょっとびっくりな預言なども取り扱っています。興味のある方は覗いてみて下さい。
クルアーン本文は難解で分かりづらい表現が多いので、分かりやすい表現に微妙に修正していきます。ご了承ください。
主な参考文献: 井筒俊彦著「コーラン」「コーランを読む」