スペイン語の月と曜日の読み方と由来をまとめてみた!【カタカナ・発音のルール・暦の歴史付き!】

¡Hola!(オラ・こんにちは!)
¿cómo estás?(コメエスタス・お元気ですか?)
 
 
スペイン語の「月」と「曜日」の読み方と由来をまとめてみました!
発音のルールや元となった暦の歴史・ギリシャ神話についてもまとめてみましたので、併せて読んでいただきたいです。
 
スペイン語は母音が日本語と近くかつローマ字読みに近いため、日本人にとって発音のしやすい言語になりますが、正しく発音するためにはいくつか知っておかなければならないルールがあります。
 
まずスペイン語の単語には各単語に一箇所ずつ「アクセント」と呼ばれる箇所があり、そこを「強く」発音するというルールになっています。原則的には後ろから2番目の音節がアクセント箇所になりますが、例外も存在するためアクセント箇所を太字にしておきました。
 
その他のルールはその都度簡単に説明していきます。
 
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1月〜12月

スペイン語の「月」は英語と同じで「ローマ神話」を主な語源とするため、英語とスペルが近いのが特徴です。ですが発音の仕組みが異なるため同じようには聞こえません。
 
スペル
発音
備考
1月
enero
語尾が「母音かs,n」で終わる単語は後ろから2番目の音節がアクセント箇所となる。なおこのページで紹介する単語は「4月」以外は全て「母音かs,n」で終わる。
2月
febrero
フェブ
西語の「r」の発音は英語の「r」とは異なり、上歯茎のやや後ろを舌先で一瞬はじく「はじき音」。日本語の「ラ行」に近く、特に「ら」「ろ」と発音が似ている。
3月
marzo
ルソ
西語の「z」は「ザ行」ではなく「サ行」。南米では「s」の音になるが、スペインでは「th(θ)」の音になる。
4月
abril
アブ
西語では子音で終わる単語は最後の音節がアクセント箇所となる。4月はこの中では唯一子音で終わる単語。
5月
mayo
ジョ
西語では「y」は「ヤ行」ではなく「ジャ行」。「yo」で「ジョ」と発音する。
6月
junio
ニオ
西語では「j」は「ジャ行」ではなく「ハ行」。「ju」で「フ」と発音する。
7月
julio
リオ
西語の「l」は「側面接近音(側音)」と呼ばれる発音で、舌先を上前歯の裏につけ息を舌の両側から出しながら発音する音。歯茎の上を一瞬はじく西語の「r」の音や日本語の「ラ行」とも異なり、「ウ」に近く聞こえる。
8月
agosto
スト
「g」は「gi,ge」は「ハ行」だが、「ga,gu,go」は「ガ行」。
9月
septiembre
セプティンブレ
西語の母音は「a,e,i,o,u」だが、「a,e,o」が「強母音」で「i,u」が「弱母音」。両者が連続すると「弱母音」が弱音化して2重母音となる。「ie」→「ィエ」
10月
octubre
オクトゥブレ
西語の「u」は日本語の「ウ」よりも口をすぼませる。
11月
noviembre
ノビンブレ
西語に英語の「vヴ」の音はない。西語の「v」は「ブ」の音で「b」と同じ。
12月
diciembre
ディスィンブレ
西語の「c」には「カ行」と「サ行」がある。「ca,cu,co」は「カ,ク,コ」と発音し、「ci,ce」は「スィ,セ」と発音する。
 
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月曜日〜日曜日

英語の「曜日」は主に「北欧神話」を語源としているのですが、スペイン語の「曜日」は主に「ローマ神話」を語源としています。ですので基本的に英語とは別物だと思ってください。
 
曜日
スペル
発音
備考
月曜日
lunes
ネス
「l」は舌先を上前歯の裏につけ息を舌の両側から出しながら発音する「側面接近音(側音)」。
火曜日
martes
ルテス
「r」は上歯茎のやや後ろを舌先で一瞬はじく「はじき音」で日本語の「ラ行」に近い。
水曜日
miércoles
ルコレス
西語では語末が「母音かs,n」の場合は後ろから2番目の音節、語末が子音の場合は最終音節にアクセントが置かれる(原則)が、それ以外の場所にアクセントが置かれる場合はアクセント符号(é)を付けることになっている。
木曜日
jueves
ベス
「j」は「ジャ行」ではなく「ハ行」。
金曜日
viernes
ルネス
「v」は「ヴ」ではなく「ブ」の音。
土曜日
sábado
バド
原則とは異なる場所にアクセントが置かれる場合にアクセント符号をつける。発音が変わるわけではない。
日曜日
domingo
ンゴ
「gi,ge」は「ハ行」だが、「ga,gu,go」は「ガ行」。
 
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月の由来と語源のまとめ!

英語もスペイン語も「月」に関しては古代ローマで使われたラテン語の暦を元にしているのですが、実はこの古代ローマの暦はいろんなものが混ざっています。ざっくり言うと1月から6月までが「ギリシャ・ローマ神話の神様」が由来で、7月8月は古代ローマの「人名」9月から12月まではラテン語の「番号」が由来となっています。なぜそんなことになってるのかはもうちょっと下でお話しします。
 
語源と由来
1月
ローマ神話の扉の神「ヤーヌス」が語源。前後一対の顔を持つ双面神で、始まりと終わりや出入り口を司ることから1月の神となったとされる。ギリシャ神話には登場しない神。
2月
ローマ神話の死と純化の神「フェブルウス」が語源。古代ローマで毎年2月に行われた慰霊祭「フェブルアーリア」の主神とされる。紀元前735年に作られた最初期の「ロームルス暦」は3〜12月までの10ヶ月間しかなく、紀元前700年頃に作られた「ヌマ暦」によって1月と2月が追加された。
3月
ローマ神話の戦いと農耕の神「マルス」が語源。英語名は「マーズ」でギリシャ神話では「アレス」。6月の女神「ユノ」の子供。ギリシャ神話では荒々しい神様として描かれたが、ローマ神話ではローマ建国者「ロームルス」の父親とされ主神に近い扱いとなる。4月の「アプロディテ(ヴェヌス)」とは恋人。紀元前735年に作られた最初期の「ロームルス暦」は農耕を行わない1月と2月は空白期間で、3月が一年の始まりだった。
4月
ギリシャ神話の愛と美の女神「アプロディテ」が語源。英語名は「ヴィーナス」でローマ神話では「ヴェヌス」。天空神「ウラヌス」の切り落とされた男根についた泡(アプロス)から誕生した女神。「ウゥルカヌス」と結婚するが3月の「アレス」と愛人関係になる。
5月
ローマ神話の春と豊穣の女神「マイア」が語源。「マイア」の祭日5月1日は供物が捧げられ、これがヨーロッパにおける「メーデー」の起源になる。
6月
ローマ神話の結婚と出産の女神「ユノ」が語源。英語名は「ジュノ」でギリシャ神話では「ヘラ」。「サトゥルヌス」と「オプス」の娘で、最高神「ユピテル」とは姉弟であり夫婦。「マルス」や「ウゥルカヌス」の母で、英語の6月の花嫁「ジューンブライド」の語源にもなる。6月までがギリシャ・ローマ神話の神々が語源。
7月
7月と8月は古代ローマの人名が由来。紀元前735年に定められた最初の暦「ロームルス暦」では3月を1年の初めと考えていたため、元々ラテン語で5番目の月を意味する「Quintilis」と呼ばれていた。しかし古代ローマの政治家「ユリウス・カエサル」が自分の誕生月に自分の名前を付けたため「juliusユリウス」に変更された。
8月
「ロームルス暦」ではラテン語で6番目の月を意味する「Sextilis」と呼ばれていた。しかし初代ローマ皇帝「アウグストゥス」が同じように自分の誕生日に自分の名前を付けたため「Augustusアウグストゥス」に変更された。
9月
紀元前735年の当初からラテン語で7番目の月を意味する「September」と呼ばれており、これが語源となっている。英語ではそのままスペルに取り込まれた。
10月
「ロームルス暦」の段階からラテン語で8番目の月を意味する「October」と呼ばれており、これが語源となっている。なお9月から12月は、英語ではラテン語のスペルがそのまま取り込まれている。
11月
ラテン語で9番目の月を意味する「November」が語源。
12月
ラテン語で10番目の月を意味する「December」が語源
 
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曜日の語源と由来のまとめ!

既に触れましたが、曜日はスペイン語では月と同じで主に「ローマ神話」を語源としているのに対し、英語では主に「北欧神話」を語源としています。しかし土日に関しては少し変則的で、スペイン語ではユダヤ・キリスト教関連の言葉が語源となっています。
 
曜日
語源と由来
月曜日
ローマ神話の月の女神「ルナ」が語源。ギリシャ神話では「セレネ」で、太陽神「ソル」の妹。なお英語の語源は北欧神話の月の神「マニ」。
火曜日
ローマ神話の戦争と農耕の神「マルス」が語源。ギリシャ神話では荒々しい神様だが、ローマ神話では主神に近い扱いとなる。火星を担当する神でもあり、ロマンス諸語では「月」「曜日」「惑星」の3刀流で活躍する。なお英語の火曜日の語源は北欧神話の軍神「テュール」。
水曜日
ローマ神話の商人と旅の神「メルクリウス」が語源。英語名は「マーキュリー」でギリシャ神話では「ヘルメス」。水星の神様。ギリシャ神話では「ゼウス」と「マイア」の子供とされる。この「マイア」は5月を担当するローマ神話の女神「マイア」とは本来無関係だったが、後に混同されるようになる。なお英語の水曜日の語源は北欧神話の最高神「オーディン」。
木曜日
ローマ神話の最高神「ユピテル」が語源。英語名は「ジュピター」でギリシャ神話では「ゼウス」。農耕の神「サトゥルヌス(クロノス)」と「オプス(レア)」の子供で、6月の女神「ユノ」とは姉弟であり夫婦。ギリシャ神話では父「クロノス」を倒して第3世代の支配者となり、天と地を統べる最高神としてオリュンポス山に君臨する。なお英語の木曜日の語源は北欧神話の雷神「トール」。
金曜日
ローマ神話の愛と美の女神「ヴェヌス」が語源。英語名は「ヴィーナス」でギリシャでは「アプロディテ」。金星を担当する神でもあり、「マルス」同様に「月」「曜日」「惑星」の3刀流で活躍する神様。なお英語の金曜日の語源は北欧神話の愛と美の女神「フリッグ」。
土曜日
スペイン語の土曜日の語源がラテン語で安息日を意味する「Sabbatum」であるのに対し、英語の土曜日の語源はローマ神話の時と農耕の神「サトゥルヌス」(ギリシャ神話ではクロノス)。スペイン語はキリスト教由来の言葉であるのに対し、英語はローマ神話由来になってる。
日曜日
日曜日もキリスト教由来の言葉。ラテン語で主の日を意味する「dies Dominicus」が語源。英語は北欧神話の太陽神「ソル」が語源(ローマ神話の太陽神も「ソル」)。
 
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西洋における暦の歴史を簡単に解説!

ここからは興味のある方だけで結構です。
 
西洋における各月の呼称は、紀元前735年に古代ローマで制定された「ロームルス暦」が起源となっています。これはローマ建国初代王ロームルスによって定められたとされていますが、人間の妊娠期間を1年としたため10ヶ月しかなく、農耕を行わない現在の1月と2月は空白期間となっていました。この時古代ローマ人は、最初の4か月(現在の3月〜6月)にギリシャ・ローマ神話の神々の名を当て、後半の6ヶ月(現在の7月から12月)に5〜10のラテン語の番号を当てました
 
しかしこの暦では季節とのズレが激しく人々の不満が多かったため、紀元前700年頃2代目の王ヌマによって太陰暦1年12ヶ月(現在の1月2月を追加)とした「ヌマ暦」が制定されます。しかしこの暦も一年が355日しかなく、やがて神官たちが勝手に閏月などを挿入したため暦は不統一でバラバラな状態に陥ります。
 
これを太陽暦1年365日としたのが古代ローマの政治家「ユリウス・カエサル(紀元前100年〜紀元前44年)」。彼は1ヶ月が30日と31日が交互になるように並べ、「ヌマ暦」の最終月である2月を29日として調整します。さらに彼は自分の誕生月である現在の7月に自身の名前を付け、「juliusユリウス」としてしまいました。これが「ユリウス暦」(紀元前47年)になります。
 
その少し後、ローマ帝国初代皇帝「アウグストゥス(紀元前63年〜紀元前14年)」も自分の誕生月である8月に自身の名を付けて「Augustusアウグストゥス」としてしまいます。この時「julius」(7月)よりも1日少ないことを嫌って、またも2月から1日持ってきてしまいました。
 
その結果7月と8月が31日で2月が28日。1月から6月までがギリシャ・ローマ神話の神々が由来で、7月と8月が人名、9月から12月までがラテン語の番号。という歪な暦が完成することになります
 
この「ユリウス暦」は西洋において長い間使われますが、次第に実際の暦とはズレが生じるようになり、16世紀後半には10日ほどもずれてしまっていました。そこで1582年、ローマ教皇グレゴリウス13世は「ユリウス暦」を修整した「グレゴリオ暦」を導入します。これが世界に伝わり、現在各国で使われる標準的な暦となっています。日本では1873年に導入しました。
 
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ギリシャ神話とローマ神話!

ギリシャ神話というのは、紀元前15世紀頃から始まったギリシャにおける神々や英雄たちの物語がまとめられたもの。ローマでは紀元前6世紀頃からギリシャの影響を受けて、ローマ古代の神々をギリシャ神話の神々と同一視するシンクレティズムが行われてきました。要するに名前だけ変えて同じような神様として伝承していたようです。
 
その結果、ギリシャ神話とローマ神話は非常に似ているが全く同じわけでもない。名前が違うだけで内容が同じ神様もいれば、内容が微妙に異なる神様、ローマ神話のみに登場する神様なども存在する、というような関係になっています。
 
 

ギリシャ神話と主要な神様のエピソードをざっくり解説!

最後に西洋の暦や曜日に名前を残し続けてきた「ギリシャ神話」の神々のエピソードをざっくりとお話ししますね。大前提としてギリシャ神話の神々は不老不死です。永遠の命を持っていると思ってください。
 
※右側(黒・赤)がギリシャ神話での名前、左側(青・紫)がローマ神話での名前になります。
※□枠は月か曜日で登場する神様。
 
ギリシャ神話における宇宙の始まりは混沌(カオス)でした。その混沌から五柱の神様が生まれます。「タルタロス(暗黒界)」「エレボス(夜)」「ニュクス(闇)」「エロス(愛)」そして「ガイア(大地・地球)」。
 
「ガイア(テルス)」は単体で天空神「ウラヌス(カイルス)」を生み出すと、その「ウラヌス」と交わり、「クロノス(サトゥルヌス・英語の土曜日)」「レア(オプス)」を含む巨大なティタン神族を生み出します。
 
「ウラヌス」は最初のこの世の支配者として君臨しますが、やがて子供の「クロノス(サトゥルヌス)」に襲われ失脚します。この時切り落とされた「ウラヌス」の男性器が海に落ち、生じた泡から美の女神「アプロディテ(ヴェヌス・4月・金曜)」が誕生します。
 
 
クロノス」は第2世代の支配者としてこの世に君臨し、「レア(オプス)」との間に「ハデス(プルトン)」「ポセイドン(ネプトゥヌス)」「ヘラ(ユノ・6月)」そして「ゼウス(ユピテル・木曜)」などを授かりますが、やがて自らの子供である「ゼウス」たちと対立し破れて失脚します。
 
第3世代の支配者となった「ゼウス」は、世界を三つに分割して兄弟たちで共同統治することにします。冥界を「ハデス」が、海原を「ポセイドン」が統治し、そして天と地の支配者として「ゼウス」がオリュンポス山に君臨しました。
 
ゼウス」は姉である「ヘラ」と結婚し、「アレス(マルス・3月・火曜)」「ヘパイストス(ウゥルカヌス)」などを授かりますが、他にもあちらこちらの女性に手を出し子供を産ませます。旅と商人の神「ヘルメス(メルクリウス・水曜)」は「ゼウス」が「マイア」に手を出して生ませた子になります。この手当たり次第女性に手を出す「ゼウス」に対し、正妻「ヘラ」は度々嫉妬の癇癪を起こすことになります。
 
オリュンポス山に招かれた「アプロディテ(美女)」は「ヘパイストス(醜い男)」と結婚することになりますが、やがて彼の兄弟である「アレス(美男子)」と浮気をします。ところがこれを目撃した太陽神「ヘリオス(ソル)」が「ヘパイストス」に密告。怒った「ヘパイストス」は二人の不倫現場を取り押さえ、オリュンポスの神々に晒し大騒動に発展。
 
結局「ポセイドン」の仲介の元、「ヘパイストス」は「アプロディテ」と離婚し、「アレス」から賠償を受け取って解決したそうです。
 
ギリシャ神話の神様たちは実に人間らしいですね。
 
 
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
 
それではお元気で!
 
 
ハク
 
 
 
 
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