韓国語の母音の読み方と発音をまとめてみた!【カタカナと発音記号・ハングル母音一覧付き!】

안녕하세요(アンニョンハセヨ・こんにちは)!
반갑습니다(パンガプスムニダ・お会いできて嬉しいです)!
 
 
韓国語の母音の読み方と発音をまとめてみました!発音記号やIPAのハングル母音図も載せておきましたので併せて確認してみてください。
 
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まずはハングル文字と母音の概要!

韓国語の文字の仕組みは日本語とは大きく異なります。日本語のひらがなは最初から母音と子音がセットになった文字を使いますが、ハングル文字は母音と子音の組み合わせによって文字と発音を決めていく仕組みになっています。母音が全部で21個、子音が19個、合計40個のパーツから構成されており、更にこの21個の母音基本母音10個と他の母音の組み合わせによってできる合成母音11個に分かれます。一覧にするとこのようになります。
基本母音
ア(a)
ヤ(ja)
オ(ɔ)
ヨ(jɔ)
オ(o)
ヨ(jo)
ウ(u)
ユ(ju)
ウ(ɯ)
イ(i)
合成母音
エ(ɛ)
ィエ(jɛ)
エ(e)
ィエ(je)
ワ(wa)
ウェ(wɛ)
ウェ(we)
ゥオ(wɔ)
ウェ(we)
ウィ(ui)
ウィ(ɯi)
※母音だけを発音する時は、何も発音しないことを表す子音「ㅇ(イウン)」と組み合わせることになっています。
 
この母音の発音をもう少し細かく見ていきますね。
 
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基本母音10個!

まずは基本母音の発音から見ていきます。日本語で言う「オ,ウ」が、韓国語では2種類ずつ(o,ɔ,u,ɯ)存在し、また日本語では「子音+母音」扱いされている「ヤ行」も、韓国語では母音に含まれているのが特徴です。下に発音記号と口腔内の関係を表した図を貼っておきますので、実際に発音する際にチェックしてみてください。
母音文字
発音
説明
ア(a)
口を縦に大きく開けて発音する「ア(a)」で日本語の「ア」に近いとされる。発音記号の「a」は正式には「円唇・前舌・広母音(ひえんしんまえじたひろぼいん)」と言って、口の縦の開きを大きくして舌を前に出し、唇を丸くせずに発音する母音を意味するが、韓国語も日本語も「ア」は舌の位置がやや後ろになる。例「아이」(アイ・ai・子供)。
ヤ(ja)
口を大きく開けて発音する「ヤ(ja)」で日本語の「ヤ」に近い。日本語では「子音(j)+母音(a)」という位置づけだが、韓国語では母音の1つとして捉えている。例「약속」(ヤクソク・jaksok・約束・漢字語由来の韓国語は日本語の発音に近い)。
オ(ɔ)
口を縦にやや大きく開けて発音する「オ(ɔ)」で、日本語の「オ」よりも若干口の開きが大きい。「」は一般的な参考書によると発音記号は(ɔ)円唇・後舌・半広母音(えんしんあとじたはんひろぼいん)」となっており、唇を丸めて発音する母音となっているが、大韓民国の標準語規定によると(ʌ)円唇(ひえんしん)・後舌・半広母音」となっているらしい。これは口をやや大きく広げて舌を後ろに引き、唇を丸めずに発音する母音を意味する。(ここではɔで表記しますが、実際の発音は唇を丸めない非円唇母音だと思ってください。)2つある「オ」の1つ。例「어디」(オディ・ɔdi・どこ)。
ヨ(jɔ)
口を縦にやや大きく開けて発音する「ヨ(jɔ)」で、2つある「ヨ」の1つ。発音記号の「j」は「硬口蓋(こうこうがい)接近音」と言って、口腔内上部に前舌を近づけながら発音する「イ」の音の子音。日本語では「ヤ行」で使われている子音になる。例「여우」(ヨウ・jɔu・女優)。
オ(o)
口の開きの小さい「オ(o)」で日本語の「オ」に近い。正式には「円唇・後舌・半狭母音(えんしんあとじたはんせまぼいん)」と言って、口の開きをやや小さくして舌を後ろに引き、唇を丸めた状態で発音する母音を意味する。日本語の「オ」は「o」と「ɔ」の間だが、やや「o」に近いとされる。例「오」(オ・o・5)。
ヨ(jo)
口の開きの小さい「ヨ(jo)」で日本語の「ヨ」に近い。例「요구」(ヨグ・jogu・要求)。
ウ(u)
日本語の「ウ」よりも口をすぼませた状態で発音する「ウ(u)」。発音記号の「u」は「円唇・後舌・狭母音(えんしんあとじたせまぼいん)」と言って、口の縦の開きを狭くして舌を奥に引き、唇を丸くして発音する母音であることを表すが、日本語の「ウ」は下の「ɯ」に属する。例「구」(ク・ku・9)。
ユ(ju)
口をすぼませた「ウ」の口で発音する「ユ(ju)」。例「육」(ユク・juk・6)。
ウ(ɯ)
口を横に引いた「イ」の口の形で発音する「ウ(ɯ)」。発音記号「ɯ」は「非円唇・後舌・狭母音(ひえんしんあとじたせまぼいん)」と言って、口の縦の開きを狭くし、舌を奥に引き、唇を丸めない状態で発音する母音を表す。日本語の「ウ」もこの「ɯ」に属するが、韓国語の「으」は日本語の「ウ」よりも口を横に引いて発音する。例「은」(ウン・ɯn・〜は)。
イ(i)
口を横にしっかり引いて発音する「イ(i)」で日本語の「イ」に近い。「i」は「非円唇・前舌・狭母音(ひえんしんまえじたせまぼいん)」と言って、口の縦の開きを狭くして舌を前に出し、唇を丸めずに(引いて)発音する母音であることを表す。例「이」(イ・i・この)。
 
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絵と図で発音のイメージを掴もう!

1 口腔内の名称をちょっと整理

口腔内の名称をざっくり表記するとこんな感じになります。発音するときに参考にしてみてください。軟口蓋の場所は硬口蓋の奥になります。…きたなくてゴメン……
 
 

2 発音記号と口の中

こちらはIPA(国際音声記号)チャートに韓国語の母音を当てはめたものになります。韓国語の母音は全部で21個とされますが、複合母音や日本では子音扱いされている「ワ行」や「ヤ行」を含んでおり、これを分解してみると上の図のように短母音は全部で8種類(便宜上ɔʌは両方記載しています)ほどになるようです(諸説あります)。
 
少し図の説明をさせてください。
図の横軸は舌の位置を表し、左に行くほど舌の位置(正確には舌の最も高く盛り上がった位置)が前にあることを表します。また図の縦軸は上側ほど口の縦の開きが狭く(口を閉じ舌を上部に置く)、表の下側ほど口の縦の開きが大きい(顎を下げ舌を下部に押し付ける)ことを表します。本来1つの点に2つずつ記号があるのですが、左側が非円唇母音、右側が円唇母音を表します。円唇母音というのは唇の丸みを伴った母音のことを表し、非円唇母音は唇の丸みを伴わない母音のこと。音声学では唇の形が丸いか丸くないかの2択で区別しています。
 
例えば右上の「u」と「ɯ」はどちらも口の縦の開きを狭くし、舌を奥に引いて発音する母音であることをあらわしますが、「u」は唇を丸めて発音するのに対し「ɯ」は唇を丸めずに発音することを表します。要するに「i,e,ɛ,a,ɯ,ʌ」が「非円唇母音」で、「u,o,ɔ」は「円唇母音」ということになります。ただし「」だけは「ɔ」で表記していますが、実際の発音は「ʌ」だと思ってください。

 
更にこの図に日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」を加えてみると、だいたいこのようになります。日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」の発音記号は「a,i,ɯ,e,o」とされていますが、実際の日本語の「エ,オ」はやや口の開きの大きい「ɛ,ɔ」より、「ウ」は唇を丸めずに発音する「ウ,ɯ」で、韓国語の「우(ウ)」よりも非円唇の「으(ウ)」に近いとされています。また日本語の実際の「ア」は「a」よりもっと後舌ぎみとされますが、韓国語の「ア」も後舌ぎみなので、結果的に近くなるようです。
 
実際に発音する際の目安にしてみてください。
 
 
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合成母音11個!

続いて合成母音の発音について見ていきます。合成母音なのですべて2つ以上の母音の組み合わせになるのですが、面白いことに日本語の「エ」の発音が合成母音扱いになっています。また日本語で言う「エ」が2つ、「ィエ」が2つ、「ゥエ」が3つ、「ゥイ」が2つ、あるのですが、特に3つの「ゥエ」で混乱する人が多いので気をつけてください。
母音文字
発音
説明
エ(ɛ)
韓国語の「애(ɛ・エ)」は「아+이」の合成母音という位置づけ。なお「ɛ」は口の開きの大きい「アに近いエ」を表す。正式には「非円唇・前舌・半広母音(ひえんしんまえじたはんひろぼいん)」と言い、口の開きをやや大きくして舌を前に出し、唇を丸くしないで発音する母音であることを表す。2つある「エ」の1つ。例「아래」(アレ・arɛ・下)。
ィエ(jɛ)
「야+이」の合成母音で「ィエ(jɛ)」の音。2つある「ィエ」の1つでこちらは口の開きの大きい「アに近いィエ」。例「얘기」(ィエギ・jɛgi・話)。
エ(e)
에(e・エ)」は「어+이」の合成母音で、「e」は口の開きの小さい「イに近いエ」を表す。正式には「非円唇・前舌・半狭母音(ひえんしんぜんぜつはんぜまぼいん)」と言い、口の開きをやや狭くして舌を前に出し、唇を丸めずに発音する母音であることを表す。日本語の「エ」は「e」と「ɛ」の間にあるが、やや「e」に近いとされる。例「네」(ネ・ne・はい)。
ィエ(je)
「여+이」の合成母音で「ィエ(je)」の音。2つある「ィエ」の1つで、こちらは口の開きの小さい「イに近いィエ」。例「예」(ィエ・je・はい)。
ワ(wa)
「오+아」で口の開きの小さい「オ(o)」から口の開きの大きい「ア(a)」へと移行する「ワ(wa)」の音。なお発音記号の「w」は「u(ウ)」のように口を前に出してすぼめ、元に戻しながら発音する「ウ」の音。正式には有声両唇軟口蓋接近音(ゆうせいりょうしんなんこうがいせっきんおん)と呼ばれる子音で、上唇と下唇、軟口蓋と後舌の2箇所を狭めて発音する音とされる。接近音であって摩擦音ではないため、接触するほど近づけてはダメ。なお軟口蓋の場所は硬口蓋の奥。例「화요일」(ファヨイル・hwajoil・火曜日)。
ウェ(wɛ)
3つある「ウェ」の1つ。「오+애」の合成母音で、口の開きの大きい「アに近いゥエ(wɛ)」の音を表す。例「왜」(ウェ・wɛ・なぜ)。
ウェ(we)
2つ目の「ウェ」。「오+이」の合成母音で、口の開きの小さい「イに近いゥエ(we)」の音を表す。例「이외」(イウェ・iwe・以外)。
ウォ(wɔ)
「우+어」の合成母音で、口をすぼめた「ウ(u)」からやや大きく開ける「オ(ɔ)」へと移る「ウォ(wɔ)」。例「월」(ウォル・wɔl・月)。
ウェ(we)
3つ目の「ウェ」。「우+에」の合成母音で、口の開きの小さい「イに近いゥエ(we)」の音を表す。例「웬」(ウェン・wen・どんな)。
ウィ(ui)
2つある「ウィ」の1つで「우+이」の合成母音。口をすぼめた「ウ(u)」から横に引いた「イ(i)」へと素早く移行する「ウィ(ui)」。例「위」(ウィ・ui・上)。
ウィ(ɯi)
2つ目の「ウィ」で「으+이」の合成母音。こちらは最初から口を横に引いた状態で発音する「ウィ(ɯi)」。ただしこの「의」は条件によって発音が変わる。①語頭にある時は「ウィ(ɯi)」、例:「의사」(ウィサ・ɯisa・医者)。②語中や子音の後の「의」は「イ(i)」、例:「주의」(チュイ・tʃui・注意)、「무늬」(ムニ・muni・模様)。③「〜の」を表す所有格の「의」は「エ(e)」、例:「나의」(ナエ・nae・私の)。
 
 

おわり!

お疲れ様でした。
 
韓国語は短母音の音素はそれほど多くないのですが、似た音の合成母音が多く混乱しやすいので気をつけてください。
 
 
 
 
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