【コピペ用キリル文字一覧付き!】ロシア語のアルファベットの読み方・発音をまとめてみた!

Здравствуйте(ズドラーストヴィチェ・こんにちは)!
Как дела(カークヂラー・お元気ですか)?
 
 
ロシア語のアルファベットの読み方と発音をまとめてみました。母音と子音の発音変化のルールとIPAの子音表も載せておきます。
 
こちらのキリル文字一覧はコピペ用にどうぞ。
Аа
アー
Бб
ベー
Вв
ヴェー
Гг
ゲー
Дд
デー
Ее
ィエー
Ёё
ヨー
Жж
ジェー
Зз
ゼー
Ии
イー
Йй
イー・クラートカエ
Кк
カー
Лл
エル
Мм
エム
Нн
エヌ
Оо
オー
Пп
ペー
Рр
エル
Сс
エス
Тт
テー
Уу
ウー
Фф
エフ
Хх
ハー
Цц
ツェー
Чч
チェー
Шш
シャー
Щщ
シシャー
Ъъ
トヴョールドゥィー・ズナーク
Ыы
ウィー
Ьь
ミャーヒキー・ズナーク
Ээ
エー
Юю
ユー
Яя
ヤー
 
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ロシア語のアルファベットと発音!

ロシア語のアルファベットをキリル文字と言います。英語で使用されているラテンアルファベット(26文字)と表記と発音が一致する文字もありますが、同じ字を使いながらも発音だけが異なるいやらしい文字、英語には存在しない全く新しい文字もあり、合計33文字から構成されています。ロシア語の単語はスペルと発音がズレることがほとんどなく、概ねアルファベット本来の音の組み合わせによって発音が決まるのが特徴です。
 
アルファベット
読み方
発音
説明
Аа
アー
a(ア)
5つある硬母音の1つ。硬母音は日本語の「あ行」に相当する母音で、「a」は日本語の「ア」の音。
Бб
ベー
b(ブ)
英語の「b(ブ)」の音で日本語の「バ行」。下の「в(ヴ)」との違いに注意。ロシア語では単語末の有声子音(声帯の震える子音)は対応する無声子音(声帯の震えない子音)として発音するというルールがあるため、単語末では「п(プ)」の音で発音される。
Вв
ヴェー
v(ヴ)
上の前歯を下の唇に軽く当てて発音する音で英語の「v(ヴ)」に近い。「b(ブ)」と読まないように注意。有声子音であり単語末では「ф(フ)」の音になる。
Гг
ゲー
g(グ)
英語の「g」の音で日本語の「ガ行」。有声子音であり単語末では「k(ク)」の音になる。
Дд
デー
d(ドゥ)
英語の「d」の音で日本語の「ダ行」。有声子音であり単語末では「т(トゥ)」と発音される。
Ее
ィエー
je(ィエ)
5つある軟母音の1つ。軟母音は日本語の「ヤ行」に相当し頭に柔らかく「j(ィ)」の入るのが特徴。従って「エ」ではなく「ィエ」と発音する。なおロシア語にはアクセント箇所とそれ以外の場所で発音が変わる文字(e,o,я)があり、この「e」はアクセント箇所では「ィエー」と発音されるのに対し、アクセントのない箇所では「イ」に近い音で発音される。
Ёё
ヨー
jo(ヨー)
「ё」も軟母音の1つで、短い「j(ィ)」と「o」が重なり「ヨー」と発音する。なおこの文字だけは単語に入るとその箇所が必ずアクセント箇所になるというルールがある。また「j」の発音記号は「硬口蓋接近音」と言って口腔内上部に前舌を近づけながら発音する「イ」の音で、日本語では「ヤ行」の子音として使われている。
Жж
ジェー
ʒ,ʐ(ジ)
口をすぼませ舌をスプーンのようにくぼませ、舌先をどこにも触れないようにしたまま強く息を吐いて発音する「ジャ行」の音。舌先と喉を狭めて口腔中程でこもるような息の滞留を起こす。正式には「有声・そり舌・摩擦音(ʐ)」と言い、舌先を硬口蓋へ向かって反らせ息を通して摩擦させる「そり舌音」の1種になる。中国語の「そり舌音」は唇を横に引いて発音するが、「ж」は唇をすぼめて発音する。なお単語末では「ш(シ)」の音になる。
Зз
ゼー
z(ズ)
英語の「z」の音で日本語の「ザ行」。有声子音であり単語末では「c(ス)」の音になる。
Ии
イー
i(イ)
軟母音の1つで「i(イ)」の音。口を横にしっかり引いて発音する「イ」。
Йй
イー・クラートカエ
j(ィ)
「短いイ」の意味で、その名の通り短く「ィ」と短く発音する。英語の「y」に相当し、日本語では「ヤ行」の子音として使われる音。母音ではなくあくまで有声子音の1つという位置づけなので、母音と一緒に使われる。
Кк
カー
k(ク)
英語の「k」の音で日本語の「カ行」。声帯の震えのない無声子音。小文字の形は英語とは異なるので注意。
Лл
エル
l(ル)
英語の「l」に近いが、日本語の「ラ行」とは少し異なり、舌先を上の歯の裏につけその両側から息を流しながら発音する音。有声子音の1つ。
Мм
エム
m(ム)
英語の「m」の音で日本語の「マ行」。有声子音の1つ。ロシア語の小文字は、大文字を小さくしただけのものが多いのが特徴。
Нн
エヌ
n(ヌ)
英語の「n」の音で日本語の「ナ行」に相当する。有声子音の1つになるが、英語の「H(エイチ)」と書いて「エヌ」と読むイヤらしい文字なので特に注意が必要。
Оо
オー
o(オ)
硬母音の1つ。英語の「o」の音で日本語の「オ」に近い。この文字もアクセント箇所とそれ以外の場所で発音が変わる文字の1つ。アクセント箇所では「オー」と発音するのに対し、アクセントのない「o」は「ア」と発音することになっている。
Пп
ペー
p(プ)
英語の「p」の音で日本語の「パ行」に相当する。有声子音の1つになるが、次の「p(エル)」と間違えやすいので注意。ギリシャ文字の「π(パイ)」に由来する。
Рр
エル
r(ル)
英語の「r」に相当するが、こちらは「巻き舌のラ行」。英語とは使う音が異なるため注意が必要な文字の一つ。有声子音になるが、通常の「ラ行(л)」と区別するため、ひらがなの「ら行」で読みがなを書かれることが多い。
Сс
エス
s(ス)
英語の「s」の音で日本語の「サ行」。「з」に対応する無声子音になる。なお日本語の「サシスセソ」をロシア語で表記すると「са,ши,су,сэ,со」。「си」だけは「スィ」と発音し、ロシア語では「ш」が「シ(ʃ)」の音に対応するので注意。
Тт
テー
t(トゥ)
英語の「t」の音で日本語の「タ行」。「д」に対応する無声子音。
Уу
ウー
u(ウ)
硬母音の1つ。日本語の「ウ」よりも口をすぼませて発音する「ウ」。
Фф
エフ
f(フ)
英語の「f」の音で上の前歯を下唇に軽く当てて発音する「フ」。「в」に対応する無声子音。
Хх
ハー
x(ハ)
喉の奥から勢いをつけて「ハー」と息を吐き出す時の音だが、日本語ではやや「カ行」を発音する感覚に近い。正式には「無声・軟口蓋・摩擦音(むせいなんこうがいまさつおん・x)」と言い、軟口蓋と後舌を狭めて息で摩擦を起こす音とされる。なお発音記号の「h」は「無声声門摩擦音」と言い、声門で起こす摩擦音になる。
Цц
ツェー
ts(ツ)
正式には「無声・歯茎・破擦音(むせいしけいはさつおん・t͡s)」と言い、舌端を上歯茎のすぐ後ろに当て、舌を離し破裂と同時に息で摩擦を起こす音とされるが、日本語の「ツ」もこの発音に含まれに近いとされる。「ツ」「ツァ」「ツィ」「ツェ」などの音の表記に使われる。無声子音の1つ。
Чч
チェー
t͡ɕ,t̠ʃʼ(チ)
舌先を上側に一瞬付けて発する破擦音。正式には「無声・歯茎・硬口蓋・破擦音(むせいしけいこうこうがいはさつおん・t͡ɕ)」と言い、舌尖が下歯茎についたまま盛り上がった舌端と歯茎から硬口蓋にわたる範囲で閉鎖を作り、破裂と同時に息で摩擦を起こす音とされる。日本語の「チ」に近い。無声子音の1つ。
Шш
シャー
ʐ,ʃ(シ)
正式には「無声・そり舌・摩擦音(ʂ)」と言い、「有声・そり舌・摩擦音(ж・ʐ)」を無声音化させた音になる。要するに「ж」に対応する無声子音で「ж」の口で「シ」と発音する。口をすぼませ舌をスプーンのようにくぼませ、舌先をどこにも触れないようにしたまま強く息を吐いて発音する音。
Щщ
シシャー
ɕɕ,ʃʼʃʼ(シ)
舌先と上歯茎の隙間で作る摩擦音。正式には「無声・歯茎・硬口蓋・摩擦音(むせいしけいこうこうがいまさつおん・ɕɕ)」と言い、舌尖が下歯茎についたまま盛り上がった舌端と歯茎から硬口蓋にわたる範囲で隙間を作り息で起こす摩擦の音とされるが、「日本語のシ」もこの発音に含まれ近い音になる。日本語で「シシ」と発音する感じ。無声子音の1つ。
Ъъ
トヴョールドゥィー・ズナーク
硬音記号
硬い記号の意味で、前後の子音と母音を分けるために使う。この文字自体に音はない。例:「сесть」(スェースチ・座る)、「съесть」(ス・ィエースチ・食べる)。
Ыы
ウィー
ɨ(ウィ)
口を横に引いたイの口のまま素早く「ウィ」と発音する。ウの口の形から始めないこと。
Ьь
ミャーヒキー・ズナーク
軟音記号
柔らかい記号の意味で、「イ」の口の構えのまま子音を発音することを表す。この文字自体に音があるわけではなく、子音を柔らかく発音することを示しているだけなので、はっきり「イ」とは発音しないこと。
Ээ
エー
e(エ)
硬母音の1つで日本語の「エ」に相当する。
Юю
ユー
ju(ユ)
軟母音の1つで日本語の「ユ」に相当する。
Яя
ヤー
ja(ヤ)
軟母音の1つで日本語の「ヤ」に相当するが、この文字もアクセント箇所とそれ以外の場所で発音が変わる文字の1つ。アクセント箇所では「ヤー」と発音するのに対し、アクセントのない「я」は「イ」に近い音になる。
 
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母音についてちょっと解説!

ロシア語の母音は硬母音5つ軟母音5つ合計10個から構成されています。分かりやすく言うと硬母音は日本語の「ア行」に相当し、軟母音は日本語の「ヤ行」に相当します。発音記号で言うと軟母音は頭に「j(イ)」を付けることになります。発音記号の「j」は「硬口蓋(こうこうがい)接近音」と言って口腔内上部に前舌を近づけながら発音する「イ」の音の子音になり、日本語では「ヤ行」で使われている子音になります。少しまとめておきますね。
日本語の母音
硬母音字(ア行)
а(a,ア)
ы(ウィ)
у(u,ウ)
э(e,エ)
о(o,オ)
軟母音字(ヤ行)
я(ja,ヤ)
и(i,イ)
ю(ju,ユ)
е(je,ィエ)
ё(jo,ヨ)
 
 

口の中の絵を書いてみた!

硬口蓋や軟口蓋といってもピンと来ないと思ったので、ちょっと絵を書いてみました。硬口蓋というのは口腔内上部の前部、軟口蓋はその奥になります。さらにその奥に口蓋垂や咽頭などがありますが、ロシア語では口の奥の方はあまり使わないようです。…汚くてごめん…
 
 
 

子音の整理!

両唇音
唇歯音
子音/歯茎音/後部歯茎音
そり舌音
硬口蓋音
軟口蓋音
口蓋垂音
咽頭音
声門音
破裂音
p(п),b(б)
t(т),d(д)
k(к),g(г)
鼻音
m(м)
n(н)
ふるえ音
r(露語のr,р)
たたき音/弾き音
ɾ(日語のr)
摩擦音
f(ф),v(в)
s(с),z(з),ʃ,ʒ
ʂ(ш),ʐ(ж)
x(х)
側面摩擦音
接近音
ɹ(英語のr)
j(й)
側面接近音
l(л)
出典:IPA
 
「щ」無声・歯茎・硬口蓋・摩擦音(むせいしけいこうこうがいまさつおん・ɕɕ)
「ч」無声・歯茎・硬口蓋・破擦音(むせいしけいこうこうがいはさつおん・t͡ɕ)
「t͡s」無声・歯茎・破擦音(むせいしけいはさつおん・t͡s)
 
上の表はIPAチャートの子音一覧からロシア語の子音を抽出したものになります。国際音声記号(IPA)はあらゆる言語の表記のために作られたものなので、一般的な辞書では見かけない発音記号も取り扱っています。
 
簡単に表を説明させてください。表の左側ほど口の先端(唇や歯など)で発音されることを表し、表の右側ほど口の奥(軟口蓋や咽頭など)で発音されることを表します。そして表の上側ほど強く空気を閉じ込めて発音する音(破裂音など)を表します。まだ同じ枠内に2つの記号がある時は、左側が無声音(声帯を振動させない音)を、右側が有声音(声帯を振動させる音)を表します
 
例えば「p(п),b(б)」は口の最も先端で、かつ最も空気を強く閉じ込めて発音することを表しますが、同時に「p」が無声音で「b」が有声音であることも表します。
 
また「r」の発音が言語によって結構変わりますので、比較のために日本語と英語の「r」も載せておきました。ロシア語の「p(r)」は「歯茎ふるえ音(巻き舌のr)」で、日本語のラ行「歯茎はじき音(ɾ)」とも英語のr「歯茎接近音(ɹ)」とも異なります。
 
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発音のルールをちょっと解説!

ロシア語は英語とは異なり、概ねアルファベット本来の音の組み合わせによって発音が決まります。そのためアルファベットさえ覚えてしまえば一応読めるようにはなりますが、正しく発音するためにはいくつかの発音のルールを知っておく必要があります。ここではその発音のルールを簡単に説明しておきます。
 

1 アクセントと母音の発音の変化!

ロシア語の単語には各単語に一箇所ずつアクセントと呼ばれる箇所があり、そこを「強く長く」発音することになっています。ただこの時アクセントの有無によって発音が変わる文字がいくつか存在します
※アクセント箇所を太字にしてあります。
 
①「o」「オー→ア」
まず「o」はアクセント箇所では「オー」と発音するのに対し、アクセントのない「o」は「」と発音することになっています。
例 вoсемь(ヴォースィミ・8)
例 oдин(ヂーン・1)
 
②「e」「ィエー→イ」
また「e」もアクセント箇所では「ィエー」と発音しますが、アクセントがない箇所では「」に近い音になります。
例 сeмь(スェーミ・7)
例 семнадцать(スナーッツァチ・17)
 
③「я」「ヤー→イ」
同様に「я」もアクセント個所では「ヤー」と発音するのに対し、アクセントがない箇所では「」に近い音で発音することになっています。
例 пячь(ピャーチ・5)
例 девять(ヂェーチ・9)
※ただし、「е」「я」は語末に来ると本来の音に近い発音になる、というルールがあります。
 

2 有声子音と無声子音の発音の変化!

ロシア語の子音には声帯の震える有声子音と声帯の震えのない無声子音がありますが、次のような対応関係になっています。
有声子音
無声子音
б(ブ)
п(プ)
в(ヴ)
ф(フ)
ж(ジ)
ш(シ)
г(グ)
к(ク)
д(ドゥ)
т(トゥ)
з(ズ)
с(ス)
йлмнр
対応なし
対応なし
хцчщ
この有声子音無声子音については次のような発音変化のルールがあります。
 
①単語末の有声子音は対応する無声子音として発音する
例:「газ」(ガー・ガス・зをсと発音)
 
②無声子音の前の有声子音は対応する無声子音として発音する
例:「вторник」(ルニク・火曜日・вをфと発音)
 
③有声子音の前の無声子音は対応する有声子音として発音する
例:「футвол」(フル・サッカー・тをдと発音)
 
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キリル文字の歴史と分布をちょっと紹介!

ここは興味のある方だけで結構です。
キリル文字の元となる文字が誕生したのは862年頃。ビザンチン帝国からの布教の命令を受けた正教会の宣教師キュリロスとメトディオス兄弟が、スラブ人たちに布教する目的で作った文字が始まりと言われています。これはグラゴル文字と呼ばれるものでしたが、やがて10世紀頃のブルガリアでこの文字を改良・発展させる形で新たな文字が誕生します。この時かつてのキュリロスを偲んでこの文字を「キリル文字」と呼びました。
 
あくまで正教会の布教のために作られた言語なので、スラブ系の民族の中でも正教会が力を持っていた東スラヴ語群(ロシア語・ウクライナ語・ベラルーシ語)、南スラヴ語群(ブルガリア語・マケドニア語・セルビア語)を中心に広がることになります。そのため同じスラブ系の民族であってもカトリック圏内にあたるポーランド語・チェコ語・スロバキア語などのエリアへは広がらず、これらの地域ではラテンアルファベットが使用されています。
 
 
 
 
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