イタリア語のアルファベットの読み方と発音をまとめてみた!【母音発音記号一覧とアクセント記号説明付き!】

Bongiorno(ブオンジョールノ・こんにちは)!
Come sta(コメスタ・お元気ですか)?
 
 
イタリア語では英語と同じラテンアルファベットを使用しています。英語では26文字全て使いますが、イタリア語ではこのうち21文字しか使用しません。「j,k,w,x,y」の5文字は一部の外来語などを除き使わないことになっています。ですので一覧にするとイタリア語のアルファベットはこのようになります。こちらは暗記用にどうぞ。
A
B
C
D
ディ
E
F
エッフェ
G
H
アッカ
I
L
エッレ
M
エンメ
N
エンネ
O
P
Q
R
エッレ
S
エッセ
T
ティ
U
V
Z
ヅェータ
使わない文字
J
イルンゴ
K
カッパ
W
ドッピオヴ
X
イクス
Y
イープスィロン
 
今回はこのイタリア語のアルファベット読み方と発音をまとめてみました。母音やアクセントのルール、アクセント記号の使い方についてもまとめておきましたので、併せて確認してみてください。なお下の5つの文字も外来語などには登場しますので、アルファベット名は覚えておいてください。
 
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イタリア語のアルファベットの発音!

イタリア語は母音が日本語と近くローマ字読みに近いため、日本人が発音のしやすい言語と言われています。ですが正しく発音するためには知っておかなければならないルールがいくつかあります。書ける範囲内でまとめておきましたので、右側の備考欄もチェックしてみてください。
アルファベット
読み方
備考
Aa
a
母音の1つ。舌を前に出し口を大きく開いて発音する「ア(a)」で、基本的にこれ以外の読み方はない。英語のように「ei」や「ə」などと読んだりしない。
Bb
bi
英語の「b」と同じで日本語の「バ行(b)」。
Cc
ci
伊語の「c」には「カ行(k)」と「チャ行(tʃ)」がある。「,キ,,ケ,」を伊語で表記すると「ca,chi,cu,che,co」、「チャ,,チュ,チェ,チョ」を伊語で表記すると「cia,ci,ciu,ce,cio」となる。「ci,ce」が「チャ行」になることに注意。例「calcio」(チョ・サッカー)。
Dd
ディ
di
英語の「d」と同じで日本語の「ダ行(d)」。
Ee
e
母音の1つ。原則的には口の開きの小さい「イに近いエ(e)」と発音するが、アッチェント・グラーヴェのついた「è」は口の開きの大きい「アに近いエ(ɛ)」と発音する。どちらも舌を前に出して発音する音になる。
Ff
エッフェ
effe
上前歯を下唇に当てる音で日本語の「ファ行(f)」。
Gg
gi
伊語の「g」には「ガ行(g)」と「ジャ行(dʒ)」がある。「,ギ,,ゲ,」を伊語で表記すると「ga,ghi,gu,ghe,go」、「ジャ,,ジュ,ジェ,ジョ」を伊語で表記すると「gia,gi,giu,ge,gio」となる。「gi,ge」が「ジャ行」になることに注意。例「gatto」(ット・猫)、「Giappone」(ジャッポーネ、日本)。
Hh
アッカ
acca
伊語では「h」は発音しない。例:「hotel」(オテール・ホテル)
Ii
i
母音の1つ。舌を前に出し口を横にしっかり引いて発音する「イ(i)」。なおアクセントのない「i」に他の母音「a,e,o,u」が続くと前の子音と結びついて拗音化(小さいャ,ュ,ョを含む音)する。この場合の「i」は「j」の音となり、半母音という位置付けにになる。例「Italia」:(イターリャ・イタリア)。
Jj
イルンゴ
i lungo
「j」は外来語などの特別な単語以外には基本的には使われない。
Kk
カッパ
cappa
「k」は外来語などの特別な単語以外には基本的には使われない。
Ll
エッレ
elle
「l」は正式には「歯茎側面接近音」と言い、舌先を上前歯の裏につけ息を舌の両側から流しながら発音する「ラ行(l)」の音。英語の「l」に近く日本語の「ラ行」とは異なる。なお「gli」の綴りは「グリ」ではなく、口の奥で発音する「ギ」と「リ」の中間のような「リ(ʎ)」。例「moglie」(モッェ・妻)。
Mm
エンメ
emme
英語の「m」の音で日本語の「マ行(m)」になるが、「m」の後に「b,p,m」が続くと「ン」の音になる。例:「tempo」(テポ・時間)。
Nn
エンネ
enne
「n」は「ナ行(n)」だが、「gn」の綴りになると鼻音(ン)の入った「ニャ行(ɲ)」になる。「gna,gni,gnu,gne,gno」で「ンニャ,ンニ,ンニュ,ンニェ,ンニョ」。例:「bagno」(バンニョ・トイレ)。
Oo
o
母音の1つ。原則的には口の開きの小さい「オ(o)」と発音するが、アッチェント・グラーヴェのついた「ó」はやや口の開きの大きい「オ(ɔ)」と発音する。どちらも舌を奥に引いて発音する音。
Pp
pi
英語の「p」の音で日本語の「パ行(p)」。
Qq
qu
伊語では「qu」は「ク(k)」と読み、「qua,qui,qu,que,quo」で「クァ,クィ,ク,クェ,クォ」を表す。この場合の「u」は「w」の音となり、半母音という位置づけになる。例:「quattro」(クァットロ・4)
Rr
エッレ
(巻き舌)
erre
「r」は舌先で上の歯茎を弾いて発音する「ラ行(r)」で日本語の「ラ行」に近いが、「巻き舌」で発音されることが多い。「r」が単語の先頭か前後のいずれかに子音が来たときに「巻き舌」で発音し、母音に挟まれた場合は巻かずに発音することになっている。例「Partirò」(パティ・出発しよう・前のrは巻いて後ろのrは巻かない)。
Ss
エッセ
esse
「s」は原則「サ行(s)」だが「ザ行(z)」で読まれることも多く、「b,d,g,l,m,n,r,v」の前の「s」は濁音で読まれる。例:「sbaglio」(バッリョ・失敗)。母音に挟まれた「s」も濁音化することがある。また日本語の「サ,,ス,セ,ソ」を伊語で表記すると「sa,sci,su,se,so」になる。「si」は「スィ」の音であって、日本語の「シ(ʃ)」の音とは異なるので注意。例「musica」(ムーズィカ・音楽)、「sci」(・スキー)
Tt
ティ
ti
英語の「t」と同じで日本語の「タ行(t)」。
Uu
u
母音の1つ。日本語の「ウ(ɯ)」よりも唇をすぼめて発音する「ウ(u)」。舌を奥に引いて発音する音。
Vv
vu
上前歯を下唇に当てる音で日本語の「ヴァ行(v)」。
Ww
ドッピオヴ
doppio v
「w」は外来語などの特別な単語以外には基本的には使われない。
Xx
イクス
ics
「x」は外来語などの特別な単語以外には基本的には使われない。
Yy
イープスィロン
ipsilon
「y」は外来語などの特別な単語以外には基本的には使われない。
Xz
ヅェータ
zeta
「z」には「ツァ行(ts)」で読む場合と「ヅァ行(dz)」で読む場合がある。例:「pizza」(ピッァ・ピザ)、「zero」(ヅェーロ・0)。また母音に挟まれた「z」は2重子音扱いになり小さい「ッ」が入る。例「grazie」(グラッツィエ・ありがとう)。
 
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イタリア語の母音は日本語に近い!

イタリア語の母音字は「i,e,a,o,u」の5つですが、アッチェント・グラーヴェの付いた「è,ò」も別母音として存在するため、イタリア語の母音は正確には7つです。このうち「e,o」は口の開きの小さい「エ(e),オ(o)」を表しますが、「è,ò」は口の開きの大きい「エ(ɛ),オ(ɔ)」を表します。しかし日常会話では厳密にはこの区別はされておらず、大きくi,e,a,o,u」の5つに集約されているそうです。母音を少しまとめておきますね。
表記
発音
説明
a
ア(a)
舌を前に出し口を大きく開けて発音する「ア」。
e,é
エ(e)
舌を前に出し口の開きをやや小さくした「イに近いエ」。
è
エ(ɛ)
舌を前に出し口の開きをやや大きくした「アに近いエ」。
i
イ(i)
舌を前に出し口を横に引いて発音する「イ」。
o,ó
オ(o)
舌を奥に引き口を丸くし開きをやや小さくした「オ」。
ò
オ(ɔ)
舌を奥に引き口を丸くし開きをやや大きくした「オ」。
u
ウ(u)
舌を奥に引き口を丸く小さくすぼめて発音する「ウ」。
 
これをIPAチャートの図に当てはめてみるとこのようになります。
 
 
こちらは国際音声記号(IPA)の母音の発音記号と口腔内の関係を図式化したものになります。少し説明させてください。
まず表の左側ほど舌の位置(正確には舌の最も盛り上がった位置)が前で、表の右側ほど舌の位置が奥、であることを表します。また表の上側ほど口の縦の開きが狭く(口を閉じ舌を上部に置く)、表の下側ほど口の縦の開きが大きい(顎を下げ舌を下部に押し付ける)ことを表します。1つの点に左右2つの記号があるのは、右側が唇を丸めて発音する「円唇母音(えんしんぼいん)」を表し、左側が唇を丸めずに発音する「非円唇母音(ひえんしんぼいん)」を表します。音声学では唇の形が丸いか丸くないかの2択で区別しています。
 
例えば右上の 「ɯ(日本語のウ),u」はどちらも口の開きを一番小さくして(IPA では口の開きを7段階で評価している)舌を奥に引いて発音することを表しますが、「u」は唇を丸めて発音するのに対し「ɯ」は唇を丸めずに発音することを表します。つまり左側の「i,e,ɛ,a」は全て「非円唇母音」であるのに対し、右側の「u,o,ɔ」は「円唇母音」ということになります。
 
更にこの図に日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」を加えてみると、だいたいこのようになるみたいです。日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」の発音記号は「a,i,ɯ,e,o」とされていますが、実際の日本語の「ア」はもっと後舌ぎみで、「エ,オ」はやや口の開きの大きい「ɛ,ɔ」より、「ウ」は唇を丸めずに発音する「ウ,ɯ」(非円唇)で、イタリア語の「u」のようには唇をすぼめずに発音する音とされています。
 
発音する際の目安にしてみてください。
 
 
このように微妙な違いはありますが、イタリア語の母音は日本語の「ア,イ,ウ,エ,オ」に確かに近いです。しかもイタリア語の発音はローマ字読みに近いため、日本人が発音しやすい言語と言われています。
 
ですがローマ字読みするだけではイタリア語らしくはなりません。イタリア語らしく発音するためには「アクセント」を意識する必要があります。
 
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アクセントとアクセント記号を覚えよう!

イタリア語の単語にはアクセントがあります。原則的にはそこを「強く長く」発音するのですが、2重母音やアクセントの後に子音が2つ続く場合、単語末にアクセントが置かれる場合は「強く」のみとなっています。またイタリア語では多くの場合後ろから2番目の音節にアクセントが置かれていますが、例外も多く存在し、特に単語末にアクセントが置かれる時は必ずアクセント記号をつけることになっています。この「アクセント記号」についてのルールを少し整理しておきますね。
 
イタリア語のアルファベットに使われる記号には「アッチェント・グラーヴェ(à,è,ì,ò,ù)」と「アッチェント・アクート(é,ó)」がありますが、次のようなルールになっています。
 

①アクセントがイレギュラーな場合に付ける

アッチェント・グラーヴェ(à,è,ì,ò,ù)
è,ò」の場合、アクセント母音であることと、開口音(ɛ,ɔ)であることを表します。
à,ì,ù」の場合、アクセント母音であることのみを表します。
例 caffè(カッフ(ɛ)・コーヒー)
例 Con Te Partirò(コン テ パルティ(ɔ)・君と共に旅立とう・Time to Say Goodbye の元のイタリア語のタイトル)
 
アッチェント・アクート(é,ó)
é,ó」の場合のみで、アクセント母音であることと、閉口音(e,o)であることを表します。
例 perché(ペル(e)・なぜ)
 
※アクセントのある時に限り、開口音と閉口音の区別があることになります。
 
 

②同じ綴りの単語がある1音節の単語の区別

つまり短い単語の同音異義語の区別に使います。
例 è(エ(ɛ)・〜です・essere3人称単数) e(エ(e)・〜と・接続詞) (こちらは発音自体が少し変わるパターン)
例 là(ラ・そこに・副詞) la(ラ・その・定冠詞) (こちらは発音も完全に同じパターン)
 
 
 
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