Hello(ハロー・こんにちは)!
How are you(ハウアーユー・ご機嫌いかがですか)?
今回は英語の月と曜日の読み方と由来をまとめてみました。発音のルールや暦の歴史についてもまとめておきましたので併せて読んでみてください。
英語の単語には「強く」発音する「アクセント箇所」がありますが、アクセントには3段階があり、強い方から「第一アクセント(é)」「第二アクセント(è)」「弱アクセント(e)記号なし」という形で表記することになっています。「アクセント箇所」は太字にしてありますので意識してみてください(一部の文字にアクセント記号を付けられませんでした)。
その他の発音記号や発音のルールはその都度簡単に説明していきます。なおアメリカとイギリスで発音が異なるものは両方載せておきました。
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1月〜12月
西洋各国の月は様々なものが混在した古代ローマの暦を元にしているため、私たちのように「数字+月」という形では表記しません。また英語では月は固有名詞として扱われるため、人名同様に必ず大文字で書き出すことになっています。
月
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スペル
(省略表記)
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発音
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備考
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1月
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January
(Jan.)
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(米)ジャニュエリ
(dʒænjuèri)
(英)ジャニュアリ
(dʒænjuəri)
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「dʒ」は日本語の「ヂ」で、「æ」はアの口で「エ」と発音する感じの音。「j」は口腔内上部に前舌を近づけながら発音する「イ」に近い音の子音で、日本語では「ヤ行」の子音になる。英語の「r」は舌先を反りながらもどこにも当てずに発する「ラ行」。
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2月
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February
(Feb.)
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(米)フェブルエリ
(fébruèri)
(英)フェブルアリ
(fébruəri)
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英語のアクセントには3段階があり、強い方から「第一アクセント(é)」「第二アクセント(è)」「弱アクセント(e)記号なし」という形で表記することになっている。※アクセント箇所を太字にしてあります。
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3月
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March
(Mar.)
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(米)マルチ
(máɚtʃ)
(英)マーチ
(máːtʃ)
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「ɚ」はアメリカ発音でのみ使う記号で「ər」(曖昧母音のアル)を表す。つまり米国では若干「r」が入ることになる。「tʃ」は日本語の「チ」の音。
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4月
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April
(Apr.)
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エイプラル
(éiprəl)
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「ə」は半開きの脱力した口で言う「ア」。アクセントのない母音は「ə」か「i」で発音されることが多く、力を抜く箇所でよく登場する。発音記号どおりに読むと「エイプラル」が近い。
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5月
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May
(May)
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メイ
(méi)
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英語の「e」は日本語の「エ」に近い。
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6月
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June
(Jun.)
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ジューン
(dʒúːn)
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日本語の「ウ(ɯ)」は唇を丸くしないが、「u」は唇を丸くすぼませる。「ː」は強調の記号。正確には「長く」よりも「強く」の意味合い。
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7月
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July
(Jul.)
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ジュライ
(dʒulái)
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「l」は舌先を上前歯の根元にくっつけた状態で発音する「ラ行」で、上歯茎を舌先で一瞬はじく日本の「ラ行」とは異なる。
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8月
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August
(Aug.)
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オーガスト
(ɔːgəst)
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「ɔ」は舌を奥に引き口をやや大きく開けて発する「オ」で、「ə」は半開きの脱力した口で言う「ア」。
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9月
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September
(Sep.)
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(米)セプテムバル
(septémbɚ)
(英)セプテムバ
(septémbə)
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「ɚ」は曖昧母音の「ər」(アル)を表すため、アメリカでは最後に若干「r」の音が入る。
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10月
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October
(Oct.)
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(米)アクトウバル
(aktóubɚ)
(英)オクトウバ
(ɔktóubə)
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「a」は口を大きく開けて発する「ア」。
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11月
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November
(Nov.)
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(米)ノウヴェムバル
(nouvémbɚ)
(英)ノウヴェムバ
(nouvémbə)
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9月から12月まではアメリカのみ最後に若干「r」の音が入る。英語の「r」は舌先を上に当てないこと。
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12月
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December
(Dec.)
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(米)ディセムバル
(disémbɚ)
(英)ディセムバ
(disémbə)
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月曜日〜日曜日
曜日も固有名詞として扱われるため、大文字で書き出すことになっています。
曜日
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スペル
(省略表記)
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発音
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備考
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月曜日
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Monday
(Mon.Mo.)
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マンデイ
(mʌndèi)
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「ʌ」は舌を奥に引きやや大きめの口で発音する「ア」。呟く時の「あっ」の音で、日本語の「ア」よりも口の開きが若干小さい。
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火曜日
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Tuesday
(Tue.Tu.)
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チューズデイ
(tjúːzdèi)
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「j」は日本語の「ヤ行」で、「u」は日本語の「ウ」よりも口を丸くすぼめる。
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水曜日
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Wednesday
(Wed.We.)
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ウェンズデイ
(wénzdèi)
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「w」は上唇と下唇、軟口蓋と後舌の2カ所を狭めて発音する音で、唇すぼませ戻しながら「ウ」と発音する感じの音。
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木曜日
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Thursday
(Thu.Th.)
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サーズデイ
(θɚːzdèi)
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「θ」は舌先を少しだし上の歯につけて息を遮断して出す「ス」の音。「ɚː」は「əːr」(曖昧母音のアール)を表すが、こちらの「r」は省略可能とされている。
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金曜日
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Friday
(Fri.Fr.)
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フライデイ
(fráidèi)
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「r」は舌先をどこにも触れずに発する「ラ行」。
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土曜日
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Saturday
(Sat.Sa.)
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サタデイ
(sætɚdèi)
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「æ」は舌を前に出しアの口で「エ」と発音する感じの音。
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日曜日
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Sunday
(Sun.Su.)
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サンデイ
(sʌndèi)
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月の由来と語源!
ここからは月と曜日の由来と語源についてお話していきますね。恐らく名前は知っていても中身までご存じの方は少ないのではないでしょうか。英語の月の名前は古代ローマで採用されていた暦に由来します。これは紀元前735年に作られた「ロームルス暦」を始めとしますが、歴史的な経緯もあり様々なものが混在した名称となっています。
ざっくり言うと、1月から6月までがギリシャ・ローマ神話の神々、7月と8月が人名、9月から12月までがラテン語の番号、ということになっています。
月
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由来と語源
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1月
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ローマ神話の出入り口と扉の神「ヤーヌス」が語源。始まりと終わりも司ることから一年の始まりである1月の守護神となったとされる。なお紀元前735年に作られた「ロームルス暦」は現在の3月から12月までの10ヶ月間しかなく、農耕を行わない1月と2月は空白期間となっていた。
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2月
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ローマ神話の死と純化の神「フェブルウス」が語源。古代ローマにおいて毎年2月に行われていた慰霊祭の主神。紀元前700年頃に作られた「ヌマ暦」によって現在の1月と2月が追加され、1年が12ヶ月となった。
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3月
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ローマ神話の戦争と農耕の神「マルス(ギリシャ神話では「アレス」)」が語源。英語名は「マーズ」。最高神「ユピテル(ゼウス)」と6月の女神「ユノ(ヘラ)」の子供で4月の「ヴェヌス(アプロディテ)」とは恋人。ローマ神話では主神に近い位置づけで、ローマ建国者「ロームルス」の父親とされる。その彼が作った「ロームルス暦」では3月が1年の始まりだった。
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4月
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ギリシャ神話の美と恋愛の女神「アプロディテ(ローマ神話では「ヴェヌス」)」が語源。英語名は「ヴィーナス」。「サトゥルヌス」によって切り落とされた天空神「カイルス」の男性器から誕生した神様で「マルス」の恋人。
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5月
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ローマ神話の豊穣と春の女神「マイア」が語源。古代ローマでは5月1日に「マイア」を祭り供物が捧げられたが、これがヨーロッパにおけるメーデーの由来となっている。
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6月
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ローマ神話の結婚と出産の女神「ユノ(ヘラ)」が語源。土曜日を担当する「サトゥルヌス(クロノス)」の子で、最高神「ユピテル(ゼウス)」とは姉弟であり夫婦でもある。英語名は「ジューン」で、6月の花嫁「ジューンブライド」の語源にもなっている。6月までがギリシャ・ローマ神話の神々が由来。
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7月
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7月と8月は古代ローマの人名が由来。元々3月を1年と始まりとしていた「ロームルス暦」では、ラテン語で「5番目の月」を意味する「Quintilis」と呼ばれていたが、古代ローマの政治家「ユリウス・カエサル」が自分の誕生月である7月に自分の名前を付けたため「Juliusユリウス」に変更され、これが語源となっている。
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8月
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元々ラテン語で「6番目の月」を意味する「Sextilis」と呼ばれていたが、「ユリウス」の少し後に初代ローマ帝国皇帝「アウグストゥス」が自分の誕生月である8月に自分の名前を付けたため「Augustusアウグストゥス」に変更され、これが語源となっている。
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9月
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9月から12月までは古代ローマで使われたラテン語の番号が語源。紀元前735年に作られた「ロームルス暦」の段階からラテン語で「7番目の月」を意味する「September」と呼ばれており、これがそのまま英語のスペルへと取り込まれた。
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10月
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当初からラテン語で8番目の月を意味する「October」と呼ばれており、これがそのまま英語のスペルへと取り込まれた。なお9月から12月までは、ラテン語のスペルがそのまま英語へ取り込まれている。
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11月
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当初からラテン語で9番目の月を意味する「November」呼ばれており、これがそのまま英語へと取り込まれた。
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12月
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当初からラテン語で10番目の月を意味する「December」呼ばれており、これがそのまま英語へと取り込まれた。
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ギリシャ・ローマ神話の主要な神々の関係を図で表すとこのような形になります。
※ギリシャ神話は紀元前15世紀頃から成立していったと考えられておりこちらが元祖になるのですが、古代ローマではローマの神々をギリシャ神話の神々と同一視するシンクレティズムが行われてきたため、ギリシャ神話とローマ神話は名前だけ変えてほとんど同じような内容になっています。
※左側がローマ神話での名前で、右側がギリシャ神話での名前になります。
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曜日の由来と語源!
続いて曜日の由来と語源についてお話しますね。フランス語やスペイン語などのロマンス諸語においては、「月」も「曜日」も主に「ローマ神話」を語源としているのですが、英語では「月」は「ローマ神話」を主な語源としているのに対し、「曜日」は「北欧神話」を主な語源としています。「ギリシャ・ローマ神話」と「北欧神話」は確かに共通する部分はありますが、世界の構造そのものが異なるため基本的には別の神話だと思ってください。つまり「月」とは少し違った世界の神様になります。
曜日
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語源と由来
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月曜日
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北欧神話の月の神「Mániマニ」が語源。巨人族のムンディルファリという男が、自分の子供が美しかったことから、息子には月を意味する「マニ」、娘には太陽を意味する「ソル」と名付けた。しかしこれが神々の怒りを買い、二人は捕らえられて太陽を牽く馬車の馭者にさせられた。以後「ソル」は太陽の運行を司り、「マニ」は月の運行と満ち欠けを司ることになる。そして「ソル」が日曜日を、「マニ」が月曜日を担当することになった。ロマンス諸語ではローマ神話の月の女神「ルナ」が月曜日の語源。
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火曜日
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北欧神話の軍神「Tyrテュール」が語源。元々は北欧神話の最高神という位置付けだったが、後に「オーディン」にその地位を奪われたとされている。ローマ神話の軍神「マルス」とも同一視されているが、ロマンス諸語ではその「マルス」が火曜日の語源となっている。
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水曜日
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北欧神話の最高神で戦争と死の神「Odinオーディン」が語源。金曜日の女神「フリッグ」とは夫婦で、木曜日の「トール」の親。グングニルの槍を持ち、終末の日であるラグナロクにフェンリルに飲み込まれる。ロマンス諸語ではローマ神話の旅と商人の神「メルクリウス」が語源となっている。
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木曜日
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北欧神話の雷の神「Thorトール」が語源で、「トールの日」といった意味合いになる。「オーディン」の息子で北欧神話最強の戦神と言われる。ローマ神話の雷神「ユピテル(ゼウス)」と同一視されるが、ロマンス諸語ではその「ユピテル」が木曜日の語源。
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金曜日
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北欧神話の愛と結婚と豊穣の女神「Friggフリッグ」が語源。主神「オーディン」の妻で最高位の女神。予言能力を持っていたとされる。4月を担当するローマ神話の「ヴェヌス(アプロディテ)」と同一視されるが、仏語や伊語などのロマンス諸語ではその「ヴェヌス」が金曜日の語源となっている。
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土曜日
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土曜日は少し変則的でローマ神話の農耕と時の神「Saturnusサトゥルヌス」が語源。ローマ神話の最高神「ユピテル」と6月の女神「ユノ」の父親で、天空神「カイルス」の子供にあたる。「サトゥルヌス」は父「カイルス」を襲い第2世代の支配者となるが、やがて子供の「ユピテル」にその座を奪われる。なお他の欧州の言語では、安息日を意味するラテン語「Sabbatum」を土曜日の語源としていることが多い。
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日曜日
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北欧神話の太陽の女神「Sólソル」が語源。月曜日の「マニ」とは兄妹で、太陽の運行を司る神様。ローマ神話の太陽神の名前も「ソル」。ロマンス諸語ではラテン語で主の日を意味する「dies Dominicus」が日曜日の語源。
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西洋の暦の歴史をざっくり解説!
最後に西洋の暦の歴史をざっくりとお話ししますね。
西洋における暦は主にローマ神話を由来としていますが、これは紀元前735年に古代ローマで作られた「ロームルス暦」が起源となっています。これは古代ローマを建国した「ロームルス」によって定められたとされる暦なのですが、人間の妊娠期間を1年としたため現在の3月から12月に相当する10ヶ月間しかなく、農耕を行わない1月と2月は空白期間になっていました。この暦では最初の4か月(現在の3月から6月)にギリシャ・ローマ神話の神々の名が付けられ、後半の6ヶ月(現在の7月から12月)に5から10のラテン語の番号(5番目の月など)が割り振られていました。
しかしこの暦では季節とのズレが激しく不満が多かったため、紀元前700年頃、2代目の「王ヌマ」によってこれを修正した「ヌマ暦」が作られます。これは現在の1月と2月を追加した太陰暦12ヶ月の暦でしたが、これも1年が355日しかなく、ズレを修正するために神官たちが勝手に閏月などを挿入したため、暦は不統一でバラバラな状態へ陥りました。
これを修正して1年を太陽暦365日としたのが、古代ローマの政治家「ガイウス・ユリウス・カエサル(紀元前100年〜紀元前44年)」。彼は1ヶ月が30日と31日が交互になるように並べ、「ヌマ暦」の最終月である現在の2月を29日として調整しました。これが紀元前47年に定められた「ユリウス暦」になりますが、彼は自分の誕生月である現在の7月に自分の名をつけて「Juliusユリウス」としてしまいます。
それから少し後、ローマ帝国初代皇帝となった「アウグストゥス(紀元前63年〜紀元前14年)」も自分の誕生月である現在の8月に自分の名をとって「Augustusアウグストゥス」と名付けてしまいます。しかもこの時「ユリウス」よりも日数が少ないことを嫌って、またも2月から1日持ってきてしまいました。
その結果、7月と8月が31日で2月が28日、1月から6月までがギリシャ・ローマ神話の神々の名前で、7月と8月が人名、そして9月から12月までがラテン語の番号、といういびつな暦が完成することになります。
この「ユリウス暦」は西洋で長い間使用されますが、次第に実際の暦とはズレが生じるようになり、16世紀後半には10日間程もズレてしまっていました。そこで1582年、ローマ教皇「グレゴリウス13世」はこのズレを修正した「グレゴリオ暦」を制定します。この「グレゴリオ暦」がやがて世界に広まり、各国で使われる標準的な暦となっていきます。
ただ暦に何を用いるのかはその国の自由であって、ローマカトリックに強制されるものではありません。日本では鎖国が終わって間もない1873年にこの「グレゴリオ暦」を導入しますが、カトリックと袂を分かった英国では1752年まで「ユリウス暦」を使い続け、正教会のロシアに至ってはロシア帝国が滅亡する20世紀初頭までこの古い「ユリウス暦」を使い続けました。そのため日露戦争では、同じ戦争を戦っておきながら両国で日付の記録が異なるという不思議な現象が起こっています。
ちなみにイスラム世界ではムハンマドがメッカからメディナに移住(ヒジュラ)した西暦622年を元年とする太陰暦の暦(1年354日)を今でも採用しています(正確にはグレゴリオ暦との併用)。
もしかしたらまたいつの日か、世界情勢の変化に伴ってこの暦や日数が変わることもありえるのかもしれませんね。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございました!
それではお元気で。
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