ドイツ語の数字の読み方・数え方をカタカナと発音のルールと共にまとめてみた!

Guten Tag (グーテンターク・こんにちは)!
Wie geht es ihnen (ヴィーゲートエスイーネン・お元気ですか)?
 
ドイツ語の数字(基数)の読み方・数え方を、カタカナ読みと発音のルールと共にまとめてみました。
 
ドイツ語の発音はローマ字読みに近く、英語のようにスペルと音がずれることはほとんどありませんが、一部特殊なルールが存在します。まずドイツ語の表記は英語と同じラテンアルファベット(全26文字)を使用しますが、英語にはない「ä」「ö」「ë」「ß」の四つの文字を使用するため、全部で30の文字を使用することになります。またドイツ語の「r」はうがいをするようにのど擦れさせる特殊な音で、「ラ行」よりも「ハ行」に近く聞こえるため()書きで「ハ行」の音も記載しておきました。
 
その他の発音のルールは、その都度簡単に説明していきます。また年号や序数、少数、分数なども後ほど簡単に紹介します。
 
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0~10まで

基本的に数字(基数)は1から10までの数字を土台としてより大きな数字を組み立てていく仕組みになっていますので、1から10までは最優先で覚える必要があります。
 
数字
スペル
カタカナ
発音
備考
0
null
ヌル
nʊǀ
uːが緊張母音であるのに対して、ʊは舌と唇の筋肉に緊張を伴わない弛緩母音。日本語のウとオの中間ぐらいで、uːよりも唇をすぼめない。
1
eins
アインス
ains
独語ではeiの綴りでアイと発音する(二重母音ɑi)。
2
zwei
ツヴァイ
tsvai
独語ではwはヴェーで英語のvヴの音。
3
drei
ドラ(ハ)イ
drai
独語のrはうがいをするように喉を擦れさせる音でハ行に近い。
4
vier
フィーア
fiːr
独語のvはヴではなくフの音。rは後ろに母音が続かない場合はアの音になる。
5
fünf
フュンフ
fʏnf
üはユーウムラウト。ウの口でイと発音する感じの音(発音記号y)。
6
sechs
ゼクス
zɛks
独語ではsの後に母音が続くとzズと濁る。またchsの綴りでクスと発音する。
7
sieben
ズィーベン
zíːbən
独語ではieの綴りでイーと発音する(二重母音iː)。sの後に母音が続くとzズと濁る。
8
acht
アハト
axt
独語ではchの綴りでヒ(ç)だが、a,o,u,auの後ろではハ行(x)。
9
neun
ノイン
nɔʏn
独語ではeuの綴りでオイと発音する(二重母音ɔʏ)。
10
zehn
ツェーン
tseːn
独語では母音+hで長母音化。ehでエーと伸ばす。ゼーンではなくツェーン。
※「007」はドイツ語では「ヌルヌルズィーベン」と言います。あまり賢く……なさそうですよね(^^;)。
 
※1だけは後ろに続く名詞の性によって形が変わります。
男性
女性
中性
1格(主格〜は、が)
ein
eine
ein
2格(属格〜の)
eines
einer
eines
3格(与格〜に)
einem
einer
einem
4格(対格〜を)
einen
eine
ein
※2以上は基本的には変化しません。
 
 
 

《発音のルール》

ここではドイツ語の特有の発音のルールを簡単に説明します。正確に発音したい方は参考にしてみてください。お急ぎの方は飛ばしてもらって構いません。
 
※rの発音
ドイツ語のrは英語のrとは随分異なり、日本語にも存在しない音です。、正式には「口蓋垂(こうがいすい)震え音・ʀ」と言い、うがいをするように喉をこすれさせる音で「ラ行」よりも「ハ行」に近く聞こえます。ですので()書きで「ハ行」の音も記載しておきました。いわゆるフランス語のr(有声口蓋垂摩擦音・ʁ)に近いのですが、厳密にはフランス語のrとも異なり、rの後ろに母音が続かない場合は「ア」の音になります。
 
※母音について
ドイツ語には基礎母音5つ(i,e,a,o,u)の他に、変母音(ウムラウト)3つ(ä=ɛ,ö=ø,ü=y)と二重母音3つ(ɑI=アイ,iː=イー,ɔʏ=オイ)があり、合計11個の母音が存在します。
 
※ウムラウト
ウムラウトは母音を「e」または「i」に近づける現象で次の3つがあります。
①「ä」はエーウムラウト。「aア」の口で「eエ」と発音する感じ。発音記号は「ɛ」。
②「ö」はオーウムラウト。「oオ」の口で「eエ」と発音する感じ。発音記号は「ø」「œ」など。
③「ü」はユーウムラウト。「uウ」の口で「iイ」と発音する感じ。発音記号は「y」。
 
※ニ重母音
二重母音は特定の組み合わせで音が決まっており、3種類あります。
①ei,ai,ayなどの綴りで「aɪ」(アイ)と発音。
例 drei(3・ドライ・draɪ)
②ieの綴りで「iː」(イー)と発音。
例 sieben(7・ズィーベン・ziːbən)
③eu,äuなどの綴りで「ɔʏ」(オイ)と発音。
例 neun(9・ノイン・nɔʏn)
 
※「ß」について
見慣れない「ß」の文字は「エスツェット」。sが2つ重なったことを意味します。つまり「ss=ß」。直前の母音が短い場合は「ss」、直前が長母音か2重母音の場合は「ß」を使うことになっています。
例 essen(食べる・エッセン・ɛsən)
例 dreißig(30・ドライスィヒ・dráisiç)
 
※子音の音が変わる
①「b,d,g」の後に母音が続かない場合は、ブ,ドゥ,グと濁音化せず、プ,トゥ,クと清音となる
例 sieben(7・ズィーベン・zíːbən)
例 siebzehn(17・ズィープ()ツェーン・zíːptseːn)
②「s」の後に母音が続く場合は「z」(ズ)と濁り、母音が続かない場合は「s」(ス)と濁らない。
例 sechs(6・ゼクス・zɛks)
 
※その他注意しておきたい綴りと発音
①「chs」の綴りで「クス」(ks)。
例 sechs(6・ゼクス・zɛks)
②「ch」の綴りで「ヒ」(ç)だが、a,o,u,auの後ろでは「ハ行」(x)。
例 acht(8・アハト・axt)
例 sechzehn(16・ゼヒツェーン・zɛ́çtseːn)
③単語末の「ig」は「イヒ」(ɪç)と発音する。
例 zwánzig(20・ツヴァンツィヒ・tsvántsɪç)
④母音+hで長母音化。
例 zehn(10・ツェーン・tseːn)
⑤「w」は「ウェ」ではなく「ヴェー」。英語の「vヴ」の音。
例 zwei(2・ツヴァイ・tsvai)
⑥「v」は「ヴ」ではなく「フ」。
例 vier(4・フィーア・fiːr)
 
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11~19まで 

11から19までは1から9までがベースとなっています。11と12はしっかりと覚える必要がありますが、13から19までは基本的には3から9に10(zehn)を付けるだけです(16,17は若干変更)。
 
数字
スペル
カタカナ
発音
備考
11
elf
エルフ
ɛlf
ɛはアの口でエと言う感じ。eのエより口の開きが大きい。
12
zwölf
ツヴェルフ
tsvœlf
ö(œ)はオーウムラウト。オの口でエと発音する感じだが、œはøよりも若干口の開きが大きい。
13
dreizehn
ドラ(ハ)イツェーン
dráitseːn
13〜19までは3〜9に10zehnを付けていく感じ。
14
vierzehn
フィアツェーン
fírtseːn
rは後ろに母音が続かない場合はアの音になる。
15
fünfzehn
フュンフツェーン
fʏnftseːn
zehnはゼーンではなくツェーン。
16
sechzehn
ゼヒツェーン
zɛ́çtseːn
sechsの最後のsを取ってzehnを付ける。その結果chs(クス)はch(ヒ)となる。
17
siebzehn
ズィープツェーン
zíːptseːn
siebenの最後のenを取ってzehnを付ける。b,d,gの後に母音が続かない場合は清音となるためbはプと音を変える。
18
achtzehn
アハツェーン
áxtseːn
独語ではchの綴りでヒ(ç)だが、a,o,u,auの後ろではハ行(x)。
19
neunzehn
ノインツェーン
nɔ́ʏntseːn
euの綴りでオイ。
20
zwanzig
ツヴァンツィヒ
tsvántsɪç
単語末のigはイヒ(ɪç)と発音。
 
 
 

20〜29まで

21からは20(zwanzig)に1から9を付けていくだけ。ただし1の位を先に置き、後ろの10の位との間にund(ウント・〜と・英語のand)を置くことになっています。つまり「1の位 und 10の位」。その際1(eins)だけは若干形が変わりますので注意してください。
 
数字
スペル
カタカナ
発音
備考
20
zwanzig
ツヴァンツィヒ
tsvántsɪç
単語末のigはイヒ(ɪç)と発音。
21
einundzwanzig
アインウントツヴァンツィヒ
ainʊnttsvántsɪç
1だけは10に位とつなげると最後のsが取れてein(アイン)と形を変える。
22
zweiundzwanzig
ツヴァイウントツヴァンツィヒ
tsvaiʊnttsvántsɪç
undの後に母音が続かないためウンドと濁らずウント。
23
dreiundzwanzig
ドライウントツヴァンツィヒ
draiʊnttsvántsɪç
24
vierundzwanzig
フィーアウントツヴァンツィヒ
fiːrʊnttsvántsɪç
25
fünfundzwanzig
フュンフウントツヴァンツィヒ
fʏnfʊnttsvántsɪç
26
sechsundzwanzig
ゼクスウントツヴァンツィヒ
zɛksʊnttsvántsɪç
6は16や60ではsは取るが1の位として使う時はsechsのまま。
27
siebenundzwanzig
ズィーベンウントツヴァンツィヒ
zíːbənʊnttsvántsɪç
7は17や70ではenを取るが1の位として使う時はsiebenのまま。
28
achtundzwanzig
アハトウントツヴァンツィヒ
axtʊnttsvántsɪç
29
neunundzwanzig
ノインウントツヴァンツィヒ
nɔʏnʊnttsvántsɪç
 
 
 

30〜90まで

30以降も21から29の表記と同じで「1の位 und 10の位」で表記します。重複になりますので、10の位のみ記載しておきます。基本的には30は3にßigを、40以降は4〜9にzigを加えるだけです。
 
数字
スペル
カタカナ
発音
備考
30
dreißig
ドラ(ハ)イスィヒ
dráisɪç
30だけ単語末がzigツィヒではなくßigスィヒ。ßはエスツェットと言い、sが2つ重なったssを意味する。
40
vierzig
フィアツィヒ
fÍrtsɪç
単語末のigはイヒɪçと発音する。
50
fünfzig
フュンフツィヒ
fʏnftsɪç
60
sechzig
ゼヒツィヒ
zɛ́çtsɪç
16同様にsを取ってzigを付けるためchsクスではなくchヒになる。
70
siebzig
ズィープツィヒ
zíːptsɪç
17同様にenを取ってzigを付けるためbはブではなくプと発音。
80
achtzig
アハツィヒ
áxtsɪç
90
neunzig
ノインツィヒ
nɔ́ʏntsɪç
 
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100以上

100以上は「100の位hundert + 1の位 und 10の位」、
1,000以上は「1,000の位tausend + 100の位hundert + 1の位 und 10の位」、
と表記することになっています。
更にその上は「十万の位hundert + 千の位 und 万の位 tausend  +  百の位hundert + 一の位 und 十の位」という形で表します。
 
数字
スペル
カタカナ
発音
備考
100
(ein)hundert
フンダート
húndərt
rは後ろに母音が続かない場合はアの音になる。
101
ein­hundert ­eins
アインフンダート アインス
1の位はeinsだが、100の位を表す時はein。
200
zweihundert
ツヴァイフンダート
200以降はhundertの前に2〜9を持ってくるだけ。
777
siebenhundert siebenundsiebzig
ズィーベンフンダート ズィーベンウントズィープツィヒ
100の位を表す時はsiebenのまま。siebとはならない(6sechsもそのまま)。
1,000
(ein)tausend
タオゼント
táuzənt
sの後に母音が続くと濁音化してゼ。dの後に母音が続かないと濁音化せずト。
1,100
tausend einhundert
タオゼントアインフンダート
2,000
zweitausend
ツヴァイタオゼント
10,000
zehntausend
ツェーンタオゼント
10×1,000の意味。
100,000
hunderttausend
フンダートタオゼント
100×1,000の意味。
654,321
sechs­hundert­ vier­und­fünfzig­ tausend­ drei­hund ein­und­zwanzig
ゼクスフンダート フィアウントフュンフツィヒ タオゼント ドラ(ハ)イフンダート アインウントツヴァンツィヒ
分かりやすく言うと「654タオゼント321」。
1,000,000(100万)
eine Million
アイネミリオーン
milión
100万は英語と同じスペル。
1,000,000,000(10億)
eine Milliarde
アイネミリアル(フ)デ
miliardə
10億は英語とは異なる。日本語と異なり3桁ごとに呼び名が変わる。
1,000,000,000,000(1兆)
eine Billion
アイネビリオーン
bilión
Billionは英語では10億だが、ドイツ語では1兆なので注意。
※数字(基数)の紹介はここまでです。ここからは年号や序数、少数、分数などを簡単に解説していきます。
 
 
 

年号を表す場合

4桁の西暦を言う場合は1000年代と2000年代で表し方が異なります。1999年までは上二桁と下二桁を分け、上二桁にhundertを付けることになっています。(例1234→12 hundert 34)
 
年号
スペル
カタカナ
備考
1995
neunzehn hundert fünfundneunzig
ノインツェーン フンダート フュンフウントノインツィヒ
(19 hundert 95)
2001
zweitausend eins
ツヴァイタオゼント アインス
2000年代に入ると表記が少し変わり、(2 tausend 1)と表記する。
2022
①zweitausend zweiundzwanzig
②zwanzig zweiundzwanzig
①ツヴァイタオゼント ツヴァイウントツヴァンツィヒ
②ツヴァンツィヒ ツヴァイウントツヴァンツィヒ
原則的には①だが②も可能。(①2 tausend 22)(②20 22)
紀元前
vor Christus(v. Chr.)
フォアクリストゥス
vorは〜の前に。キリストの前を表す。BCはBefore Christ(キリスト前)という英語の略。
紀元後
nach Christus(n. Chr.)
ナッハクリストゥス
nachは〜の次に。キリストの後を表す。ADはAnno Domini(主の年に)というラテン語の略。
※3桁までの年号は通常の数字と同じです。
 
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序数

序数も紹介しておきます。序数は物事の順序・順番を表しますが、日付や分数の分母、世代数などにも使われます。一部例外はありますが、原則的には19までは数字に「t」を、20からは数字に「st」を付けることになります。
 
数字
スペル
カタカナ
備考
1
erst
エアスト
1は例外的変化をします。
2
zweit
ツヴァイト
3
dritt
ドリット
3も例外的変化。
4
viert
フィーアト
5
fünft
フュンフト
6
sechst
ゼクスト
7
sieb(en)t
ズィープト
7も変則。
8
acht
アハト
8も変則でそのまま。
9
neunt
ノイント
10
zehnt
ツェーント
11
elft
エルフト
12
zwölft
ツヴェルフト
13
dreizehnt
ドラ(ハ)イツェーント
14
vierzehnt
フィアツェーント
15
fünfzehnt
フュンフツェーント
16
sechzehnt
ゼヒツェーント
17
siebzehnt
ズィープツェーント
18
achtzehnt
アハツェーント
19
neunzehnt
ノインツェーント
20
zwanzigst
ツヴァンツィヒスト
20以降はstを付ける。
21
einundzwanzigst
アインウントツヴァンツィヒスト
※序数は後ろに付く名詞の性や数によって単語末の形が変わります。
序数詞+名詞の場合
男性
女性
中性
複数
1格(主格)
er
e
es
e
2格(属格)
en(es)
er
en
er
3格(与格)
em
er
em
en
4格(対格)
en
e
es
e
※定冠詞・不定冠詞が付くとさらに形が変わります。
 
 
 

小さい数字の表記

小数点以下と分数の表記方法も紹介しておきます。
 
数字
スペル
カタカナ
備考
0,1
null Komma eins
ヌル コンマ アインス
小数点は英語ではピリオド(.)を使うが、ドイツ語ではコンマ(,)を使う。
0,45
①null Komma vier-fünf
②null Komma fünfundvierzig
①ヌル コンマ フィーア-フュンフ
②ヌル コンマ フュンフウントフィアツィヒ
2通りの読み方があり、原則的には①のように一つずつ数字を読む。
1/2
(ein) halb
(アイン)ハルプ
halbは「半分の」を意味する。
1/3
ein drittel
アイン ドリ(ヒ)ッテル
分数は分子を先に言い、分母は序数にelを付ける。
3/4
drei viertel
ドラ(ハ)イ フィアテル
 
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よく使う単位と使い方

最後によく使う単位も少しだけ紹介しておきますね。
 
単位
使い方
意味
金額・ユーロ€
数字+euro(オイロ)+数字
acht euro fünfzig
8ユーロ50セント
何時何分
数字(時間)+Uhr(ウーア)+数字(分)
zwei Uhr dreißig
2時30分
〜倍の
数字+fach(ファハ)またはfältig(フェルティヒ)
zweifach
2倍の
〜回
数字+mal(マル)
einmal
1回
〜番目に
序数+ens(エンス)
erstens
1番目に
何月何日
序数+月
erste April
4月1日
※日付を言う場合は「日、月、年号」の順で、年号は数字(基数)、日付は序数を使います。
例 私は1998年8月15日生まれです。
Ich bin am 15. 8. 1998 geboren.
(am fünfzehnten achten neunzehnhundert achtundneunzig)
 
 
 
お疲れ様でした。
 
それではお元気で。
 
 
 
 
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