イギリスとイングランドの違い!サッカーはなぜイングランド代表なの?

ワールドカップが近づくたびに、多くの人が抱く疑問が「イングランド代表」。
 
 
イングランドと言えば、サッカーの母国として有名です。
 
 
ワールドカップや欧州選手権の常連でタレントぞろい。
 
 
プレミアリーグの人気も高く、日本でもイングランド代表のファンが多いですよね。
 
 
しかしなぜ「イングランド代表」なの?
 
 
 
オリンピックで見かけるカーリングなどの代表は「イギリス代表」です。
 
 
この違いって何?
 
 
そもそもイギリスの一部であるイングランドが、なぜ代表チームを持っているの?
 
 
そこでサッカーのワールドカップに、「イングランド代表」が認められる理由を調べてみました。
 
 
まずはイギリスとイングランドの違いから解説します。
 
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イギリスとイングランドの違いをざっくり解説!

イギリスとイングランドの地図
 
  イングランド イギリス
正式名称 イングランド グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国
中身 イングランド イングランド+スコットランド+ウェールズ+北アイルランド
国旗

セントジョーンズ

ユニオンジャック

主な民族 ゲルマン系民族 ゲルマン系とケルト系の多民族国家
ワールドカップ代表
オリンピック代表
もう少し詳しく解説します。
 

 

イギリスとは

そもそもイギリスという名前の国家は存在しません。
 
 
イギリスと呼んでいるのは、日本人だけです。
 
 
ポルトガル語でイギリス人を表す「Inglez」(イングレス)を語源とし、江戸時代から「イギリス」あるいは「エゲレス」と呼ぶようになったと言われています。
 
 
英語ではUK (United Kingdom)(ユナイテッドキングダム)とよく表されますが、
 
正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」といいます。
 
 
とても長い国名で、びっくりされるかもしれませんが、
 
これはグレートブリテン島に存在する3つの国(イングランド・スコットランド・ウェールズ)と、北アイルランドの「4カ国が連合」して、1つの王国を形成していることを表しています。
 
 
有名なイギリスの国旗「ユニオンジャック」も、イングランドとスコットランド・北アイルランドの国旗を組み合わせて作ったものになっています。
 
 
なお、赤い竜の描かれたウェールズの国旗だけは入っていません。
 
 
これはウェールズの、イングランドへの服属が進んでいたからだと言われています。
 
 

イングランドとは

イングランド「England」という国名は、「アングロ人の土地」という意味になるそうです。
 
 
ブリタニアからローマ軍が引き上げた後、ゲルマン系のアングロ・サクソン人が、先住民族であるケルト系ブリトン人を征服・追放して、現在のイングランドの元を築きます。
 
 
要するにイングランドは征服者であるゲルマン系の民族、スコットランド・北アイルランド・ウェールズは追いやられたケルト系の民族であって、別の民族の国家ということになります。
 
 
現在のイギリス人はみんな英語を話せますが、ウェールズ語やゲール語といった特有の言葉も存在します。
 
 
1つの国にまとめるのが難しいわけですよね。
 
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英国サッカーの歴史

サッカーの母国と言われるだけあって、イギリスのサッカーの歴史は古いです。
 
 
ボールを蹴るフットボールのような遊びは、世界各地にありましたが、このイングランドにおいて近代的なスポーツとして成立しました。
 
1846年にケンブリッジ大学で立案されたルールが、現代のサッカーのルールの元になったと言われています。
 
 
大英帝国の繁栄とともに、サッカーも世界中に伝播しますが、19世紀のサッカーの中心はあくまでイギリスでした。
 
 
国際サッカー連盟(FIFA)が組織されたのは1904年になりますが、各国のサッカー協会の設立はそれよりも早く、
 
イングランドにおいては、1863年にイングランドサッカー協会が設立
 
 
スコットランド・ウェールズ・アイルランドにおいても、1880年代までにサッカー協会が成立しています。
 
 
1870年には、世界初の国際試合が、イングランドとスコットランドの間で行わました。
 
 
つまりFIFAが国際的なルールを作る前に、この辺の地域では、すでに独自のサッカー協会が成立しており、代表チームとして定着していたことになります。
 
 
特に19世紀においては、イギリス4カ国が世界のサッカー界をリードしていました。
 
 

サッカーにイングランド代表が認められた理由

FIFAは当初は「1カ国1協会(1代表)」を提唱していましたが、民族や利権の問題もあり、イギリス4カ国は統合を拒否
 
 
しかし近代サッカーの母国で、かつ当時最強と言われたイギリスを、どうしてもFIFAに加盟させたかったため、
 
FIFAは英4協会の個別承認へと、方針を転換させました。
 
 
つまりイギリス4カ国のために、ルールを捻じ曲げたことになりますね。
 
 
 
このようにしてサッカーの国際試合では、イングランド代表やスコットランド代表が、堂々と認められることになりました。
 
 
要するにイングランドやスコットランドの代表が認められている理由は、サッカーの母国と実力者の特権的なものになるようです。
 
 
このような経緯があったため、FIFAにおいては現在でも、パレスチナ自治区や台湾・香港など、一定の自治が認められている地域の参加を認めています。
 
 
 
1つのチームに統合した方が、もっと強いチームができたのでは?
 
と誰しもが思っていますが、そこにはどうしてもゆずれない民族や歴史の問題があるみたいですね。
 
 

オリンピックのイギリス代表

 
オリンピックにおいては、1つの国につき、1代表チームしか認めていません。
 
 
イギリスにおいても、全体で1つのオリンピック委員会を作って、IOCに加入しています。
 
 
したがって、オリンピックサッカーにおいては、イギリス代表は長いこと出場していません。
 
 
 
ところが2012年のロンドンオリンピックでは、サッカー男子でもイギリス代表の出場が決定します。
 
 
しかし随分揉めたあげく、スコットランド・北アイルランドからは不参加。
 
 
結局イングランドとウェールズの2協会のみの選手から、代表チームが形成されることになりました。
 
 

まとめ

 
イギリスを形成するイングランドとスコットランド・北アイルランド・ウェールズは民族も異なり仲が悪い。
 
 
イギリスの各サッカー協会は、FIFAよりも先輩で実力者だったため、FIFAが頭が上がらなかった。
 
 
 
4つの国からイギリス代表作ったほうが、強いチームができそうな気がするのですが、実現は難しいようですね。
 
 
一度見てみたいですけど。
 
 
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