野球の中継でよく耳にする言葉が「マルチヒット」「猛打賞」、そしてたまに聞くのが「サイクルヒット」
 
 
いずれも複数の安打を放つことになりますが、後者ほど達成が難しくなります。
 
 
「サイクルヒット」になると、ノーヒットノーランと同じくらい難しくなり、日本では1年に1回出るか出ないかと言ったところになります。
 
 
この「マルチヒット」、「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いについて解説します。
 
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違いをざっくり解説!

 
  マルチヒット(安打) 猛打賞 サイクルヒット(安打)
内容 複数安打(2安打以上) 3安打以上 単打、2塁打、3塁打、本塁打
他の呼び名 複数安打・固め打ち   一巡安打・hit for the cycle
性質 記録 記録
主な記録 シーズン69回(イチロー) シーズン27回(西岡・秋山) 日本通算65人・70回
もう少し詳しく解説します。
 
 

マルチヒット

 
「マルチヒット(安打)」とは、1試合に複数(2本以上)のヒットを打つことをいいます。
 
 
マルチ「multi」は「複数の」、ヒット「hit」は「安打」の意味になります。
 
 
1試合で3本、4本、5本とヒットを打っても、特に呼び名が変わる事はありません。
 
 
「マルチ安打」「複数安打」とも言われますが、「猛打賞」のように特別な賞が贈られるわけではなく、あくまで記録(呼称)です。
 
 
「固め打ち」というのも複数の安打を打つことを言いますが、こちらは呼び名であって記録ではありません。
 
 
日本では、もともと「固め打ち」という言葉はありましたが、NHKでメジャーリーグが放送されるようになってから、テレビでも頻繁に用いられるようになったようです。
 
 
「マルチヒット」の、日本におけるシーズン最多記録は、イチローさんの69回(1994年)、2番目が青木宣親(のりちか)さんの68回(2010年)。
 
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猛打賞

 

猛打賞とは

 
「猛打賞」とは、1試合に3本以上のヒットを打った選手に対して、スポンサー企業などから贈呈される賞のことをいいます。
 
 
「マルチヒット」との違いは、こちらはであること。
 
 
これは1949年に制定された、日本のプロ野球特有のものになります。
 
 
なお、贈呈されるものはスポンサーにもよりますが、タオルのセットなどお中元と同じようなものだそうです。
 
 
試合中のアナウンスでも「猛打賞を達成した◯◯選手に◯◯社から◯◯が贈呈されます」といったものが聞こえてきますよね。
 
 
メジャーリーグには、ヒットを何本打っても、「猛打賞」のように賞が贈呈される制度はありません。
 
 

猛打賞の最多記録は誰?

 
日本プロ野球における「猛打賞」のシーズン最多記録は、27回で、西岡剛(つよし)さん(2010年144試合)と、秋山翔悟(しょうご)さん(2015年143試合)が達成しています。
 
 
しかしイチローさんは、1996年にわずか130試合で26回(単独3位)も達成しました。
 
 
試合数が異なるので単純な比較はできませんが、イチローさんは5試合に一回「猛打賞」を達成したことになり、144試合で計算すると、28.8回達成したことになります。
 
 
なお、メジャーで262本のヒットを打った2004年には、3安打以上(猛打賞とは言いません)を34回(161試合)も記録しています。
 
 
 
日本プロ野球における、「猛打賞」の生涯通算記録はこのようになっています。
 
順位 名前 猛打賞の回数 安打数
第1位 張本勲 251回 3085安打
第2位 川上哲治 194回 2,351安打
第3位 長嶋茂雄 186回 2,471安打
第4位 野村克也 180回 2,901安打
第5位 福本豊 178回 2,543安打
 
「猛打賞」においては、このように張本勲(はりもといさお)さんが、圧倒的な記録を持っています。
 
 
メジャーリーグには「猛打賞」はありませんが、イチローさんの3安打以上の回数を数えてみると、
 
日本120回 + 米259回(2017年終了時) = 379回(2017年終了時4,358安打)
 
日本プロ野球第1位の張本さんを、圧倒的に上回っています。
 
 
イチローさん凄すぎです…
 
 

サイクルヒット

 

サイクルヒットとは

 
「サイクルヒット(安打)」とは、1試合で、単打、2塁打、3塁打、本塁打、のすべてを打つことをいいます。
 
 
つまり最低でも4安打が必要になります。
 
 
そして「猛打賞」と違って、賞ではなくあくまで記録です。
 
 
「サイクル安打」「一巡安打(いちじゅんあんだ)」ともいますが、「サイクルヒット」というのは和製英語であり、英語では「hit for the cycle」 と言います。
 
 
もともとは「単打、2塁打、3塁打、本塁打」の順でヒット打つことを、「サイクル安打」と呼んでいました。
 
 
現在ではこの順で達成したものを「ナチュラル・サイクルヒット」、逆に本塁打から順に達成したものは「リバース・サイクルヒット」と呼び、順番関係なしに達成した「サイクル安打」とは区別されています。
 
 
 
達成人数的には、ノーヒットノーランと同じくらい難易度が高いと言われています。
 
 
特に3塁打を打つのが難しいです。
 
 
打者本人の長打力に加え、足の速さや相手の守備のもたつきなど、運の要素もあり、3塁打自体がめったに出ません。
 
 
この3塁打が足らずに、多くの人が失敗しています。
 
 

日本でのサイクル安打

 
過去日本のプロ野球でのサイクルヒットの達成は、65人で合計70回のみ(2017年終了時点)。
 
 
大体1年に1人現れるかどうか、といったところになります。
 
 
あの桁違いの安打製造機、イチローさんですら達成していません。
 
 
 
日本のプロ野球で、サイクル安打を2度達成したのは、藤村富実男さん(1950年)、松永浩美さん(1991年)、ロバート・ローズさん(1997年)、福留孝介さん(2016年)の4人のみ。
 
こちらは2016年7月30日の、福留孝介さん自身2度目のサイクルヒット!お見事です!
 
ロバート・ローズさん(横浜)は1999年にもサイクル安打を達成し、日本のプロ野球では唯一3回達成しました。
 
 
日本では、1シーズンに2度以上サイクル安打を達成した人はまだいません。
 
 
古田淳也さんは、公式戦では達成していませんが、92年のオールスターで達成(唯一)しました。
 
 

メジャーでのサイクル安打

 
メジャーリーグでの「サイクルヒット」の達成は、275人で合計305回(2017年終了時点)。
 
 
メジャーリーグでは「サイクル安打」を3度達成した人は、ジョン・ライリーさん(1890年)、ボブ・ミューゼルさん(1928年)、ベーブ・ハーマンさんの(1933年)、エイドリアン・ベルトレさん(2015年)の4人。
 
 
4回達成した人はメジャーにもいません。
 
 
1シーズンに2度達成した人は4人います。
 
 
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まとめ

 
「マルチヒット」、「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いについて解説しました。
 
 
「マルチヒット」・「猛打賞(3安打)」をこれだけ量産したイチローさんが、「サイクルヒット」を達成していないのも意外ですが、同じくメジャーで活躍した松井秀喜さんも達成していません。
 
 
ですが松井秀喜さんは、実は2001年にほぼ達成しかかかったことがあります
 
 
2001年5月23日の巨人対ヤクルト戦で、本塁打・2塁打・3塁打を放ち、残りはシングルヒットのみという状態で、「サイクルヒット」に王手かけていました
 
 
第5打席で長打を放ちましたが、この時巨人が3点差で負けていたため、松井さんは迷わず2塁へダッシュ。
 
 
その結果、本塁打・2塁打・3塁打・2塁打となり、「サイクルヒット」は消滅。
 
 
このようにして彼は、「サイクルヒット」という最高の記録を、チームの事情により自ら逃してしまいました。
 
 
チームのために迷わず2塁に走った松井さんは立派なのですが、あまりにも運が悪い。
 
 
この「サイクルヒット」だけは、運もかなり必要なようですね。
 
 
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