キリスト」というのはギリシャ語で「救世主」を意味します。
 
 
 
「イエス」は名前。
 
 
 
 
つまり「イエス・キリスト」とは「救世主イエス」の意味になります。
 
 
 
 
しかしイエスは、一体どんな人たちに対してどんな救済をしたのでしょうか。
 
 
 
ここではイエスがなぜ救世主と呼ばれるのか?ユダヤ人の歴史と聖書の記述をもとに、その理由をご紹介します。
 
 
 

基本情報1 ナザレ・イエス・キリスト・メシア どれが名前?

ナザレのイエス、イエス・キリストなどとよくいますが、名前はあくまで「イエス」です。ナザレというのはイエスが住んでいた地域の名前つまりナザレ地方に住んでいるイエスという名前の人、という意味になります。「キリスト」というのはギリシア語で救世主の意味。「イエス・キリスト」というのは「救世主イエス」を意味します。「メシア」というのはユダヤ人の言語ヘブライ語での救世主を意味します。つまり「救世主=キリスト=メシア」であり、この3つは同じ意味になります。
 
 
 
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ユダヤ人の歴史と考え方

イエスを語る前に、まずはユダヤ人の歴史と考え方について簡単にご紹介します。
 
 
 
 
モーセの指導のもと奴隷状態のエジプトを脱したユダヤ民族は、シナイ山で神ヤハヴェと戒めを守る代わりに、パレスチナの地を得る契約を交わします。
 
 
 
そしてその契約通り、パレスチナの地にユダヤ王国を建設しました。
 
 
 
しかしやがて神ヤハヴェへの信仰は薄れ、ユダヤ王国は分裂、そして他国から占領されてしまいます。
 
 
 
ユダヤ人たちは自分たちが神との契約を破り、信仰を忘れたことに対して、神が罰を与えたのだと考えました。
 
 
 
この信仰を忘れた者たちに対して、預言者たちが次々に警告を発するようになります。
 
 
 
悔い改めて神の戒めを守れと。
 
 
 
しかしユダヤ人は、他民族から迫害を受け続きます。
 
 
 
するとユダヤ人たちには、やがてこの世の終わりが来るという「終末思想」が蔓延します。
 
 
 
罪に満ちたこの世は、神によって一旦滅ぼされる。
 
 
 
そして神は、新しい善なる理想的な世界を作り、選ばれた人のみが導かれるだろう。
 
 
 
神はそのための「救世主」を遣わすはずだ。
 
 
 
その救世主は英雄「ダビデ王」の末裔から現れるだろう。
 
 
 
ユダヤ人たちは、このように考えたようです。
 
 
 
 
 
その考えは、神の言葉として旧約聖書の預言書に刻まれていくことになります。
 
 
 
そして紀元前4年頃、本当に救世主(イエス)が現れる。
 
 
 
このような流れになります。
 
 
 
つまりイエスというのは、ダビデ王の末裔のユダヤ人であり、預言書によってその到来が約束されていた人物だったということになります。
 
 
 
 
 
 
 

※基本情報2 旧約聖書と預言書

「旧約」というのはシナイ山で神ヤハヴェとユダヤ民族が結んだ契約のこと。これは下で説明するイエスが結んだ「新しい契約」に対する言葉であって、ユダヤ人の間では「旧約」とは言いません。ユダヤ人は「新約聖書」を認めず、今でも「旧約聖書」のみを聖書としています。
「旧約聖書」の中身は立法書、歴史書、詩書、預言書など39の文書から構成されています。
預言(よげん)というのは「神の言葉を預かる」という意味合いであって、未来を予知する予言(よげん)とは別物になります。預言書には、紀元前の多くのユダヤ人預言者たちの、神ヤハヴェから預かった言葉が記録されています。
 
 
 
 
 
 

旧約聖書の預言

旧約聖書には様々な預言が記されていますが、救世主の到来に関する預言が繰り返し語られます。
 
 
 
イエスの誕生に関する預言を、少しだけご紹介します。
 
 
イザヤ7章14節
それゆえ、私の主が御自らあなたたちに印を与えられる。みよ。処女が身ごもっている。そして男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。
 
 
 
イザヤ9章5節
1人のみどりごが私たちのために生まれる。…その名は「驚くべき指導者、力ある上、永遠の父、平和の君」と唱えられる。
 
 
旧約聖書には、この他にも多くの救世主の登場を予告するような預言が記されています。
 
 
 
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イエスの生涯

イエスは処女であるマリア(ダビデの末裔)の元に神の子として生まれ、洗礼により神の精霊を受けます。
 
 
 
そして弟子たちと町や村を回り、水の上を歩いたり、病を治すなどの奇跡を行いました。
 
 
 
イエスは愛によって人々を救済しようとします。
 
 
 
ユダヤ、非ユダヤにかかわらず、人を愛し相手の罪を許すイエスの教えは、多くの人から支持されました。
 
 
 
さらに形式主義に陥っていた、当時のユダヤ教を批判し、民の支持を集めます。
 
 
 
しかしその行いは、時の権力者の反感を買い、イエスはエルサレムで裁判を起こされ、磔刑に処されました。
 
 

※基本情報3 聖書にはアダムからイエスまでの系図が載っている

処女のまま懐妊したマリアには、大工職人ヨセフという婚約者がいました。イエスはヨセフの子ではないことになりますが、マリア・ヨセフともにダビデの末裔であるため、イエスはどのみちダビデの末裔になるようです。聖書には神によって作られたとされるアダムからイエスまでの系譜が全て載っています。数えてみたところ、アダムから数えてダビデ王が34代目、イエスは62代目(ダビデから数えて28代目)になりました。なお初代アダムは930歳まで生きたそうです。
 
 
 
 
 
 

死後の奇蹟と救世主

新約聖書によると、イエスは死後3日後に復活し、40日間弟子たちと過ごした後、天へ上っていったとされています。
 
 
 
この十字架による処刑により人々の罪を贖い、さらに復活することによって、イエスを信仰する全ての人々に対する救済の「新たな契約」が結ばれることになったとされます。
 
 
 
これは死後の世界「天国」のことを表しているようです。
 
 
 
イエスの教えを信じ、帰依した者のみが、民族を問わず、神が新たに作った王国、「天国」へ行くことができる
 
 
 
このような教義になるようです。
 
 
 
その後、残された弟子たちによって、「救世主イエス」は彼の愛の教えとともに広められ、キリスト教として広まっていきました。
 
 
 
 
 
 

イエスは旧約聖書で預言された救世主なのか?

イエスの弟子たちは、イエスこそが旧約聖書に預言された救世主(キリスト)であり、イエスによって新たな王国「天国」への扉が開かれた、としています。
 
 
 
同時に神(ヤハヴェ)の子であり、神、イエス、精霊を合わせて神とする「三位一体」という考えをとっています。
 
 
 
 
 
しかしユダヤ人はこれを認めていません。
 
 
 
イエスは救世主(メシア)ではなく、イエスは神の言葉を預かる預言者の1人に過ぎない。
 
 
 
メシアはまだ到来していない、という立場をとっています。
 
 
 
そしてイエスから2000年経った今でも、救世主メシアの到来を待ち続けています。
 
 
 
 
 
 

まとめ

キリスト教の立場によれば、イエスはダビデ王の末裔であり、旧約聖書に予言された「救世主=キリスト」。
 
 
 
磔刑により、すべての人々の罪を贖い、復活昇天することにより、イエスを信じるすべての人に対し、天国への救済の道を切り開きました。
 
 
 
つまりイエスはユダヤ人のみならず、「すべての人に対する救世主」ということになります。
 
 
 
しかしユダヤ人は、今でもこれを否定しています。
 
 
 
 
こちらで聖書のあらすじや内容について解説しています。聖書の全体像を把握してみたい方、これから読んでみようと思っておられる方におすすめです。
 
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